航空会社:エティハド航空
便名:EY 204
フライト区間:アブダビ→ムンバイ
フライト利用日:2016年6月6日(月)
予定出発時刻:14:10発
予定到着時刻:19:20着
フライト時間:3時間40分
機種:エアバスA380-800
座席番号:4K
機材番号:A6-APH
機材導入日:2016年5月13日
最高のラウンジ滞在を体験した<その1>の続きです。
まさかの短距離路線にA380による運航。距離的には、デリーからケララへ行くフライトと大差がありませんが、ロンドン、ニューヨーク、シドニー、メルボルンにしか就航していないプレミアム機材がムンバイへ2016年5月から導入される様になりました。
ラッキーな事に、今回のムンバイ便はA380でも一番の最新機材による運航で、何と導入されてから3週間しか経っていないおニューな飛行機!アブダビ空港のファーストクラスラウンジもオープンしてから1週間で訪問したし、何だか僕だけの特別サービス?みたいな錯覚を起こさせてしまいました(笑)。
このフライト、実際の飛行時間は3時間以内ですが、今まで体験した中で一番最高のフライトでした。
ファーストとビジネスの乗客は2階のドアから入ります。初めて、2階から搭乗しました。入口で男性クルーが搭乗券を拝見すると、すぐに別の女性クルーを呼び、座席までエスコートしてくれました。いや、「座席」と呼ぶより「個室」がふさわしいです。エティハド航空も、A380のファーストクラスはただの「ファーストクラス」とは呼ばず、「ファースト・アパートメント」と名付けられています。なるほど、座席とベッドになるソファーが別々にあるし、専用の通路やミラー、冷えたミニバーまで備えているので、確かに空飛ぶアパートです。
僕の座席は4K。
エティハド航空A380のシートアレンジは特殊で、ファーストクラスですと窓際の座席は3A、3K、4A、そして4Kのみです。その内、進行方向に面している座席は4Aと4Kのみ。3Aと3Kは、進行方向逆側を向いています。その他は、通路側の方にシートがあるので座席からは窓の外の景色は楽しめません。
先ほどシートまで案内してくれた女性はアッサム出身のインド人クルーで名前はアンビーカ。非常に人あたりが良く、親切でフレンドリーでした。まずは挨拶をしてくれ、ウェルカムドリンクを聞かれました。エティハドのファーストクラスで提供しているシャンパンはボランジェのGrande Annee 2005とそこそこ高級なものなので、是非シャンパンをお願いしました。
ウェルカムドリンクと共に、ウェルカムレター、おしぼりとデーツがトレイに運ばれました。
後ほど、オランダ人のF&Bマネジャーが自己紹介をし、アラビアンコーヒーを持ってきました。彼の名はトビアス。コーヒーの提供と共に、コーヒーに使用されている原料を説明してくれました。今まで数々の中東系航空会社(エティハドを含む)に乗りましたが、初めてアラビアンコーヒーに付いて説明をしてくれ、嬉しかったです。このコーヒーには濃いコーヒーに、カルダモンとローズが入っているとの事。テキパキと動く明るいクルーでした。
まずはシートチェック♪
タッチパネルの操作とマニュアルの操作。両方あるのが凄いけど、ここはマニュアルだけでも十分じゃないか?
ハンドセットは最新でした。タッチパネルでもあるのでナビゲートしやすい。ウェルカム画面はムンバイのタージマハール・パレスホテルが。目的地の写真がバックグラウンド画面になるのですね。
個室内の設備を見学します。
まずは収納スペースから。
ファーストクラスでコーラとスプライトって(笑)。飾り目的だけだと思いますが、冷えた水は大変ありがたいです。ファーストクラスだとついついアルコール類を沢山飲んでしまい、喉がとても渇きがち。この時、クルーを呼んで水をもらうのもあれなので、セルフですぐ冷えた水を取れるのは良いです。
横の扉を開くとあら不思議、ミラーが!ここにアメニティーキットが置いてありました。ポーチの中は空で、脇のポケットにクリーム各種や歯ブラシセット、アイマスク等が置いてあります。アメニティーのブランドは、ルラボのベルガモット22です。
このファーストクラスのポーチですが、UAE伝統の編みものです。これはスキルを持っている、教養の無いお年寄りの女性を中心に(UAEは今では大金持ちの国ですが、50年前までは世界最貧国の一つだったので未だに年配者は学校に行かれていない方が居ます)を支える団体、Soughaと提携しています。
そして、美しいシートへ戻ります。エティハド航空のファーストクラスシートは、フェラーリのシートメーカー、ポロトローナ・フラウ製です。エレガントです。
このフライトのファーストクラスの搭乗数は9席中自分含めて3人。ファーストクラスの上を行くザ・レジデンスは誰も居ませんでしたが、ドアは閉まっていました。ザ・レジデンスにはリビングルーム、専用シャワー、そしてベッドルームが付いています。値段はファーストクラスの5倍(アブダビ→ムンバイに関しては)。ただ、1名でも2名でも料金は一緒なので、2名で行けばその半額で楽しめますね。とは言っても、高値の花の中の高値の花ですが(笑)。
