マニプール。
デリーやグルガオンにも、こちら出身の方々が女性を中心に多く住みます。特に大和屋さんとか、スパのセラピストはマニプール出身が多いです。彼女らは、良く働き、日本人と同じ顔をして親近感を感じさせられます。
マニプールがあるのはインドの東の外れ。ミャンマーとの国境を接し、ビザがあれば陸路でミャンマーにも入れちゃいます。
今回のマニプールは州都インパールがある⑦です。
さて、マニプールはインドの一部ですが、雰囲気は全くインドではありません。というか、他のアルナーチャル・プラデーシュやナガランドもインドの雰囲気を感じさせられませんが、ここは強烈な程インドっぽく無いのです。マニプールは昔からイギリスの支配下になるまで1,800年間の王朝があり、独自の文明が栄えていました。そのため、今までちょっと田舎を感じさせられたアルナーチャルやナガランドと比べると、どこか文明が感じさせられ、インパールなんて雰囲気はインドと言うよりもまだ行った事がありませんがミャンマーの一都市に近いかと思います。のんびりした感じは東南アジアです。
勝手なイメージとして、あまり発展性が無い場所かと思いましたがとんでも無い。長い文化を持った誇り高き人々が暮らします。そして、 インドとの独立運動は今でも反政府勢力によって続けらています。その反政府勢力はなんとマニプールでのボリウッド映画の上映を禁止していると!映画館でボリウッド映画を上映すると、脅迫されてしまうそうです。そして、商店に並ぶ映画は地元のマニプール映画が多く、また韓流ドラマもとても人気らしいです。
次は言葉。マニプールはあまりヒンディー語が通じない印象です。ヒンディー語で話してもマニプール語で帰ってくる感じ。もし、ボリウッド映画が禁止されているのでしたら、聞きなれない上に普段使う事もないし、あまり話せなくなるのも理解できます。ちなみに、マニプール語は中国語やタイ語の様にイントネーションがあり、東アジアの文化圏なんだなと感じさせられます。
マニプールはヒンドゥー教徒が多く、ヴィシュヌ神派を信仰しているとの事。インパールのシュリ・ゴービンダジー寺院は白亜の建物でドーム型になっており、ロシア正教の教会っぽい感じです。ちょうど夕暮れ時のプジャ(お祓い)の時間帯だったので儀式を見る事ができました。
この儀式は見れて良かった!お坊さんは真っ白の衣装を着て、太鼓を叩きながら歌っていました。同じヒンドゥー教でも、他のインドとは仕来りが変わっていて独特。
さて、マニプールの観光名所は、インパール市内ですとカングラ・フォートと言う巨大な敷地を誇る元王宮の跡地。今では池や寺院、古い建物がポツポツと点在し、巨大な公園となっていて地元住民の憩いの場になっています。
郊外にはロクタク・レイクと言う、巨大な湖があり、この湖の中に円形の浮島がドーナッツ状に無数にある事が有名です。世界で類を見ない、人口の浮島で漁師がここで生活をして漁業を営んでいます。
これが目的だったのですが、ハプニングが!なんと、湖に続く国道が途中の街で地元住民がストを起こして道路を封鎖してしまったと!その理由が、地元にある山の名前を今のものから政府が新しい名前へ変える事の反対だとか!そんな事でか!なんだかすごく馬鹿らしく聞こえてしまってホントかいなと疑いそうですが、事実らしいです。誇り高い民族である事はよく理解できますw。
てな訳で、ロクタク・レイクはすごく行きたかったのですが、生憎一番景色の良い場所へは行けず、時間を2倍ぐらいかけて、幹線道路ではなく、湖の反対側にあるガタガタ道から行って端だけ見てきました。ドーナッツ状の浮島はあまりありませんが、浮島自体は少しありましたし、漁師の写真も撮れたので満足です。
マニプールへ行って絶対訪れた方が良いのは通称イマ・マーケットと呼ばれる、中央市場。なんと、商店すべて女性オンリーが経営。その数、3,000人以上!マニプール女性パワー強し(笑)。
さて、お隣ナガランドでノンベジと言えばポーク、ポーク、ポークでしたが、ここマニプールは魚がメイン。だから、何処か馴染みがあり、僕自身ポークは脂身が苦手だったりしてそこまで好んで食べられる肉では無いので、魚はとても嬉しい。魚と言ってもマニプール近辺には海は無いので、川魚(もしくは湖の魚)ですが臭みも無く美味しいですよ。魚の漬物、魚のカレー、魚のフライなど、とにかく魚尽くしです。
お隣の州、ナガランドのコヒマの市場では犬肉だの幼虫だのネズミだの蛙だの売っていたので、たった100キロたらずの距離(東京から熱海ぐらい)来るだけでこれだけも食文化が違うって面白いです。
さて、マニプールが気に入った一番の要素は食事!バラエティー豊かで魚中心のメニューはとても食べやすいです。今まで食べたインド料理で一番気に入りました。
魚のさっぱりしたカレー、茹でただけの野菜、漬物数種類(魚、タケノコ、野菜など)、そして定番のダール。もちろんお代わりしました。
このラクシュミ・キッチンの食事はかなりお勧めです(実際はバナナの葉で出てきませんが)。ローカル食堂ですが、本格的な種類豊富のターリーが楽しめ、いつも人でいっぱい。上の黒いテーブルに載ったターリーがここラクシュミ・キッチンのものです。
マニプール料理の何が気に入ったかと言うと、魚料理以外に味付けが豊か。塩味だけじゃなく、甘い、酸っぱい等ちょっとタイ料理に近づいたかな、と言う印象です。ただ、マニプール料理は相当激辛です。僕は辛いもの大好きですが、それでもここの辛さは相当でと思える程でした(苦笑)。
H2トラベルズでは、こちらの地域の旅行手配を取り扱っているので、ご興味あれば参考下さい。インパールには空港があり、デリーから毎日直行便が1日4便も飛んでいるのでとても便利です。
次は、日本人だったら絶対に訪れてほしい、日本人の戦没者の慰霊碑と、この地で多くの死者を生んだインパール作戦に付いて語ります。