航空会社:オマーンエア(オマーン航空)
便名:WY 242
フライト区間:デリー→マスカット
フライト利用日:2016年5月13日(金)
予定出発時刻:09:15発
予定到着時刻:11:05着
フライト時間:3時間20分
機種:ボーイング737-800
座席番号:2A
機材番号:A4O-BG
機材導入日:2009年10月16日
オマーンエア(オマーン航空)のビジネスクラスは昔から非常に興味がありました。数年間イギリスのエアラインサービスのリサーチ会社、スカイトラックスから世界のベストビジネスクラスを受賞した事もあり、ビジネスクラスなのにファーストクラス並みの広いシートとサービスを提供する事が話題になっています。
日本へ就航していないためあまり乗る機会が無かったのですが、今回カイロ発日本行きの往復チケットを他社で確保し、カイロだったらオマーンエアが就航し、更にはビジネスクラスの大セールを数か月前に実施していて事実上同社のエコノミーより安い事もあり、迷わず購入しました。ただ、カイロだけの往復だけだと、インド便もカイロ便も小型機だけの運航になり、この機材には豪華なシートやコースでの機内食は提供されません。ヨーロッパ方面もセールだったので、わざわざ往路をヨーロッパ行きにして、そこから別の片道チケットでカイロへ行くというプランにしました。
さて、問題はヨーロッパのどこを目的地にするか。オプションは、パリ、フランクフルト、ミュンヘン、チューリッヒ、そしてミラノの5つでした(ロンドンも就航していますが、セールの対象外でした)。この中で、最も安価にカイロへ片道で行ける方法を選び、それがミラノ発のアテネ経由カイロ行きでした。航空会社はエーゲ航空というギリシャのエアライン。エーゲ航空は安いだけでは無く、口コミで評判も良く、更にはスターアライアンスのメンバーで安い予約クラスでもマイルが貯まるので、もうすぐにこのオプションで決定します。こちらの詳しい体験記は後ほど。
午前6時45分に自宅を出発。デリー空港へ向かいます。
空港は7時半頃到着。まずはスクリーンでチェックインカウンターを確認します。
朝の時間帯はほとんどが国内線ですね。デリー空港は深夜から早朝にかけてが国際線フライトのピーク時間です。指定のチェックインカウンターへ向かいます。
何故か、エアアジアのスタッフが誘導していました。ビジネスクラスのチェックインカウンターは一人も並んでいませんでした。
マスカットまでは普通のシートなので、僕が指定した窓際の横には通路側シートがあります。念のため、誰か隣に乗客がいるか聞いたら、
「You’re the only passenger in Business Class, so it’s all yours.」
だって!キャビン丸ごと僕のものです(笑)。なんだか乗る前からかなりワクワクしてきました。今まで乗った飛行機で同じクラスに他に誰も乗客がいないなんて事は一度もありません。
オマーンエアは、デリー空港ではプラザ・プレミアムラウンジを提供しています。ANAのデリーラウンジと同じ場所です。今まで隣のITCラウンジ(JALはこちらを利用)は利用した事がありますが、プラザ・プレミアムラウンジは今回が初めてです。
食事は朝食時だったので、シリアル各種、フルーツ、サラダのカウンターがあり、その先にホットミール4種類ありました。この日は、洋食2種類(パンケーキとソーセージ)と、インド食2種類(ビリヤーニとダール)でした。その他に、卵料理を調理するライブカウンターもありました。
これから機内食もある事なので、食事は無しとしてCatchのジンジャーエールだけ頂きました。Catchはインドの飲料メーカーですが、ここの飲み物は結構イケると思います。
トイレも拝見。
ラウンジの印象ですが、プラザ・プレミアムラウンジよりITCラウンジの方が好みです。トイレも後者の方が綺麗だし、食事の質も良さそうです(ITCラウンジは夕食時に2回利用しただけなので、今回の朝食時とあまり比べらないかもしれませんが)。
搭乗時間にゲートへ向かいました。
搭乗は、エコノミークラス後方列から始まりました。ビジネスクラスは僕一人なので、てっきり案内しなかったのかな?と思ったら、どうやらビジネスクラスの乗客は一番最後に呼ばれるらしいです。次のマスカットからミラノへ行く際がそうでした。ぎりぎりまでラウンジでゆっくりして下さい、と言う意図なのでしょう。ま、早く搭乗したかったので、エコノミーの列に参加して入りました。エコノミーも、あまり混雑していなかったです。
いよいよ機内へ!旧型か、新型が気になっていました。オマーンエアでは、同じB737-800機材でも2014年以降に導入された新しいのと、それ以前の古いのと2種類あります。今回は、古い機材にあたりました。古い機材のビジネスクラスは、シートピッチが新型と比べ狭いのと、シートテレビが無く、代わりにエンターテインメント入りの専用タブレットを渡されます。