次にポケットの中の雑誌類を拝見。
ヘッドフォン。機内撮影に忙しくて一度も利用しませんでした(笑)。
中には「ラマダーン・カリーム」と書かれたカードが入っていました。ちょうどこの日からイスラム教徒の断食月であるラマダーンが始まる日です。とは言っても、機内では普通に日中でも酒の飲めるし、機内食も食べれます。
<ビジネスクラス拝見>
ビジネスクラスも行ってみました。エティハド航空のA380のビジネスクラスは、ファーストクラスに並んで世界で最も快適なシートを導入している事で評判があり、興味がありました。
こちらもファーストクラスと一緒で、進行方向前向きと後ろ向きのシートが交互になっています。
シートはリクライニングを試しませんでしたが、スペース的に余裕があり、ビジネスクラスにしてはかなり快適です。
今度は、ファースト・ビジネス兼用のラウンジを拝見します。
ワインセラーは空で冷蔵庫には水のボトルがありました。お酒のボトルが無かったのは恐らくこの日がラマダーン中だった事と、短距離のフライトだからなのかな?
ちなみに、離陸後にこのラウンジを訪問した時はテーブルがセットアップされていました。誰もラウンジを使用している様子はありません。正直、ファーストクラスとビジネスクラスの座席がこれだけ快適なら、ラウンジもそんなに必要無いかと思います。でも、社交好きなアラブ人、ここでお喋りに夢中になるのかな。
ビジネスクラスと機内ラウンジを見学後、自分の個室に戻ります。
飲み物を聞かれたので、今度はスパーリングウォーターをお願いしました。
まだ離陸前ですが、ナッツと水が配られました。ナッツは温められています。
飛行機が動き始めました。
そして離陸。
ブラインドを下げてみます。電動です。
この時、座席をリラックスモードにします。ベッドになるソファーが別に設置されているので、シート自体はそんなに倒れません。リラックスモードにすると、若干シートがリクライニングするぐらいです。
ベルト着用ランプが消えると、おつまみです。シャンパン、スパーリングウォーターと一緒にナッツ(また!)、オリーブ、そしてわさび味のグリーンピースが。すぐ先が機内食だったので、ほどほどにしておきます。
メニューを拝見します。3時間のフライトにしてはとても充実しています。
そして、すぐに昼食の準備が!昼食は、離陸前にファーストクラス専属シェフから注文を聞かれました。イギリス系のシェフで、前菜、メインとデザートを選択すると、それぞれに合ったワインをお薦めしてくれました。え、いいの?僕のために3本も開けちゃって??
ファーストクラスを担当しているのは先ほどのインド人クルー、F&Bマネジャーのトビアス、そしてシェフのデイビッドの3名です。乗客数が3人なので、平均すると乗客一人あたり一名のクルーが付く計算に。それにしても、シェフとF&Bマネジャー両方が担当しているって、そんなに機内食に力入れているのか!(嬉しい事ですがw)
短いフライトなので、アミューズは提供されません。
最初は前菜から。スモークサーモンのレモンオイル掛けをチョイスしました。両脇にはメロンとスイカが。こんな分厚いスモークサーモン初めて(笑)。
サーモン、超美味しかった。
ワインが運ばれました。この時、F&Bマネジャーのトビアスが一つ謝りました。それは、通常はボトルを座席まで運び、銘柄を見せながら注ぐと言う事ですが、今はラマダーンのためボトルを座席まで運ぶ事はご法度らしく、もちろん問題無く了承しました。対応が丁寧です。
シェフお勧めのサーモンに合うワイン(白)の銘柄は:Kim Crawford, Sauvignon Blanc, Marlborough, New Zealand, 2013。
メインはチキンビリヤーニを。インドと違って、アラブのビリヤーニは辛くなく優しい味付けなので日本人にも食べやすいです。
長距離路線になると、前菜とメインの間にお口直しのシャーベットが提供されますが、このフライトではありませんでした。
シェフお勧めのビリヤーニと合うワイン(赤)は:Pinot Noir, Muratie Wine Farm, Stellenbosch, South Africa, 2012。
このビリヤーニはチキンの他にサフラン、レーズン、カシューナッツ、そしてトッピングにフライドオニオンが載せてあります。油気無く、さっぱりしていてとても食べやすかったです。このチョイスは正解。
デザート。
何と、ラクダミルクを使用したチョコレートのムース、ガナッシュとアイスクリーム!シェフに「臭くない?」と聞いたとき、ラクダミルクは牛乳よりもタンパク質が豊富でヘルシー、そして実はそれほど臭みが無いとの事。是非どうかと聞かれたので、試してみました。写真にはありませんが、デザートワインも一緒に頂きました。銘柄は:Viognier, Taltarni Late Harvest, Pyrenees, Victoria, Australia, 2007。
味は。。。美味かった!と言うか、チョコの味がリッチなので牛乳でもラクダ乳でも判らない(笑)。どれも、最高だったよ!!
