2025年6月10日以降の発券より、JALは自社便の特典枠が国内線・国際線共に必要マイルが改訂する事になりました。
殆どが改悪方向ではありますが、国内線と国際線のエコノミー、プレミアムエコノミー、そしてビジネスクラスはそこまで大幅な値上げではありません(一部値下げもあります)。
しかし、国際線ファーストクラスの値上げはどの路線もハイパーインフレレベルです(笑)。
この記事では、この残された3ヶ月間でJALマイルを利用してJAL国際線ファーストクラスに乗る事を検討されている方向けに、基本情報を掲載します。
①必要マイルの変更はどれぐらい?
レギュラーシーズンで比較してみましょう。
いずれも日本発着で片道あたりです。
改訂前 | 改訂後 | |
東南アジア | 57,500 | 75,000 |
オセアニア | 57,500 | 97,500 |
ハワイ | 60,000 | 100,000 |
北米大陸 | 85,000 | 125,000 |
欧州 | 95,000 | 125,000 |
日本国内線区間は、普通席が追加マイル無しです(ただし、東京での滞在が24時間以内に限る)。
往復は2倍になりますが、JALの特典航空券は片道づつの発券になるので、例えば往路だけファーストクラス、復路は片道のエコノミークラス航空券(有償又は特典)を別途手配するとか、選択肢が広がります。
②改訂後の日付に乗るフライトでも、改訂前のマイル数で乗れるの?
2025年6月9日日本時間23:59までの発券であれば、6月10日以降の出発でも改訂前のマイル数で乗れます。
③JAL国際線ファーストクラスはどの路線で乗れるの?
2025年3月現在、ファーストクラスが搭載されている路線は以下の通りです。
2種類の機材(ボーイング777-300ERとA350-1000)に、異なる座席タイプが存在します。
路線 | 機材 | 本数 |
羽田⇄バンコク | 777 | 毎日 |
羽田⇄シンガポール | A350 | 毎日※1 |
羽田⇄シドニー | 777 | 毎日 |
羽田⇄サンフランシスコ | 777 | 毎日 |
羽田⇄ロサンゼルス | 777※2 | 毎日 |
羽田⇄シカゴ | 777 | 毎日 |
羽田⇄ダラス | A350 | 毎日 |
羽田⇄ニューヨーク | A350 | 毎日2便 |
羽田⇄パリ | 777※3 | 毎日 |
羽田⇄ロンドン | A350 | 毎日 |
※1:2025年3月27日までの運航となり、それ以降はファーストクラスが搭載されていない機材への変更
※2:2025年中にA350への運航が開始されるが現時点で詳細は未定
※3:2025年5月1日から羽田発隔日でA350による運航開始
シーズン中は、羽田⇄ホノルル路線にファーストクラス搭載の777によって運航される事があります。
④777とA350では何が違うの?
機内サービス自体(機内食やアメニティーの提供等)に違いはありませんが、座席が異なります。
777 | A350 | |
導入年 | 2008 | 2014 |
座席数 | 8 | 6 |
座席配列 | 1−2−1 | 1−1−1 |
座席幅 | 84cm | 123cm |
ベッドの長さ | 199cm | 203cm |
個人モニターサイズ | 19インチ | 43インチ |
個室ドアの高さ | – | 157cm |
どちらもゆったりとしていますが、最も大きな違いは個室感があるか、ないかです。
777の座席はそこまでプライバシーが無く、開放感がありますが、A350はドア付きの完全個室型。




A350-1000の座席横幅は従来の50%程広く、業界でもトップレベルです。
777でも十分にゆったりとしているのに、A350-1000となるとファーストクラス1席あたりエコノミークラス3席分の横幅になるので、大人が二人が横に並んでもまだ広いと感じるレベルでしょう。
⑤ビジネスクラスとファーストクラスは何が違う?
少し前になりますが、同じJL 725便の成田→ジャカルタ線でファーストクラスとビジネスクラスに乗った搭乗記があるので、そこで比較してみると違いが判断できると思います。
簡単にまとめると、両者の違いは:
・ラウンジで提供されるものの差別化
・飲み物や機内食のレベルが別次元
・座席の広さが桁外れ
改訂後は、ファーストクラスの必要マイル数がビジネスクラスの最低必要マイルに比べ2倍前後になってしまうので、そこまで開きがあるとうーん、どうかな?と思うのが筆者の本音です。
ビジネスクラスと異なり、乗務員の対乗客の比率が低くなるので、その分サービスはとても行き届いています。

⑥各フライトで最高何席の特典枠を確保できるの?
基本的に特典枠は1フライトに付きわずか1席です。
なので、連れと一緒に2名分予約したい!となった場合、どちらかが有償航空券として購入する必要があります。
⑦いつ頃予約した方が良い?
1年前でないとかなり厳しいです。
正確には、出発予定日の360 日前の日本時間午前0時に、各JALフライトの特典枠が開放されます。

なんせ1席だけの開放なので、そりゃ庶民には手がでないファーストクラス航空券をゲットしたい皆の気持ちは大でしょう。
どうしてもその日しかダメ!という場合には、混雑していなければキャンセル待ちにする事は可能です。
⑧予約後は変更できるの?
できません。
ただし、払い戻しは3,300円で可能です。
変更したい場合には、一度払い戻して新たに予約をし直さなければなりませんが、その分日程もズレる羽目になるでしょう・・・なんせ一年後になるので。
改訂が実施される2025年6月10日以降は要注意です。
⑨必要マイル数は年内一律?
いいえ、国際線ファーストクラスだけ限定で、ロー、レギュラー、ハイの3つのシーズン設定になっています。

ローシーズンは1月、2月と、4月に集中しています。
ハイシーズンはゴールデンウィーク、夏休み、年末年始となり、その他はレギュラーシーズンです。
改訂前と改訂後で再度、片道あたりの必要マイル数を検証してみましょう。
<改訂前>
ロー | レギュラー | ハイ | |
東南アジア | 50,000 | 57,500 | 65,000 |
オセアニア | 50,000 | 57,500 | 65,000 |
ハワイ | 50,000 | 60,000 | 70,000 |
北米 | 70,000 | 85,000 | 100,000 |
欧州 | 80,000 | 95,000 | 110,000 |
<改訂後>
ロー | レギュラー | ハイ | |
東南アジア | 67,500 | 75,000 | 82,500 |
オセアニア | 90,000 | 97,500 | 105,000 |
ハワイ | 90,000 | 100,000 | 110,000 |
北米 | 110,000 | 125,000 | 140,000 |
欧州 | 110,000 | 125,000 | 140,000 |
ローシーズンとハイシーズンでは改訂前と改訂後、共に最大30,000マイルもの差があります。
エコノミー、プレミアムエコノミー、ビジネスクラス特典と異なり、需要に応じて必要マイル数が増えていく変動性(=特典航空券プラス)は実施されません。
⑩注意した方が良いフライトは?
以前にも記事に取り上げましたが、アジア内の深夜便は機内食のメニューがしょぼいので、勿体無いです。
アジア内の羽田発日中便は、欧米路線と同じメニュー内容なので逆にお得感があるかもしれません。
まとめ
JALマイルの改悪、特に自社国際線ファーストクラス特典の大幅な値上げは残念ですが、少なくても3ヶ月前も事前にお知らせしてくれるだけとても有難いです。他社だといきなり予告無しに改悪を実施する珍しくありません。まだお得に手配できる期間が残っているので、マイルが残っているのであればこの機会に使用するのがベストです。