航空会社:エチオピア航空
便名:ET 672
フライト区間:アディスアベバ→成田(仁川経由)
フライト利用日:2019年4月23日(火)
予定出発時刻(アディスアベバ):23:25発
実際の出発時刻(アディスアベバ):23:30発
予定到着時刻(仁川):16:45着
実際の到着時刻(仁川):16:39着
予定出発時刻(仁川):17:45発
実際の出発時刻(仁川):18:05発
予定到着時刻(成田):20:25着
実際の到着時刻(成田):19:52着
時刻表上のフライト時間(アディスアベバ→仁川):11時間20分
実際のフライト時間(アディスアベバ→仁川):11時間09分
時刻表上の仁川空港トランジット時間:1時間00分
実際の仁川空港トランジット時間:1時間26分
時刻表上のフライト時間(仁川→成田):2時間40分
実際のフライト時間(仁川→成田):1時間47分
機種:ボーイング787-8
利用クラス:ビジネス
座席番号:2K
機材番号:ET-AOV
機材導入日:2014年6月27日
長らくお待たせしました、エチオピア航空の約14時間半に及ぶ長距離ビジネスクラス搭乗記でございます。今までの人生で座っている時間としては一番長いビジネスクラスでのフライトです。
元々この区間はエコノミークラスで予約をしていましたが、入札式アップグレードで最低価格からUSD 5を乗せて、たったUSD 355でアップグレードができました。ヨハネス→アディス→成田までエコノミーで4.9万円だったので、実質9万円以下で、殆どの距離をビジネスクラスでカバーすることができました。
詳しくはこちら>世界一(?)オトクなアップグレード価格?
ビジネスクラス専用バスゲートで待機
さて、アディスアベバの出発は夜のピークの時間帯。今年に新しい拡張工事が完了して混雑は多少解消できたとは言え、出発便の数に対してボーディングブリッジの数が足りていないので、殆どのフライトはバスでの移動です。
幸い、ビジネスクラス及びスタアラゴールド会員は専用のセキュリティーと待合所があり、あまり待たされる事がありません。
バスゲートの待合室は正直大した事無く、狭いです。幸い、ラウンジでは昔ながらの搭乗アナウンスをしてくれるので、ギリギリまで待機してアナウンスが流れたら向かえば良いです。
搭乗が開始されたら、エレベーターで下に降りて、専用のバスに乗ります。
なんと!機体に記載されている機材番号を確認したら、2年前に無償アップグレードでムンバイ→アディスアベバ間を乗った同じタージマハル号!ということは、旧型のシート。残念。エチオピア航空の787-8は2種類のシートがあり、新型はフルフラット、旧型は斜めフラットです。でも、安いアップグレードなのでビジネスに座れるだけでもありがたいです。
クルーからの温かい歓迎
エチオピア航空の乗務員のサービスって、エコノミーとビジネスだと天地の差があります。これだけ、クラスでハッキリ態度が分かれる航空会社ってなかなか無いかも(笑)。いや、エコノミーでも良いクルーに巡り合える場合もあるのだけど、基本的にそんなにお構い無し、という感じ。反対にビジネスクラスは、至れり尽くせり、という感じです。2回しか搭乗していませんが、そんな印象。
幸い、隣は空席でした。嬉しい^^。
そして、ウェルカムドリンク。エチオピア航空のウェルカムドリンクは毎回2人がかりで回ってきて、1名がシャンパンを継ぐ担当です。ボトルには丁寧にタオルが巻かれていて本格的。笑顔が素敵です。
シャンパンの銘柄は日本だと一本最低6,000円前後はするビジネスクラスとしては比較的高級なラリエ・ブリュット。正直、シャンパンなんて値段で味が決まる分けでは無いですが、どれだけシャンパンに予算をかけているかで、その航空会社の頑張り具合を判断することができます。適当な航空会社はシャンパンもチープで適当な場合が多い。。。
そうそう、そしてエチオピア航空の素晴らしいのは、オレンジジュースが美味い!搾りたての粒々が入ったもので、これもかなり航空会社の評価が高くなります。なかなか濃縮還元でないフレッシュジュースを提供する航空会社ってあまり無いです。シャンパンといい、オレンジジュースといい、結構力を入れています。
アメニティーとシートの設備