デザートと一緒にフルーツ盛り合わせもお願いしました。山盛り(笑)。
食事終了後、トビアスが「もし良かったら。。。シャワーを浴びてみます?」と聞かれ、即答YESをしました。この時点で、既にムンバイ到着1時間前。もうすぐ着陸態勢に入ります!シャワーを浴びるには、クルーが一度シャワー室で設定しなければいけなく、その間ドアはロックされて他の乗客が使えない様になります。用意が終わるとクルーがシャワー室まで案内し、ドアを開けます。
トビアスがシャワーの使い方を説明します。使用時間は5分。結構短いですが、水が貴重な機内でこれだけ使える事自体が最高の贅沢です。僕のために、さっきトイレには置いていなかったルラボ製のボディーローションもシンクの横に置いてくれました。こういう細かい気遣い、エティハド航空は良くできています。例えそれがマニュアルだったとしても。
ドアを開けると。。。
ランプを見て、あとどれぐらいお湯を使用できるかが判ります。水温は調整もできます。
そしてスイッチを入れると。。。
凄すぎる。。。機内でシャワーが浴びられるとは。エティハド恐るべし。。。
ちなみに、ライバルのエミレーツ航空がもう一つ機内シャワーを設置した航空会社で、こちらがオリジナルです。エミレーツのシャワー室の方が写真を拝見すると広くて豪華です。
その間、クルーがベッドメーキングをしてくれていました!これは、事前にお願いしたのですが。自分の部屋に戻ると、そこはまるでホテルの一室の様でした!
今度はブラインドをすべて下げて、ランプを付けて再度通路側から撮影。え、しつこい?
ベッドはどうなっているかと言うと、まず折り畳みソファーが開き、その上に敷布団が置かれ、更にシーツが。薄いですが、かなり快適です。
そして、テレビは寝ていても観れるように、角度を90度向ける事ができます。また、ベッドの枕元の壁はスライドする事ができ、前(もしくは後ろ)のベッドと一緒に「半」ダブルベッドにできます。同伴者が居る時には、二人だけの空間を楽しむ事ができます。「半」の理由は、腰から頭の部分だけが壁を開ける事ができるからです。いちゃいちゃ防止w?いやいや、テレビがあるからと言う事にしておきましょう。
はい、ベッドで楽しめた時間5分。機長のアナウンスが流れ、ムンバイへ着陸態勢に入るとの事。
クルーの方々に記念撮影をお願いしました。
右からアンビーカ、トビアス、そしてデイビッドです。空いていた1Kの個室で撮影しました。みんな入れるからスゴイ。座席で機内パーティーできます(笑)。
次はギャレーで記念撮影。
本当に皆さんありがとう!!
そしてムンバイが見えてきました。モンスーンぎりぎりの季節なので曇っています。
デリーと比べると高層ビルが多く、何だかインドじゃないみたいです。でも、空港着陸寸前には大きなスラムが現れます。
別れる時ももちろん皆さん笑顔で!このフライト、今まで体験した中で一番最高のフライトでした。フライト時間短すぎたー!この短い中、シャワーを浴びさせてくれ、意味も無いベッドメーキングをしてくれ、料理も丁寧にそれぞれのコースに似合ったワインもお勧めしてくれ、文句無しのサービス。
<エティハド航空A380ファーストクラスの印象>
豪華過ぎます!完全個室型、自分専用の通路、ベッドソファーと座席が別々、そして機内シャワー!贅沢を尽くしたこの機体、ファーストクラスの域を超えていると思います。これより更に豪華なザ・レジデンスがあると言うのが余計に驚きです。
でも、これら豪華な設備より何よりも、クルーのサービスが最高だった事が一番の思い出です。設備がどんなに豪華でも、人と人の繋がりが無いと、「良い」フライトにはなりません。チームワークがしっかりできたクルーと暖かいサービスが宝です。
今回の体験はすべてが素晴らしすぎて、エティハド航空にアブダビ空港のラウンジで対応してくれたスタッフと機内クルー一人一人の名前を触れてサービスが良かった事をフィードバックとして書かせて頂きました。
エティハド航空ははずれがありません!