シートピッチは40インチ。そんなにありませんが、エコノミーと比べると大分快適ではあります。たった3時間たらずのフライトなので、問題ありません。
前方の壁にある絵が恰好良かったです。マスカットの街並みと、その上に描かれたカンジャルと呼ばれるオマーンの伝統的な刀です。
ちなみに、オマーンエアの社長はドイツ人です。他の湾岸系航空会社(エティハド航空やエミレーツ航空)も、社長は西洋人です。カタール航空だけは唯一、地元の人が社長です。
ヘッドフォンはノイズキャンセリングタイプです。ビジネスクラスではこの種類が一般的になりましたね。
この時点で、パーサーが挨拶をしてきてくれました。
フィリピン人の女性で、既に7年間オマーンエアで勤務していたという事。本日のフライトは、僕以外に乗客がいないという事で、VIP対応になると冗談気で言っていましたが、正にこれからマスカットまではその通りになりました(笑)。
ウェルカムドリンクを聞かれ、シャンパンを。ハーフボトルで持って来られました。325ミリあります。もちろん、全部頂きました!しかも、離陸前に。まだ平日の午前。これこそ真の朝シャンです。デリーでお勤めされている皆さん、ごめんなさい。朝にあまり酒は飲んだこと無いので、かなり酔っ払いました。気持ちよかったですよ。最高の旅のスタートでした。
ちなみに、シャンパンの銘柄はTaittinger Brut Reserve。後で、フランクフルト空港で同じハーフボトルサイズのものが売られていましたが、免税店で20ユーロしていました。と言う事は、このサイズで2,500円。ビジネスクラスとしては、そこそこ良いものです。他社では、シャンパンでは無く、スパークリングワインを提供しているエアラインも多いですからね。
とは言っても、シャンパンとスパーリングワインの違いは単なるフランスのシャンパーニュ地方で作られたか・作られていないかの違いだけで、スパーリングワインでも十分に美味しいのは沢山あります。
この後、タイ人クルーがアラビアンコーヒーとデーツを持ってきました。他に乗客がいないという事と、写真をぱちぱち撮っていたせいかバスケットごと置かれました。こんなに食べれないって(笑)。
中東系のプレミアムクラスでは、かならずこのサービスはありますね。アラビアンコーヒーは細かくしたモカ系のコーヒー豆をそのまま濾さず、砕いたカルダモンも一緒に入れます。なので、場合によってはカルダモンの色でもある緑色をしています。味はそこそこ濃いです。ターキッシュコーヒーにカルダモンで味付けた様な感じです。アラビアンコーヒーの提供は、伝統的にお客を歓迎する意味でもあります。
そして、メニューが配られました。チョイスは3種類で、欧風1種類とインド風2種類。インド風は避けたいので(飽きたので)、欧風のポーチドエッグとソーセージを選びました。
そして、アメニティーキットが配られました。
たった3時間ぐらいのフライトなので、まさか配られるとは思っていませんでした。豪華な感じのポーチの中には、なんと、超高級ブランドであるAmouage(アムアージュ)のクリーム4点セットが入っていました。
リップバーム、顔用モイスチャークリーム、アイジェルとボディーローションです。はオマーンが誇る高級香水メーカーで、フランスと提携し、自然豊かなオマーンで獲れる乳香やライム、バラなどを使用した「世界で一番高級な香水メーカー」とも言われています。
アムアージュの香水は本気で高くて手がでません。例えば、香水100ミリで平均的に日本円で3万円近く。シャネルやアルマーニなどの一般的な香水は、100ミリのボトルで大体7,000円から8,000円ぐらいなので実に4倍程の値段になります。そのブランドのクリームだから、質は悪くないと思います(まだ使用していませんが)。その他にはポーチの中に定番の歯ブラシセットや耳栓など。
この飛行機にはシートテレビが搭載されていないとのことで、クルーがエンターテインメント用のタブレットを持ってきてくれました。
その間に、機内安全ビデオが流れました。アニメーションになっていて、キャラがオマーンの民族衣装を着ていてとても面白かったです。特に、女性の衣装がカラフルで、保守的な湾岸諸国では女性は黒ずめのアバヤが一般的ですが、オマーンは例外でカラフルな衣装を着る方が多いです。
そして、離陸します。
この時点、かなり良い感じに気持ちよく酔っ払っていました。シャンパンをハーフボトル離陸前に全部終えた事にどこかプライドを持てました(笑)。そして、トイレも行きたくてしょうがなかった。シートベルト着用のランプが消灯した瞬間トイレへ直行(笑)。ついでに、写真も。