エチオピア航空のアメニティーキットは昔から一緒(笑)。エチオピア航空のテーマカラーに因んで、緑、黄、赤の3種類があり、どれが配られるかはその日のお楽しみ。中身もポーチの色に合わせた統一したもの。
今回は緑でした。まだ、使いやすい。前回は赤色でド派手。黄も何か嫌だな。緑は落ち着いた黄緑色で良い。
中身はこんな感じ。これは2年前の時に貰った派手な赤色バージョン。至って普通です。ただ、ポーチはフックが付いているのでバスルームで吊り下げられるので便利。網状の内ポケットもあり。化粧品ポーチとしてのサイズも大きすぎず、丁度よいです。
USBポート、各プラグ対応の電源コンセントあり。エチオピア産のミネラルウォーターはシートのボトルホルダーに置いてあり。
ノイズキャンセリングかどうかは不明ですが、悪くは無かったです。
真ん中のアームレストはプライバシースクリーンとしての機能もあります。
Wi-Fiはありません。
ボリューム満点の豪華な機内食
離陸後、直ぐに夕食となりました。フルコースです。エチオピア航空では昼食と夕食にエチオピアの伝統料理インジェラが提供されるので凄く楽しみにしていました。
まずは夕食のメニューとメニューを。
「Teff」はインジェラの基。夕食は、やけに沢山種類が(前菜だけで3種類、メインコースで4種類)ありますが、すべて積載している訳では無いそうです。スープに興味を持ちましたが、「ありません」と言われてしまいました。
オレンジジュースが記載してありますが、普通に頼むとフレッシュでは無く、Ceres製の濃縮還元を持ってくるので、あの美味しいオレンジジュースが飲みたい場合には「Fresh」を強調した方が良いかもしれません(もしかしたらウェルカムドリンクと朝食時だけの限定かも)。
本場淹れ立てのエチオピアコーヒーが飲めるのも特徴です。
ワインリスト。赤がエチオピア、南ア、フランス2種類の計4種類、白がエチオピア、フランス、南アの計3種類、プラス泡が先ほどのフレンチのシャンパンと、イタリアンのプロセッコ、そしてポルトガルのデザートワインと結構種類が豊富です。
珍しくドイツ製のノンアルコールビールもあります。
そして機内食!
エチオピア航空では近年流行りのトレーを使わず、レストラン式にクルーが食器を一点ずつテーブルにセットアップしていく方法。
前菜は何故か苦手な鶏レバーのパテを選択。
前菜ははっきり言って大した事ない。
サラダはごく普通。
ワインはエチオピアの赤を頼みました。
さぁ、次が楽しみのインジェラ♪5種類のワット(シチュー)とインジェラをお皿に盛りつけてくれます。大好きだからたっぷり載せて!とクルーに伝えると山盛りに。抵抗があるのか、周りでインジェラはスキップする人も多々いました。
クレープ状のインジェラを手でちぎって、具を巻いて手で食べます。だから余計美味しく感じるのかも(インド人やアラブ人が良く手で食べるから飯はうまいのじゃ!と言いますが、本当にその通りです)。
シチューは5種類あり、牛肉が2種類、チキンが骨付きで1種類、豆、そして野菜と健康にとても良さそう。スパイスがたっぷり効いています。これはエチオピア航空に乗るハイライトですね。ただし、日本発のフライトでは深夜便なので提供されません。あくまで昼食と夕食のみです。
しかし、何故かインジェラは前菜とメインの間に提供されるコース。普通にメインだと思うのだけど、パスタの様にメインの前のコースなのですかね。
なので、基本この時点で腹がいっぱいです。そのため、メインは軽い魚のクリームソースにしました。
味はまぁまぁです。
そして豪華なデザートカート!まだまだ止まりません!チーズ各種類、フルーツが丸ごと入ったフルーツバスケット、プチケーキ3点セット、デザートワイン、リキュールとワゴンサービスで。
腹いっぱいでしたが欲張ってすべてお願いしちゃいました!チーズは本格的に干した杏もついて、フルーツはオレンジを。プチケーキはフルーツタルト、チョコレートケーキ、チョコレートシュークリームとすべて大好きなものばかり。デザートはかなり良かったです。
〆に、メニューに無かった南アのリキュール、アマルーラをロックでお願いして、夕食が終了しました。インジェラとデザートは特に良かった!
