タージマハルのスポットガイド巧妙テクニック

インド旅行と言えば欠かせないのが、世界遺産タージマハル。もしかしたら、そこにジャイプルとデリーを足してゴールデントライアングルと呼ばれる周遊旅行をされるかもしれません。

この中でも、産業が乏しく、観光客からとにかく金を引き出す事だけで経済が成り立つタージマハルのあるアーグラはとにかく客引きのレベルが半端ない。あらゆる知恵を絞り出して、観光業で収益を得なければ生きていけないのでとにかくアーグラのガイドは結構必死です。

2023年4月、実に6年ぶりに訪れました。ニームラナの駐在員友人と一緒に。

珍しく曇ったタージ
珍しく曇ったタージ

<現地でガイドは必要か、必要では無いか>

ガイドの手配にはメリットとデメリットがあります。まず、ガイドには色々な種類があり、事前に旅行会社でお願いする通しのガイドか、スポットガイドと呼ばれる、個々の観光地・遺跡だけを案内するか様々なオプションがあります。

旅行会社(ちゃんと評判あるところね!)を通した方が過去から築き上げた信頼関係もあるため、スポットガイドよりも一般的にクオリティーが高いガイドが案内されます。その分、旅行会社のマージン等で金額は高めになりますが、安心感を購入するという意味では価値はあると思います。

スポットガイドは、その場限り。もちろん、良いスポットガイドも居るかもしれませんが、一回限りの関係なので、生活に必死な彼らは観光客へのホスピタリティと言うよりも商売精神が旺盛になりがちです。

<今回スポットガイドを試すことに>

タージマハルは10回近く訪問しているので、正直ガイドは必要無いのですが、今回実際スポットガイドを雇うとどんな感じなのか、勉強のため試してみました。ガイド無しの場合と比べてメリットは何かあるのか。

<タージマハルの駐車場に到着するとガイドの客引きが半端ない>

車から降りると同時に、もしこちらに専属ガイドが居ないと判断すると一斉にガイドが周りにわんさか集まって来ます。その中で一名ずーっとついてきたのが居たので、頼む事に。

巧妙テクニックその①:ガイドが居た方が列に並ばなくていいよと説得させられる

これ、タージマハルに限った事では無く、人でごった返すアーグラ城でも同じ事が言えるのですが、まず最初に彼らが最初に言うのが、

「ガイドが居た方が列を避けられるよ!」

というセリフ。これ、外国人チケットで入場するのであれば全く意味がありません。何故かと言うと、地元料金よりも十倍以上高い金額を払っているので、大抵空いている専用のチケットカウンターがあり、かつ入場の際も有線レーンが基本あります。

タージマハルはインド在住者でアーダールカードを携帯しても、他の遺跡と異なりインド人料金は通用しません。そのため、日本人の場合ガイドが居ても居なくてもVIP待遇のはずです。

巧妙テクニックその②:ガイド報酬の金額は参加者一人あたりだった!

まず、ガイド料金の交渉から。Rs. 500でいいよ、って事になり、OKして遺跡へ。これ、支払いの時点で分かったのは、このRs. 500はツアーあたりでは無く、一人あたりの金額だって事。今回は自分含めて二名だったので、合計Rs. 1,000を支払いました。まぁ、それでもべらぼうに高いとは思いませんが、くれぐれも、気をつけましょう!

さて、タージマハルまでは駐車場から電気カートに乗ってガイドと一緒に入口まで向かいます。歩く事もできますが、1キロぐらいあるので、乗った方が楽です。タージマハルの入口に、チケットカウンターがありますが、このガイドSさん、異常にオンラインチケットを推奨します。それも、彼のスマホで。

後になって、何かがおかしい事を気づきました。遺跡の入場時にチケットを確認する従業員とガイド、なんかグルになってないかい??後でその兆候を説明します。

巧妙テクニックその③:霊廟内は外国人旅行者に無料のシューカバーが提供される。。。はず!

現在、タージマハルには2つの入場チケットがあり、一つは一般敷地内(外国人入場料Rs. 1,100)、もう一つは土足禁止の霊廟内(外国人入場料Rs. 200)です。今回は霊廟も訪れたのですが、ガイドは霊廟用チケットカウンターが混雑をしているからと、こちらもスマホで別途オンラインチケットを購入している(はず)なのですが、無料で提供されるはずのシューカバーはチケットカウンターで貰わず、入場ポイント付近のゴミ箱からリサイクルしているおっちゃんからお古をRs. 20で購入される。明らかに違法ですが、これ、普通に警備員の前でやり遂げられているのです。

そして、霊廟の入場チケットを確認する警備員、ガイドとは顔パスなのでそのまま入場。勝手な推測ではありますが、ほぼ100%の確率でここは警備員とガイドがグルになっていて、実際チケットを購入しているように見せかけて実はチケットを購入していないと示唆します。本来なら、チケットカウンターから新品のシューカバーがもらえるはずだし、そこまで混雑していなかったもん。

なるほどね、こうやってガイドは色々なところで儲けてるのね。

僕がガイドを雇って一番嫌な点は、観光終了後お土産物へしつこく催促される事。今回はこれを避けるために、事前にチップ払うから土産物屋には連れてかないで、とお願いしました。Rs. 300を別途支払い、ここはしっかりガイドはお願いを聞いてくれて観光終了後、駐車場までストレス無く送ってくれました。

さて、今回ガイドに払ったのは:

*タージマハルの入場チケット(一般+霊廟):Rs. 2,600(二人分)
*ガイド費用(約1時間):Rs. 1,000
*チップ:Rs. 300

合計Rs. 3,900。

入場料の件は何かがおかしかったので、ほぼ全額ガイドの利益になり、恐らくその中から提携先の警備員(笑)にある程度キックバックを払っていると推測します。

めちゃくちゃ良すぎる時給ですね。我々は本当に美味しいカモでした。でも、良いのです。僕も旅行業を営んでいる身だし、ここで喧嘩するつもりは無く、あくまでどう言う形で裏で儲けているかも知りたかったので。ただ、次回は確実に突っ込みます(笑)。

ま、入場料自体は法外に請求されている訳では無いので、ガイドが居ても居なくても、少なくても入場料を我々が節約できることはありません。

<結果的には良かった?面白い写真を提案はしてくれる>

こんな写真が撮影できました。

反射タージ
反射タージ

さぁ、この写真、不思議じゃありませんか?タージの前にこんな広い池ありましたっけ?無いです。だって、これ池じゃなくて、スマホの画面に反射させて撮影したものですから(笑)。

トリック写真
トリック写真

もう一枚、このポーズもガイドのイチオシ。なんだか合成写真に見えません?こういう目の錯覚、結構好きです。このような写真が撮影できたのは、楽しめました。

あとは、正直タージマハルの歴史はそこまで深いものは無いです。なんせ、見どころは一箇所でシンプルなので。アーグラ城の様に、迷路の様になっていて色々な部屋があるような場所では、ガイドの知識情報はとても重宝します。

まとめ

誇り高き穏やかなジャイプル人、ゆとりがあるデリー人と比較すると、アーグラ人は政治的・経済的な事情から一般的にガメツイ傾向がある事を否定できないので、気を引き締めましょう。でも、彼らに悪気はないのですよ。我々の様に仕事して家族を支えているのですから。色々な腐敗行為あるかもしれないけど、多めに見てあげて美しいタージを楽しみましょう♪

 

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