2018年に20代のアメリカ人宣教師が立ち入り禁止地域であるアンダマン諸島のノース・センチネル島へ一人で入境し、地元住民からやりで殺害された事が世界中のメディアに流れました。
ノース・センチネル島は、世界で数少ない、外の世界と一切関わり合いが無い、Uncontacted Tribe、即ち未接触部族が暮らしている島です。世界各地では他にもアマゾンやニューギニア島の密林の中にありますが、これらはアクセスがとても不便であり、ノース・センチネル島の様に都会からボートでのアクセスがすぐの場所はとても例外です。
このノース・センチネル島に暮らす部族はその由来の通りセンチネル族で、人口は推定数百人程。この島に立ち入る者は島民の激しい抵抗に遭うので、調査もできず、詳しい詳細は解明されていません。
(Credit: Raghubir Singh, National Geographic Image Collection)
センチネル族が話す言語はセンチネル語で、この島民以外理解できる人は一人も居ないので、インド政府ともコミュニケーションが図れない部族です。
場所はここ。
Googleマップのお陰で衛星画像も確認できますが、アップしても一切集落らしきものが現れないので、不思議。島は深いジャングルに覆われています。
衛星画像では島の北西部に船らしきものを見かけますが、こちらは1867年に難破した商船。106人の乗員が居たそうですが、後からイギリス海軍によって皆無事に救出されたそうです。
このセンチネル島、アンダマン諸島の主要都市である、ポートブレア(Port Blair)から何とわずか50kmsしか離れていません。ポートブレアは、空港がありデリーやコルカタ、チェンナイ等のインド本土の大都市から様々な航空会社が運航している都会です。
この様な都会から、石器時代と同じ生活を維持している社会が目と鼻の先に存在していると思うと不思議です。
飛行機でポートブレアへ向かう際、ノース・センチネル島の上空は飛行しませんが、近くを通ります。
島民の意思を尊重するインド政府
インド政府は、ノース・センチネル島への外部の立ち入りを禁止しており、島の周辺は政府の船がパトロールしています。アメリカ人宣教師や、その前に酔っ払って遭難してしまったインド人漁師が殺害されても、島民に罪を問いません。逆に、島へ連れていった関連者を逮捕している状況です。もちろん遺体収集も実施されず、彼らの遺体は、未だに島に取り残されています。
アンダマン諸島は美しい!
2010年に訪問した際、海の美しさに感動しました。特に、ポートブレアからボートで北上したハヴロック島はのんびりしてシーフードも美味しく、とても癒されました。詳しくは、過去の記事を参照下さい。
まとめ
昔から、石器時代から変わらない生活を守る先住民がアンダマン諸島に存在する事は知っていましたが、こんなに都会から近い場所にあるという事と、インド政府関係者含めて外部者とほぼ一切コンタクトを持たなく、警戒心が高いと言う事は最近初めて知りました。センチネル族へ同化政策を行わないインド政府へは脱帽です。
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