就寝モード
ベッドは完全水平にはなりませんが、それでも快適です。変に足元だけ狭くなるフラットシートよりは快適かも。
実はこのフライトでは機内食以外に凄い楽しみがありました。その楽しみを寝過ごす訳にはいかないので、無理して頑張って起きている様にしました。
ボリウッド映画を観賞
今回のシンガポールから乗るエチオピア航空の旅では、悲しい結末のエチオピアのラブストーリー映画、陽気なノリウッド(ナイジェリア)映画、ホリウッド、邦画、そしてこの便ではボリウッドと国際色豊かなので楽しいです。
「Tumhari Suru」はインドに残る女性偏見から立ち直ってラジオのコメンテーターになる母親に付いての映画。
ちなみに、日本の映画もありました。「ミッドナイトバス」でした。
やっぱりビジネスは快適!そして、完全にキャビンが消灯される前に、お休みのチョコレート。アイルランドのLily O’Briens製でなかなか美味しいです。嬉しいですね、チョコのサービスは。
キャビンは完全消灯。
ちょっと化粧室に寄ってみました。Ugo Vanelli製のローションが置いてありました。
カラコルム山脈の最高の絶景
このフライトの楽しみは、カラコルム山脈の景色を眺める事。通常ヒマラヤ山脈を飛行機で超えることは無いので、世界で最も高い山々が並ぶ山脈を上空から見下ろす事ができる貴重な体験です。世界第二高峰のK2を始め、ナンガ・パルバット山等8,000メートル級の山々に近づけるチャンスです。
が。機材はドリームライナー。普通の機材ならシェードを少し上げて撮影できますが、この機材はシェードが無くボタンで明るさが調整できるタイプ。飛行機好きには不評判です。
一気に明るくすることができますが、そうすると窓が大きいので他の乗客に迷惑がかかる(皆寝ているので)。しかし、微妙な明るさだと大した撮影もできない。何とか補正も兼ねて、撮影することはできました。
素晴らしい絶景です。生憎、K2を見つけ出す事はできませんでしたが、流石世界の屋根です。
やっとこの景色を味わった後少し寝ることにしました。💤
シンプルな朝食
仁川到着2時間ぐらい前から朝食のサービスが始まりました。まずはお目覚めのおしぼりから。
次にジュースカートが。カートの上には、昨晩の美味しいフレッシュオレンジジュースのボトルが置いてあったので、「オレンジジュース」を注文したら何故かCeres製の濃縮還元のものが継がれました。いやいや、その「フレッシュのやつ」を頼んだら喜んでそれも継いでくれましたが。同じ100%ジュースでも、濃縮還元とフレッシュとは全くものが異なります。
オムレツを指定しました。スパニッシュ風でかなりぱさぱさしています。ハッシュドポテトもぱさぱさ。機内で盛り付けはせず、そのままオーブンでチンをした感じですね。
飲み物は淹れ立てエチオピアコーヒーを。
コーヒーの後に他に何か飲み物は?と聞かれて、到着前のシャンパンを頂きました。
仁川着陸
仁川空港に降り立つのは実に16年ぶりです。3週間ぶりのアジアの景色。ホッとしますね。
もし読者の方で分かっていればお聞きしたいのですが。。。韓国の陸の前って、下の写真の様な沼地になっているのが多く見かけます。海岸線はあるのだけど、実際の海はもっと遠い、みたいな。これって自然のつくりなんですかね。それとも敵から攻められにくい様に造られた?他の世界でも見たことの無い光景なので、ちょっと不自然にも感じました。
仁川空港のラウンジで美味い飯を楽しむ!
