北インド一帯は雨期に入りました。デリーも厳しい暑さから気温も下がり、蒸していますがまだ過ごしやすくなりました。
前回、ラダックとカシミールが今の時期、観光先としてお薦めだと言う事を記載しました。
それに続きます。
<キノール(キナウル)とスピティ>
やっぱり夏と言えば涼しい山。まだあまり知られていないキノールとスピティは、ヒマーチャル・プラデーシュ州のチベット寄り位置する奥地で、この2つはシムラからマナリへ行く周遊ルートとなっています。キノールは緑が豊かで色とりどりの花々が咲く桃源郷とも呼ばれています。それに対するスピティはヒマラヤ山脈の反対側でモンスーンの雲を遮り、インドで最も雨量の少ない乾ききった土地。地形も文化的にもラダックに似ていますが、ラダックよりも更に人口が少ないながらも古い歴史があり、1000年以上前の仏教僧院が普通に建っています。
○キノール(キナウル)
険しいヒマラヤ山脈の間に流れるサトレジ川周辺に広がる人口わずか50,000人程度の地域です。リンゴの産地とも知られ、インドに売っているリンゴのほとんどはここのリンゴか、カシミール産になります。カルパと言う古い山の上の村や、桃源郷の様なサングラ谷等、見どころは結構豊富。
木造建築が多いです。また、この辺の道路は断崖絶壁に造られた感じでスリル満点。
サングラにある古~い木造のヒンドゥー寺院。宮崎駿監督のアニメに出てきそう。
サングラの一番奥地はチットクルと呼ばれる村。標高は3,400メートルもあります。
こんな奥地ですが観光地なので、ちゃんとした大自然の中のリゾートもあり、そこそこの快適は求められます。
○スピティ
さて、キノールからスピティへ行く道が面白い。緑がだんだん減っていき、いっきに草が生えない乾いた土地に徐々になっていきます。そして、顔だちもインド人の濃さから、チベット系の人達が目立つようになり、文化も変わってきます。景色は絶景そのものです。
ここまで来ると、完全にチベット文化圏。実際、中国領のチベットは目と鼻の先です(山の裏がそう)。ラダック以上に、チベットらしくなります。
山道もすごい迫力!
しばらくすると、ダライラマが現役を終わったら(そんな事あるのかな?)、永住したいという、タボがあります。ここには世界遺産候補の1,000年以上前に建てられたタボ・ゴンパがあり、ここの内部の壁画が非常に美しいです(撮影禁止)。
スピティ川の周辺に集落がポツン、ポツンとあるぐらいで、本当に人の気配があまりありません。
もう一つ凄い遺跡がダンカル・ゴンパと言う、断崖絶壁にへばりつくように建てられた仏教寺院!!凄い迫力です。これ、なんと1,000年以上前に建てられ、中にはチベット僧侶が沢山居ます。
そして、スピティと言えばピラミッド型に僧院が並ぶ、キー・ゴンパ。これもまた迫力があります。
キー・ゴンパから砂利道をジープでどんどん上がっていくと、開けた高原に。数十人が暮らす集落がいくつかあり、この中でアジアで一番標高の高いコーミック村(標高約4,600メートル!)が奥にあります。8月の日中に訪問してもダウンが必要な程寒く、ここの僧院がありますがどうやって子供達はこの寒さを耐えているのか気になります。
本当にとてもお勧めしたい地域なのですが、アクセスが不便でここを周るには最低1週間は必要です。空港が最寄りに無く、一番近くてもチャンディーガル空港。逆にその不便さのお陰で、素朴さが残り、あまり観光客の波が押し寄せないから良いです。この後同じ様に「秘境」と呼ばれるラダックを訪問しましたが、ラダックのレーがバンコクに感じました(笑)。それぐらい、ラダックと比べると素朴で、とても心に残る思い出になりました。
旅行シーズンは6月中旬から峠が積雪で閉まる10月中旬ぐらいまでです。
もし、この地域の旅行にご興味があれば是非H2トラベルズまで連絡下さい!