搭乗総合評価:85点
<利用詳細>
航空会社:全日空
便名:NH 859
フライト区間:羽田→香港
フライト利用日:2023年6月5日(月)
予定出発時刻:08:55発
実際の出発時刻:09:00発
予定到着時刻:12:30着
実際の到着時刻:12:33着
時刻表上のフライト時間:4時間35分
実際のフライト時間:4時間33分
機種:ボーイング777-300ER
利用クラス:ビジネス
座席番号:19A
機材番号:JA794A
機材導入日:2019年10月26日
<チケット代>
今回はエアカナダのアエロプランポイントを25,500ポイント使用して、羽田→香港の往復チケットを手配。往路ビジネス、復路エコノミーで。
ポイントはボーナスキャンペーン期間に購入したので円換算で48,450円。別途現金分が諸税込みで47,391円。往復総額95,841円です。
<The Room搭載機材がアジア路線に導入されるのは珍しい>
普段は欧米路線のみに導入されているANAの新777-300ER機。それが、2023年6月限定で、羽田⇄香港路線に週5便導入される事になりました。
このニュースを聞いて、チャンスだ!と思い、最も安心してお得に乗れる方法を考えた結果、ボーナスキャンペーン中のエアカナダのポイントを購入してANAの特典航空券へ換える事にしました。
いや、同時期にボーナスキャンペーンを実施していたアビアンカ航空のマイル購入手法の方が安上がりだったけど、今後エアカナダのポイントを利用する可能性が高いのでこちらに統一。
<羽田空港で2つのラウンジを堪能>
羽田空港に06:30に到着し、出発まで2軒のANAラウンジをはしごしました。110番ゲート付近の本ラウンジと、114番ゲート付近にある午前中のみ営業の臨時ラウンジです。
<ファーストクラスのThe Suiteを通過>
ドア1から搭乗したため、ファーストクラスのキャビン、The Suiteを覗く事ができました。この香港線ではビジネスクラスとして開放されますが、事前に空席が確認できても、他社スターアライアンスゴールドの筆者では予約する事はできませんでした。
恐らく、ANA自社の上級会員のためにブロックされていたのだと想定します。
旧スタイルと比較すると大分スッキリしました。前のモデルは窓際でも壁が視野をブロックしてあり前屈みにならないと景色を楽しめなかったので。
<ハイライトのビジネスクラスThe Roomへ!>
色々なエアラインを乗り尽くした利用者が絶賛するANAのThe Room。カタール航空のQsuiteに並ぶ、世界最高峰のビジネスクラスシートとされています。
実際、航空業界のビジネスクラスでは一番幅が広いシートがThe Room(2023年6月時点)。余裕で、大人2名が横並びで座る事が可能なシートです。
横幅が広いだけでは無く、ドア(スライド)付きの個室型スタイル。もちろん、フルフラットになります。
<人生発の後方向きシートに座る>
The Roomには通常の前方向きシートと珍しい後方向きシートが用意されています。
窓際座席は、窓に近い方のA席が後方向き、通路に近い方のC席が前方向きです。
筆者が指定したのは19Aなので後方向き。
C席は、シートベルトが通路側にあるので離陸や着陸時には窓に近づくのが厳しいです。
<真ん中の座席は孤立型シートか、ハネムーン型シート>
真ん中の座席は、DとG席がお互い離れている「孤立型」シートです。こちらは前方向き。シートベルトは通路側に位置します。
間の仕切りスライドは上げ下げできます。
EとF席は隣同士で一番お互いの距離が近い座席で、「ハネムーン型」です。子連れやカップルに適しています。
これらは後方向きで、シートベルトは通路から離れた方になります。
こちらも仕切りスライドを上げ下げできるので、見知らぬ同士だった場合は上げれば安心でしょう。
<プライバシーは結構ある>
通路側のスライドを閉めない状態でも、隣人とのプライバシーは結構あります。
<難点:座席周りに収納スペースがあまり無い>
この座席の難点は、座席周りの収納スペースが限られる事。まぁ、棚の上のロッカーが専用で使用できるから贅沢な発言ですけどね。
足元にはリュックを置ける程の場所は無いし、唯一あるのはサイドテーブル沿いの収納ボックス。
写真では分かりづらいですが、靴が既に壁にあたっています。
このサイドボックス、細長くなっているので雑誌や小型のノートパソコンをギリギリ置けるが、サポートが薄いので開いた時に落ちそうなので厳しい。