てっきり機内待機かと思っていたら、成田へ行く乗客も一度降りなければならないと。そして、ターミナルに降り立ったら検疫関連の用紙に記入して提出しなければなりませんでした。昔日本でもありましたね。ちなみに、具合が悪いと記入すると韓国に残らされるのかは不明です。
機内待機しなくて良かった。短い時間ながら仁川の空港を楽しめます。
係員の指示に従ってトランジット。新たな搭乗券が渡されます。
折角なので、短いながらもアシアナ航空のラウンジへ直行してみました。何だか近代的な光景に感動。
新鮮なサラダが豊富なのは嬉しい!
ホットミールは4種類のみでしたが、たっぷりのカルビ焼きとカニのスープには感動!
まだこれから機内食もあるので、控えめに。カルビがうま~い!!!サラダも日本では見たことの無いタイプの厚めの青菜で、美味かった。日本のビジネスクラス空港ラウンジで牛肉をこんな風に食べれる事が無いので、ビーフ好きにはたまらない!スープも超美味。生き返りました~!
シャワーも浴びたかったのですが、1時間待ちだと言われて間に合わないので諦めることに。景色もよく、これから成田に運んでくれるエチオピア航空の機体が見えました。
またまた温かいサービスと豪勢な機内食
再度搭乗。乗務員も入れ替わり、今回の短い成田までのフライトもとても感じの良いクルーでした。ウェルカムドリンクにシャンパンは無かったですが、頼めば持ってきてくれたかもしれません。
美味しい搾りたてのオレンジジュースを。
離陸。もう夕方です。
2時間以内のフライトである事にも関わらず、機内食はかなり本格的です。しっかりコースで提供されます。
仁川搭載のお陰か、こちらの方が全然クオリティー高いです。ビーフとチキンの前菜はしっとり、サラダは大好きなツナが入ったニソワーズ風。生野菜も新鮮。
メインはエビチリ。大きいエビが4~5匹ぐらい入ってかなり美味かったです。付け合わせのほうれん草もぴったりの味。ごはんは何故かぱさぱさしたもので、インドのバスマティーとはまた異なる食感。
そしてなんと2時間以内のフライトなのにデザートはワゴンサービス!チーズ、フルーツ、甘いのを食べ放題!東京⇔ソウル間で一番豪華なビジネスクラスの機内食は余裕でエチオピア航空でしょ。
かなり腹がいっぱいだったので、チーズとフルーツをスキップして、ホワイトチョコのムースだけ頂く事に。器がでかい。。。デザートワインと一緒に。
そして〆にエチオピアコーヒー。
もうこれでほぼ成田に近づいています。あっという間のソウル→東京便。やっぱり韓国って近いんですね。
【搭乗評価】
機内クルーの対応:☆☆☆☆☆
アメニティー・エンターテインメント・シートの設備:☆☆☆☆
シートの快適度:☆☆☆☆
機内食・飲み物のクオリティー:☆☆☆☆
<フライトの印象>
エチオピア航空のビジネスクラスは、特に「めっちゃいい!」という訳では無いけど、乗務員の対応が良いし、焦りが無く優雅な気分にさせてくれます。比較的高価なシャンパンや美味しいオレンジジュースへの拘りがあり、機内食のインジェラはエチオピア航空でしか体験できない。豪勢なフルコースメニュー(味とクオリティーはばらつきあるけど)、特にデザートは満足させてくれます。シートは至って普通。エンターテインメントは世界各国の映画があって、飽きないです。エチオピア航空のサービスは賛否両論ですが、僕はこの独特な雰囲気が好きです。アフリカへのネットワークが凄く充実しているので、また乗るでしょう。そして、何といっても最低USD 350でアフリカと日本の間をアップグレードできるのは非常に価値があります。