僕はデリーの冬が一年で一番嫌な時期に指定します。45℃を超える夏と比較しても。
①大気汚染が酷い!
11月〜1月のヒンドゥスタン平野は乾季で降水量はほぼゼロ、風がほぼ無で大気がこもりやすく、様々な有害物質が地上に降りてきやすいのでとても健康的に過ごしにくいです。理由は野焼きや路上での焚き火、排ガスなど様々でこの頃の大気汚染度を測るAQI (Air Quality Index) は連日健康に重大なインパクトを与えると言われている300越え。
これでもマシになりました。2016年あたりは本当に深刻で連日900越えの日々もありましたが、ここ最近ではここまでひどくなる日は一度もありませんでした。一応年々改善されている様には感じられます。
2月になると春風が吹き始め、一気に大気汚染は落ち着きます。
②濃霧が憂鬱にさせる
一般的に勘違いされているのは、窓の外が真っ白いのは大気汚染が原因だという事。もちろん大気汚染が混じってはいますが、広大なヒンドゥスタン平野一帯が真っ白い世界になるので、大気汚染があまり無い田舎でも同じ現象が発生します。先程記載した通り、広い盆地で空気がこもりやすいため、冷えた空気が濃い霧へと変化します。
この霧、酷い時は連日日中でも太陽が姿を現さず、とにかく寒いです。気温は東京の方が平均的に低いですが、日差しが無く、洗濯は乾きにくい。
③家の中が冷蔵庫
デリーの家はほぼ全て石造り。暑い気候に適した作りなので、冬は床がギンギンに冷え、冷蔵庫状態。特に、低層階で日差しがあまり入らない場合は本当に辛そうです。
④蚊が鬱陶しい!
え、冬で寒いのに?と思われるかもしれませんが、蚊は10℃以上であれば生きられる生物。逆に40℃以上は耐えられないので、デリーでは真夏に蚊が出没しない代わりに、冬に出てきます。デリーの冬は朝晩は5℃以下になる日があっても、日中は基本10℃以上。朝晩は温かい家の中に入ってきたがります。
昨晩はこれだけ寒いから窓開けていても良いだろう(飼い猫が出入りするため)!と思ってたら甘かった。。。真夜中2匹の蚊と戦ったのであまり寝つけませんでした。
⑤旅行計画に神経を使う
これは自分が旅行業界に携わっている理由でも有りますが、②の影響によって多くの公共交通機関が麻痺します。国際線の飛行機もそう。デリー空港ではCAT-IIIと呼ばれる濃霧でも発着ができるシステムを導入していますが、それでも無事をとって欠航や大幅な遅延、他の空港へ路線変更する航空会社が多くなります。特に酷いのが、クリスマス頃から始まる旅行シーズン。自分も年末年始の移動で何度も欠航や遅延を体験しています。そしてお客様の手配も非常に神経を尖らせます。
まとめ
これらの5つの理由から、デリーを含む北インドの平野地帯一帯の冬はどうしても好きになれません。日差しがあれば本当にちょうど良いぬくぬくしたい気温になるのですが、霧が濃くなるとそんな事は言ってられない。この地域(バラナシやアーグラーを含める)の旅行を冬に計画する場合、正直お勧めしませーん(キッパリ)。