実は新名所でも無く、2015年頃から存在していたそうですが全く知名度が薄かった。。。日本語でGoogle検索しても未だに殆ど情報が無し。なので、すしまる自らの勝手な判断として新名所とさせて頂きます。
友人の紹介で初めて訪れてみたこのエリア。。。想像以上に良かった!いや、インスタ映えを求めるのであれば、デリーで一、二位を争うぐらい!
その場所とは。
Lodhi Art District(ローディー・アート地区)
ローディーコロニー(Lodhi Colony)内に位置します。
Googleマップで確認するとこのエリア。
ここは公務員用の公団住宅が集まる地域。元々は無機質な分譲住宅だったところの壁を、世界中のアーティストを集めてストリートアートギャラリーへ変えたもの。それぞれインドが抱える社会問題へ対してのメッセージの意味合いもあり、結構奥が深いものもあります。
作品はエリア全体に散らばっているので、全て観るとしたら半日から1日は必要でしょう。
(Credit: https://www.golivegotravel.nl/en/asia-en/new-delhi-street-art-lodhi-art-district/)
↑上記の地図は2017年と古く、新しいアートに塗り替えられている事も示唆できるので必ずしも参考にならないかもしれませんが、広いエリアにこれだけ散らばっているという証拠です。
今回はこの付近に勤務先がある友人K君と一緒に、夕方2時間だけサイクルリクシャーをチャーターして回ってみました。
こんなに沢山あるとは知らず、結果的にはほんの一部しか回っていなかった様ですが、素晴らしかったです。
↑ネパール人の作品。金魚とペットボトルが一体になっています。近年汚染が深刻なデリーを流れるヤムナー川のプラスチック問題を描いています。
↑インドの地方では未だに女性蔑視が問題。「My Life Matters」と「Fearless」が強いメッセージとして表れています。
↑カラフル。近くで観ると判りませんが、遠くからだとヒンディー語で大きく「サート」と書かれており、即ち「一体感」を意味します。その下にはヒンディー語で左から「歴史」、「清潔」、「教育」、「女性へ尊敬」、「住処」、「子供を守る」等、社会を良くさせるための道徳に関する単語が書かれています。
社会調和を表すアートは以下いくつかご紹介。
シンガポール人の作品でトリックアートも面白いです。
↑左下の醜い人間は本物です(笑)。
↑この作品は、画家のYip Yew Chong氏がこのローディーコロニーを訪れた時に受けた初印象だった、昔ながらのインドらしい温かい雰囲気を表したもの。
次はこれ。どんな印象受けますか?
同行したK君は
「何だかごちゃごちゃしてうるさい感じで好みじゃないなぁー」
と言っていました。
後で説明を読んでみると、これはインドの公共の場で流れる(鉄道駅やバスの中)アナウンスを形にしたもの。
なるほど、よく心理状態を表したアートだ!
インドの公共の場で流れるアナウンスは音割れは当たり前、耳に思いっきり響く不快な音も多いのでよく表現できています(笑)。
オーストラリア人とシンガポール人の作品でした。
ちゃきちゃき進みましょう。
↑こちらも別のシンガポール人の作品。自由は他人と繋がった時にしか実感できないものであり、その瞬間は鳥の様に空に羽ばたける感覚である、という事を描いたもの。ムガール王朝時代のシンボルであった花を鳥が咥えています。
次はベルギー人の作品。
これはデリー含めて何処にでもいるただの鳩。あまりにも馴染みがあり過ぎて、その美しさを実感されていないとの事であえて鳩が綺麗な鳥である事を表したもの。
日本人画家の作品もあります。日本の現代アーティストで有名な長尾洋さんの作品。
↑正直、抽象すぎてあまりしっくり来ませんでしたが、コンセプトは「光の砦」でインドと日本の共通点を一つの絵にしたもの。砦の絵にある格子状の窓はインド・イスラーム風、ギザギザはアイヌの伝統的なモチーフ。薔薇の花を持っている手はヒンドゥーの女神ラクシュミーで、お客を迎えると言う意味。太陽が入口の上に描かれているのは、入口を通る人間を照らしてエネルギーを与えると言う神道のシンボル。奥が深い!
まだまだ行きますよー。
↑あまり詳しく説明書きを読んでいませんが、下に座っている女性三人と合わせて風情があります。
↑イタリア人の作品。テラコッタはインドでは有名な焼き粘土細工の民芸品ですが、この言葉の由来はイタリア語だったのですね。画家のテッラス氏はデリーを訪れた最初の二日間の印象が、緑豊かな落ち着いた都市なのに、人々はあらゆる方向へ忙しそうに移動する事を対照的に感じたそう。それを表現した作品。
テラコッタはシンプルな素材(土)であり自然との調和を意味し、人間で言うと団結のシンボルでもあるのでデリーの生活に欠かせない象徴として描いている。薄い緑色はデリーの豊かな自然を表しています。
よし、そろそろ説明も疲れてきたので、写真だけでも続けましょう。
最後は個人的に気に入った作品。
緑豊かなローディーコロニーを表す緑色が主色になっていますが、何処となく薄め。そこに現れる巨大なインド象。これは、環境破壊によって森や生き物が衰えていく姿を表しています。象は巨大の割にインパクトがあまり無いのは、あえて人類がそこまで気をしないからゆっくりその存在感が薄まっていくものを象徴したもの。
もの凄く意図が表現されています。
いや〜この記事を書き上げるだけで結構時間かかりました(笑)。熱が入りましたよ。それだけ良い場所でした。
でも。。。これでも半分も観ていません!
まとめ
ローディー・アート地区はめっちゃ面白いエリアです!個人的には、デリーで絶対見ておきたい場所のトップ3でしょう。世界遺産の遺跡も良いですが、アートから伝わる現代社会へのメッセージは活きているし心に響く。閑静な住宅街に位置するので回りやすいし、インドの今を知るにはとても勉強になります。特に、説明書きはしっかり写真に残しておいて、後で作品と照らし合わせると奥深く理解できます。
余談
カーンマーケットが近いので、その後K君おすすめのゴア発祥のジェラートショップ、Frozen Funへ。フレイバーが沢山あり、どれを選ぶか迷いますが好きなだけテイスティングさせてくれます!
甘いのと酸っぱいのが欲しかったので、ティラミスとサワーチェリーのジェラートをコーンでダブルスクープで。サワーチェリーはチェリーの実がたっぷり。丁寧に、「どちらを上にします?」とも聞かれました。
かなりボリュームあったけど濃厚で美味しかった!ハーフ・ハーフでも可能なので、少ない量で色々な味を試したい場合はこれもありでしょう。店内には4人だけ座れるスペースがあります。