パキスタン。デリーから地図で見るとすぐなのですが、何故か近くて遠い国です。
実際、ものすごく遠い国に感じます。隣国なのに、この広いインドからパキスタンへ行くフライトはわずか週6便。すべて小型機で、デリー⇔ラホールが週2便、デリー⇔カラチが週2便、そしてムンバイ⇔カラチが週2便とそれだけです。それに比べて、ネパールやバングラ、スリランカ等は1日に10便以上も便があり、遠くの日本でさえ、エアインディア、JAL、ANAすべて含めると週27便もあるのに、パキスタン行きは全くフライトが無いのです。
この背景には、やはり現在でも対立している国境問題やパキスタン政府も支援していると思われているインドで問題を起こしているテロリストの集団等、お互いの両国関係は必ずしも良いとも言えません。
しかしながら、1947年にインドとパキスタンが分離してから、お互い離散した家族も多く、その数は何百万ともなります。絶対両国の行き来する需要は高いのですが、政治的な対立でその行き来も難しくなっているのでしょう。
でも、そんな政治的な関係の中、先日北デリーの高速を走っていたら、珍しいものが通りました。それは、なんとデリーとパキスタンのラホールを結ぶ路線バス。バスの後ろに、でかくDelhi – Lahore – Delhiと書かれています。
そして、その周りにはものすごい護衛が。なんと、警察官を沢山積んだパトロールカーがバスの前に1台、後ろに2台バスを囲んでいて、ものすごい厳戒態勢でした。サイレンも思いっきり鳴らしていたので、どんな要人がいるのかと思いきや、ただの路線バス。
そして、そのバスは猛スピードで高速を走り、周りのポリスたちが他の車を追っ払っていました。
これが真のVIP待遇(笑)!
パキスタン人の友人も、この写真をフェイスブックに投稿したらパキスタンでも同じ様な待遇を受けるといいます。
このバスに乗るのは何だか気持ちよさそうですね。偉い人になった気分でしょう(笑)。
僕も、会社の経営者では無ければビザを取ってこれに乗ってパキスタンへ行きたいです。経営者である以上毎年のビザ延長で面倒くさくなったら嫌ですからね。。。
ラホールは、デリーから車で北へ8時間ぐらい走った場所にある、ムガール王朝時代の遺跡が多く残るパキスタン3大都市の一つ。歴史的建造物等は、デリーにある遺跡に良く似ていると言われています。デリーから飛行機だとわずか45分ぐらいと身近にあるのに、あまり聞かないですよね。それほど、パキスタンと言うのは遠い国なのです。
この路線バスは1999年に運行が始まり、両国の関係改善のためにできた友好バスです。週6回往復をし、その中で週3回はデリー観光局のバスが、週3回はパキスタンのバスが、運行しています。1999年にカシミール州で印パ紛争があった時も、このバスは運行していました。
両国の関係が改善され、お互いが護衛無しで気軽に行き来できるようになると良いですね。