至って、普通のトイレでした。その代わりに、ハンドクリームがアムアージュ製だったので、これがビジネスクラスだと実感させられます。トイレはこの後、エコノミーの乗客がここを使おうとしますがその度にクルーがここは使えないと注意していました。しっかりしています。航空会社によっては、エコノミー客でもビジネスクラストイレを使用しても何も言わないクルーもいますが、ちゃんとこのフライトでは注意してくれました。と言う事は、俺専用のトイレだぜ!他の者は使うな!(ごめんなさい、調子に乗って。。。)
すぐに、朝食サービスが始まりました。先ほど選んだポーチドエッグです。かなり量がありました。ポーチドエッグの他に、ポテトとほうれん草のクリームソース、ソーセージ、そしてグリルしたパニールが。付け合わせに新鮮なフルーツとプレーンヨーグルト、そしてあつあつのクロワッサン(チョコレート入り)。インド発なので、インドのケータリングと言うのがよく味で出ています。不味くは無かったですが、インドテイストにちょっと飽きが来ていたところなので特別には楽しめませんでした。朝食なので、あまり期待はしません。でも、一人ブレックファストの雰囲気は楽しみました!付きっ切りのサービスは最高です(^^)。
パーサーが写真を撮ってくれるという事で、お願いしました。見苦しくてごめんなさい(笑)。
ちなみに、飲み物はフレッシュジュースをお願いしたところ、スイカジュースでした。日本ではあまり一般的ではありませんが、スイカを絞っただけのジュースはさっぱりしていて結構イケます。インドでは一般的です。
食後は、タイムの葉のお茶をお願いしました。付け合わせにクッキーも。お茶はさっぱりしていて美味しかったです。そろそろ、先ほどのシャンペンの酔いから覚めてきました(笑)。
次は、シートで遊んでみました。どれだけリクライニングができるのか。隣のシートで実験しましたが、あまり深くはリクライニングはしません。本当に短距離路線用の機体ですね。レッグレスト・フットレストもあまり上がりません。
ジュースをまたお願いしたく、もう一種類、ライムのフレッシュジュースがあるという事でそれをお願いしたら、またスイカジュースも一緒に付いてきました。クッキーまで。このクッキーはしっとりしたカントリーマームのクッキーの様です。
パキスタン領を出たらすぐに着陸体制です。本当にオマーンはデリーから近いです。距離的には、南インドのコーチンと同じぐらい。オマーンは本当に人もフレンドリーで大自然がとても綺麗。アラビアの良さがあり、治安もとても良いので旅行先としてはお勧めです。何回もこのブログで触れていますが、今まで50か国以上旅した中で、オマーンが最も僕の好きな国です。ただ、物価は安くありません。オマーンで旅行するには、そこそこの予算は必要になります。
そのオマーンが見えてきました!マスカット上空です。前回オマーンを見たのは13年前なので、とても懐かしかったです(ホントに。。。涙が出るぐらい!良い思い出ばかりです)。ちょっと霞んでいますが、晴れると海が青く輝きます。
ちなみに、上の写真は建設中の新ターミナルです。現ターミナルは20年間変わらないターミナルで、近年の著しく成長するオマーンエアのフライトのボリュームから今のターミナルはパンク状態です。
別れの前に、クルーと一緒に写真をお願いしました。
オマーンエアでは、男性クルーはすべてオマーン人、女性クルーは世界各国から採用されています。その中でも東南アジア出身が多く、タイ人とフィリピン人の存在は大きかったです。アジア人クルーがやっぱり一番サービス良いと思います。
ドアが開いて、まずはビジネスクラス乗客である僕だけ一人でタラップを降りました。バスに乗る時の最後まで、フィリピン人のパーサーが飛行機のドアから手を振ってくれました。最高のサービスでした。
バスは他の乗客を待つのかと思いきや、なんと僕一人が乗ったらドアクロージング!本当にVIPだ!いくらビジネスクラスの乗客が少なくても、ここははっきりとしているのですね。マスカットの現空港ではボーディングブリッジは無く、すべてのフライトはタラップで乗り降りしてバスでの移動になります。バスを降りたら、まずは運転手さんに手を振って、次は乗り継ぎへ向かいます。あぁ、時間あればオマーンに入国してマスカットの空気を吸いたいな。でも、休みが限られているのでこのままミラノへ乗り継ぎです。次のフライトがオマーンエアの醍醐味です。
次は、マスカット空港のラウンジと、ミラノ行きフライトの体験を語ります。
追伸:下ネタです。。。オマーン航空と昔よく読んでいました。いや、オマーン航空でも言い方正しいでしょう。中学生の時、家族で中東旅行をする前に日本の電車の中で「オマーン航空に乗るんだよね」なんて話して、母親が小声で「あんまり大きな声で言わない方がいいよ」とボソッと耳元で言いました。後になって意味が判明しました(年齢的に理解が遅いですがw)。検索するとオマーンエアもオマーン航空も両方使用されている様ですが、大声で叫んでも問題無いよう「オマーンエア」に当ブログでは呼び名を統一します(笑)。