サイドテーブルがとても広いので、少し削ってその分サイドボックスを広くしても良かったかも?折角の収納スペースがちょっと不便である事は否定できません。
ミラーがあるのは便利ですね。ポケットにはスマホやメガネを収納するにはするには丁度良いサイズです。
その下にはユニバーサル電源とUSB電源が1箇所用意されています。USB電源はこの他にもシートベルト脇にもう1箇所確認ができます。
もっと細かい事を言うと、ケーブルを通せるスペースが収納ボックスにあれば、中にスマホをしまいながら充電できて便利でした。
<充実したシートの設備>
テレビが巨大でタッチスクリーンの反応も良く、画質が良い!なんせ航空業界初の4Kスクリーン。昔話題になったハイビジョンテレビの4倍も画素数があるようです。
シートの操作板はとてもシンプルで使いやすい。ダイヤル式みたいになっているのが特に良いです。これで、座席の位置を調整できます。
照明は全部で4つも!テーブルを照らすもの、読書灯が左右に一個づつ、そして天井から照らすもの。
シェード(ブラインド)は2段階になっており、まず日除けの白いもの、そして完全に光を遮断する黒いが後に続きます。窓の下のボタンで操作が可能。
写真に収めていませんが、嬉しい事に調節可能な空調がありました。これがあると、機内が暖かい時に便利です。昔はどの飛行機にもありましたが、最近では見かけるのが珍しくなりましたね。
<近距離路線のためアメニティーは最小限>
中・長距離路線で提供されるベッドパッド、大型枕や厚手の毛布はこの香港路線では提供されません。
スリッパ、ヘッドフォン、普通サイズの枕とブランケットが座席に用意されていました。
長距離路線で提供されるノイズキャンセリングではありませんが、これでも十分音質に満足しました。
因みに、ヘッドフォンのジャックはシートベルト脇と、反対側で2箇所も用意されています。座席の横幅が広すぎる証拠です(笑)。
<映画のオプションは相変わらずホリウッドと邦画が中心>
ホリウッド映画や邦画はそこそこ種類がありましたが、その他のオプションがANAは限られる。ワールド系はボリウッド1本とフランス映画が2本のみ。
日本の航空会社としては一番海外の就航先が多いので、もっと世界中のプログラムがあっても良いと思う!特にアジア路線はとても充実しているのでアジアン(台湾やKドラマ等)がチョイスにあっても罪は無い。
まぁ、昨年まではインド映画すらオプションに無かったので、少し進展したか・・・
<後方向きで離陸>
最初は違和感がありましたが、結構後ろに景色を眺めるのも乙です。
離陸時刻:09:22(現地時刻)
<おつまみとドリンクのサービス>
近距離路線はウェルカムドリンクが提供されないので、最初のドリンクは離陸後になります。
離陸後15分:おしぼりが提供される
とは言っても、安っぽいものです。近距離路線はおしぼりさえも簡略されちゃうのですね。
中距離以上になるともう少し立派なものになります。
離陸後35分:おつまみとドリンクが配られる
ドリンクはシャンパンを。
ドリンクメニューは以下の通りです。
<ANAへ改善点依頼:メニューは使い回ししないで・・・>
ANAの飲み物・機内食メニューは使い回し。素材もペラペラなのでよくメニューがよれよれだったりします。
今まで乗ってきた何十もの航空会社の中で、この様にメニューを回収して次のフライトへ使い回しするのはANAだけ※でした。ファーストクラスでさえ!
(※正確にはシンガポール航空も2017年頃まで使い回ししていましたが、2018年から毎回新品のメニューを提供する様になっています。)
ここは毎回新品で乗客に提供してほしい。環境を考慮するのであれば、モニターで確認できる様なデジタルにすれば良いと思う。
<機内食は2種類>
食事メニューはこちら。
和食か洋食のチョイス。
ANAホームページから事前に和食を指定しました。
離陸後50分:食事が提供
メインは牛肉トマトすき煮。肉はとろける様に柔らかかったです。ちょっと苦手な脂身がそこそこあったけど(汗)。
機内でステーキはギャンブルだけど、煮込み料理にハズレは基本無いです。
デザートはパッケージ菓子よりもっと洒落てほしかった!洋食ではシェフ監修のシトロンが提供されていました。
離陸後1時間10分:機内食が回収される
機内後方に座っていたのにも関わらず、離陸後1時間足らずで食事が終える事ができたクルーのスピード効率に脱帽!
