JALファーストクラスラウンジは、前回利用したのが成田空港で2017年の話。
当時はJAL国際線の大部分が成田発着であり、本館とサテライトに合計2つのファーストクラスラウンジが設けられていました。
板前さんが握ってくれる寿司以外は、どちらもあまり特別感が無いラウンジでとにかく混雑が酷く、優雅であるはずの雰囲気はゼロ。
あれから本拠点が羽田に移り、JALの本気を見せてくれる様になりました。
この記事では、羽田空港第3ターミナルのJALファーストクラスラウンジで体験した良かった点と、改善の余地があると思った点をそれぞれ半々で触れてみたいと思います。
良かった点①:混雑具合が大分解消された
今回のフライトは、前回と同様に午前11時頃の出発で、JAL便のピーク時に該当します。
メインのダイニングエリアで最も利用者の多い「JAL’s Table」はちょっぴり混み合いますが、前回と比較すると全然マシ。
以前はダイニングエリアが無く、ラウンジのローテーブルに皿やドリンクを置くしかできなかった事を考えると飲食が楽しみやすくなりました。

良かった点②:テーマ別の部屋が面白い
ダイニングエリアの他に、4つのテーマに分かれた部屋が用意されています。
それぞれ個性があるので面白い。
まずは、「JAL’s Table」と同じ空間にある、ラウンジエリア。
普通に寛ぐ場所です。

次は「JAL’s Table」を突き抜けて真っ直ぐ進む場所にある、重厚感あるクラブハウスの様な「Red Suite」。

ビンテージなJAL関連の展示品や古本、サッカーゲームやチェスができるエリア等、コレクターのミニ博物館の様な、独特な雰囲気がある部屋。
ここでは靴磨きのサービスも実施されています。
そしてあまり訪問者を見かけない、ラウンジのレセプションから左側のエリアには「鮨 鶴亭」と「JAL’s Salon」があります。

ぶっちゃけ「鮨 鶴亭」は「JAL’s Table」の延長線の様なダイニングエリアですが、利用者の数が少ないので落ち着いて食事を楽しみたい場合はここがピッタリです(ただしデザート類が注文できないなどメニューは限られる)。
一番良かったのは上の階にある「JAL’s Salon」。
こちらではバーテンダー常駐のカウンターがあり、コーヒーや日本茶、カクテルなどを満喫する事ができます。

良かった点③:レストランクオリティーの食事が楽しめてメニューが豊富
以前のビュッフェ形式から、スマホから注文するシステムへ変わってからメニューが増えました。
従来からある特製カレーや寿司から、サラダ、前菜、肉・魚系のメイン、デザート等、種類は豊富です。
もちろん、好きなだけ注文できます。



一品料理の量はそれぞれとても少ないですが、その分様々なメニューを堪能できるのは良いです。
どれ食べてもとても美味しく頂きました♪
良かった点④:朝からガッツリ食べれるのは嬉しい
他社のラウンジだと、午前中は朝食メニューのみ、肉や魚系は昼食時から提供、なんて時間帯によってメニューを分けている場合があります。
朝食は正直微妙なラインアップが多いので、どの時間帯も一律のメニューが提供されるのは嬉しいです。
良かった点⑤:スタッフがとても丁寧
JALファーストクラスラウンジのスタッフさんがとても印象的でした。
朝の時間帯はすれ違うと「おはようございます」と挨拶をしてくれたり、それも作り笑顔じゃなくて、自然な感じでした。
以前は狭いスペースで激混みの中、ストレスが生まれやすい環境のせいか横柄な利用者も見かけ、あぁスタッフさん大変だなぁ、とちょっと共感してしまいましたがラウンジが広くなってから、利用者・従業員の皆さん共にゆとりを持てている印象があります。
さて、ここまでラウンジの良い点を触れましたが、次は改善余地のある点を触れてみます。
改善点①:ファーストクラスラウンジとしてはまだ座席配置に密集感あり
ラウンジ自体は広々としていますが、何故か座席の配置はお隣との距離が狭く、ここはビジネスクラスラウンジとあまり変わりません。
特に、日系航空会社ラウンジ特有の横一列にズラーっと並ぶ傾向は無機質で、せっかくの優雅なファーストクラスラウンジのイメージが壊れる?
今回利用してきた印象だとピーク時でもそこまで満席になる事が無いので、もっと座席数を減らしてゆったり配置にしても良いのでは?と思いました。
特に窓際の座席は人気があり、「JAL’s Table」で横に利用者が座った時は思わず「ちか!」と感じてしまいました。

改善点②:プライベートな空間があまり無い
どの部屋も座席は露出した状態であり、あまりプライバシーがある空間や座席がありません。
唯一あるのが8席だけ設置されたラウンジエリアにあるソロシートと、上の階にあるマッサージチェアが置かれているエリアのみ。
先程の改善点①に繋がりますが、座席を密集させる代わりにこの様なゆったりとしたソロシートを増やしても良いかと思います。

改善点③:仮眠室があっても良い
日本人の利用者を前提に考えると日本を出発する際にわざわざラウンジに仮眠室を設置する必要は無いかもしれませんが、ハブ空港としての役目がある羽田では乗継客も多い。
特に、北米⇄アジア間の利用者は、長時間の羽田でのトランジットもあり。
個室までとは言わず(一部他社では完全個室を提供していますが)、仮眠ベッドを並べて仕切りがあるだけでも良い。
改善点④:せっかくバーテンダー常駐のバーがあるのにメニューが中途半端?
「JAL’s Salon」では、厳選された日本茶やコーヒー、クラフトビールやカクテルが提供されるバーがあるのに、メニューの種類が限られています。
一般的なカクテルが提供されていないのが勿体無い?
独創性あるのはとても興味深いですが、例えば王道のモヒートやマルガリータ、コスモポリタン等があっても良いと思います。

改善点⑤:食事やドリンクの提供方法が国際基準と少しズレている?
自分が国際基準を生意気に語れる身では無いですが、少なくても世界中のラウンジを訪れきた中でJALファーストクラスラウンジの提供内容・方法で異質だと思った点を2点触れます。
改善点④で触れた王道カクテルの種類が無い事を触れましたが、その延長線で、チーズやハム類が無いのが意外でした。
チーズと言っても加工では無く、カマンベール(ブリー)やチェダーなどのフレッシュチーズ。
或いはスモークサーモンとか、酒のつまみの王道的なものがメニューに用意されていても良いのではと思います。
因みにキャセイパシフィック航空では、ビジネスクラスラウンジ(羽田・成田両方含めて)でこれらを提供しています。
もう一点は、めっちゃ細かいかもしれません。
それは、オレンジジュースがピッチャーで用意されていなく、コーラや他のソフトドリンク同様にディスペンサーからしか注げない事。
朝の時間帯は、シャンパンとオレンジジュースを混ぜるミモザが一般的なアルコールドリンクとなっていますが、ディスペンサーからだと細長いシャンパングラスがはまらず、うまく注げません。
トマトジュースやアップルジュースは冷蔵庫でピッチャーで用意されているのに😕

まとめ
以前と比較するとJALファーストクラスラウンジは見違える程パワーアップしましたが、それでも他社と比較するとこれがファーストクラスラウンジ?と思える点がいくつかあるかもしれません。
ただし、根本的な日系航空会社ラウンジの問題である混雑具合が大分改善したのは、とても嬉しい事です。
上空ではとてもクオリティーが高いので、地上でもそれにマッチする世界に誇れるラウンジになれる事を願っています。