デリーのクトゥブミナールの裏にあるメローリという地区には、古い遺跡がぎっしりあります。日本のガイドブックにはほとんど載っていないある意味デリーの中の秘境。しかも、メローリはデリー文明発祥の地でもあり、オールドデリーより何百年も前に栄えた、所謂オールド・オールドデリーになります。
結構その遺跡も面白いです。
ハイライトは恐らくラジョーン・キ・バオリ。バオリとは、階段井戸の事です。16世紀のロディー王朝時代に建てられたと言われています。人も少なく、ガードマンが入口で守っています。結構深いんですよ。
ただ、この階段井戸へ行く難点は、深い緑の茂みの中を歩いて行かなければいけない事。でも、近くまでは車で行けます。Mehrauli Archaeological Park(メローリ考古学公園)にあります。周りは豚さんがぶひぶひ。
ここのハイライトは、デリーの遺跡の中で最も保存状態が良いと言われている、ジャマリ・カマリの墓。ジャマリ・カマリ・モスクと言う廃墟のモスクの横に小さな鍵がかかったゲートがあり、チョキダール(ガードマン)に言って開けてもらわなけれないけません。
何の保存状態が良いかと言うと、内部のブルーのタイル。これもロディー王朝時代、約500年前に建てられたものですが、何も修復をせずに、当時のブルーのタイルが天井から壁一面綺麗に散りばめられています。ここを見せてくれたチョキダールには感謝代としてチップを払う必要があります(Rs. 50から最高Rs. 100ぐらいで十分)。
もう一つ面白い事はこのジャマリ・カマリは、ジャマリさんとカマリさんと言う2人の人物。当時の有名な詩人らしいですが、2人とも男性でお互いが恋人同士だったと言う話。2人の墓は隣同士に並びます。
これらはすべてイスラム系の遺跡(ロディー王朝はイスラム系の王朝)ですが、当時が如何にその様な世界が寛容だったかを物語っています。
近所に、比較的評判あるタイ料理レストラン、Thai Highがあります。ここでランチをして、その前後に遺跡散策するのがお勧めです。すべて徒歩圏内ですが、階段井戸やジャマリ・カマリの墓はかなり分かりにくい所にあるので、地元の人に聞かなければいけません。
一人で行くとかなりビビると思うので(人気の無さに)、少人数のグループで行動しましょう。