まぁ、ワントレイのサービスとビジネスクラスの搭乗率が比較的低かったのもありましたが(5割ぐらい?)。
お陰で、残りの限られた時間をたっぷり満喫する事が出来ました♪
<化粧室チェック>
近距離路線でも、アメニティーはしっかりストックされていました。
アメニティーは歯ブラシセット、マウスウォッシュとさっぱりする拭き取りシートが用意されていました。
<座席を個室にしてみる!>
食事もひと段落、化粧室も拝見したので、今度は念願の座席をフラットにして個室にしてみる事!
まず、座席の背もたれがどの様に倒れるかデモ。
個室にするための通路側のスライドは2つあり、横と上下に動くタイプ。まず横のスライド。
ボタンを押すとスライドが出てきます。電動では無いので、戻す時は手動で戻さなければなりません。
そして上下のスライド。こちらも電動では無く、戻す時は手動で。
スライドは完全に閉じません。恐らくクルーによる安全確認ができる様に。実際そこまで気になりません。
なんだか巨大な城塞の様です・・・(笑)。本当にビジネスクラスは極限まで進化しました。
<本当に自分だけのお部屋だ〜!>
ドアを閉めると本当に自分だけの空間!まるでリビングルームです。名称にふさわしい!
ハンドセットは2個目のモニターとしても機能するので、ここでフライトマップを表示させます。
そうすると映画観賞しながらどこを移動しているか確認できます。
<身長180cm以上は膝を曲げる必要があるかも>
筆者は身長167cmですが、真っ直ぐ横になった状態でちょうどピッタリ頭とつま先が収まるぐらいでした。
斜めであればもうすぐ余裕はありますが、それでも180cmを超える場合には真っ直ぐ寝る事は厳しそうです。
ここはやはりビジネスクラスですね。
<到着前にANAオリジナルドリンクを>
到着前に喉が渇いたので、通り掛かったクルーにANAオリジナルドリンクの「香るかぼすを」をお願いしました。
<機外カメラ最高!>
着陸時は窓から眺める外の景色と前方カメラの両方を楽しみました。
↑次回の記事で、この橋を経由して香港国際空港からマカオまでバスで移動した際の体験を語ります。
4Kテレビだけあり、機外カメラから映し出される景色は結構楽しめます。
着陸時刻:12:14(現地時刻)
<フレンドリーなクルー>
搭乗後、担当の高村さんが挨拶に参りました。クルーは同じ機材タイプに専属する事が多いので、普段は欧米路線限定のこの777-300ERが近距離に導入されて驚かれていました。アジア路線を担当するのも初めてだそう。
他のクルーにも話を伺うと、このThe Roomは前後対象的なので時々クルー自身も前を向いているか後ろなのか方向感覚が狂う事があるみたいです(笑)。また、個室のスライドがバネが効いて重いので、戻す時大変だそうです。確かに、固い!
香港には滞在せず、そのまま羽田まで折り返しフライトを勤務されると伺いました。お疲れ様です。
<搭乗評価>
地上&機内クルーの対応:9/10(フレンドリー&効率良いサービス)
機内の清潔感:5/5
シートの設備:10/10(完全に個室になったりモニターの質が凄い!座席周辺に荷物を置くスペースが限られるがその分座席が広いのでしょうがない)
シートの快適度:9/10(身長180cm以上は膝を曲げる必要があるかも)
アメニティー:4/5(おしぼりがしょぼい!けどスリッパはありがたい。短距離なのでそこまで気にしてはダメ)
機内食・飲み物の種類・量:3/5(コースで提供する外資系他社と比較すると3時間以上のフライトでワントレイは少し寂しいかな)
機内食・飲み物のクオリティー:7/10(肉の脂身が多かったのとデザートがしょぼかった)
エンターテインメント:4/5(もっとワールド系映画を増やしてほしい;機内Wi-Fiはあり)
総合評価:52/60 = 85点
まとめ
細かい事を色々指摘しましたが、やっぱりこのシートはよく考えられて造られた革新的なデザインです!ビジネスクラスという限られた空間を最大限に有効させた座席です。スライドを引いて完全個室スタイルにできるのは落ち着きます。
近距離のため様々なサービスが簡略されたけど、長距離路線は確実に満喫できるはずです。