2017年に、往復チケットを手配されていたインド滞在中の出張者が、復路を破棄した件で実際に航空会社から手配先の代理店へ請求がやってきた内容の記事を投稿しました。
今回は、区間放棄と、その対処方法について説明します。
区間放棄とは?何故?
航空運賃とは需要によって金額が変動するため、一般的に直行便よりも経由便の方が安い傾向である事はよく知られています。
そのため、実はその直行便に乗って目的地を経由してから第三都市へ向かう方がチケット代が安くなるという事があるのです。
実際に例を見てみましょう。
ケーススタディー①:エチオピア航空の成田⇄アディスアベバ往復
まずは成田からエチオピアのアディスアベバへ11月8日に出発、17日に帰国という設定にしましょう。
エチオピア航空の直行便で。
検索すると、最安値は263,240円。
でも、ここを例えば同便利用で、ウガンダのエンテベまでの区間を足すとします。
そうすると、3割近い約8万円も安くなるのです!合計は182,480円。
これを見たら、
「それじゃエンテベ行きで手配して、アディス⇄エンテベ間だけ放棄すれば良くね?」
と思いますよね。
それはNG!
と言うのは、一区間でも放棄してしまうと、自動的に放棄してしまった区間から続く全てのフライトがキャンセルされ無効になってしまうよ!
もし、アディス⇄エンテベに搭乗しなかった時点で、残りのエンテベ→アディス、そして帰りのアディス→成田までが予約を取り消されます。
うーん、でも勿体無い!8万円も安くなるのであれば、何とかそれで行きたい!と思ったあなた、こんな手段があります。
<もし、労力と時間を費やせるなら・・・>
1泊でも良いので、エンテベへ行きましょう。
そして、検索の際には、単純往復にしてしまうと目的のエチオピアに寄れなくなるので、複数都市検索で。
区間①:成田→(アディスアベバ経由)→エンテベ
区間②:エンテベ→アディスアベバ
区間③:アディスアベバ→成田
成田⇄アディス間は同じ日付と便名で。
209,920円。
復路はアディスアベバでストップオーバーとなるので、若干成田⇄エンテベの単純往復よりは高額になりますが、それでも成田⇄アディスアベバ往復よりも5万円以上安い!
成田⇄アディスアベバ往復 | 263,240円 |
成田⇄アディス経由エンテベ往復 | 182,480円 |
成田⇄アディス経由エンテベ往復+ 復路アディスストップオーバー |
209,920円 |
浮いた5万円で、エンテベにあるアフリカ最大の湖、ビクトリア湖の岸辺にあるマリオット系リゾートで満喫し、エンテベ郊外にある国立公園で野生のハシビロコウを観察したり楽しむ事ができます。
ケーススタディー②:ANAの東京⇄バンクーバー往復
直行便は高額である良い例はANAの東京⇄バンクーバー往復で見てみましょう。
日付は11月8日出発、帰国は11月14日で。
最安値は215,550円。
今度は、日付と便は変えず、台北から東京の往復区間を追加しましょう。
あれれ、3割以上の70,000円近くも安くなりますよ!
これなら、じゃ台北発で往復発券して、台北→東京及び東京→台北区間に乗らなければ良いんじゃね?となりますね。
はい、アウト!
台北→東京に搭乗しなければ、残りの区間はぜーんぶキャンセルになり航空券は無効になります!
<もし、労力と時間を費やせるなら・・・その二>
このノリだと大体理解できてくると思いますが、話を続けます。先ほどのエチオピア航空の例と一点違う事があります。
後で説明しますが、まずは新たに東京→台北を片道航空券で手配します。
LCCだと、総額1万円台で飛ぶ事ができます。
そして、台北から、ANAで東京経由でバンクーバーへ出発。
<最後の東京→台北区間をどうするか>
東京→台北は、最後の区間になるので、理論的には放棄しちゃっても継続する区間が無いから搭乗しなくても可能です。
ただし、帰りのバンクーバー空港でチェックインする際、契約では台北へ行く事になるので、預け荷物は東京では無く台北まで通す事になります。
交渉によっては東京で荷物を受け取りたいと申せば不可能では無いけど、疑われる可能性は大。
あ、日本国籍だし、明らかにこいつは最後の区間乗らない予定だな、と目を付けられるのも後味悪い。
そう言う場合、複数都市にして、復路を東京ストップオーバーとして暫く東京に滞在する事にするのです。
ただし、台北からの単純往復より若干高くはなります。
これでも、東京⇄バンクーバーの往復よりも、2割以上の50,000円近く安くなります。
東京⇄バンクーバー往復 | 215,550円 |
台北⇄東京経由バンクーバー往復 | 146,520円 |
台北⇄東京経由バンクーバー往復+ 復路東京ストップオーバー |
167,800円 |
<復路ストップオーバーなら最終区間放棄でも良いか>
約款的にはNGですが、まだ対面で疑われる可能性は低いです。最終区間を使用しない分には、後から理由なんて何でも付けられます。特に、個人で手配した分には流石に後から差額の請求は来ないと思います。
ただし、以前の記事の例に企業の出張となれば、目を付けられやすい(=企業は金を出すから)かもしれない。
ここは自己責任で。
まぁ日本在住者がこの台北発の例を活用するケースは、よほどANA好きかSFC修行で無い限りはあり得ないストーリーですけどね(笑)。
ストップオーバーする事で高額になる事もある
上記エチオピア航空とANAのケーススタディーはあくまで中継地点でストップオーバー(24時間以上の滞在)が大幅な差額無しで可能でしたが、航空会社によっては極端にストップオーバー可能な最安値の運賃クラスを高額に設定している場合があるので、その際はこの手法が適応できません。大体は、そんなに金額変わらないですけどね。
まとめ
運賃設定のつじつまが合っていない典型的な国際線航空券の実例を紹介しました。普通に考えると、区間放棄は座席が空くことで航空会社にもメリットあるし良いんじゃね、と思いがちですが、実際は放棄した区間からチケットは無効になってしまうのが現実です。