砂漠の中の美しい古都ヤズド

今まで訪れた世界各地で、結構印象に残った場所がイランの砂漠地帯にある古都ヤズド。歴史が深く、昔から受け継がれた技術の文化を象徴し、とても良い街でした。

Shaarbaf Hotel

トリップアドバイザーで評価が高かったのでここを選択。メールで予約し、現地で米ドル払いにしました。料金はツイン朝食付きで70ドル。さむ~い冬だったけど、床暖房もオイルヒーターもあって部屋の中は暖かかった。

砂漠の中なのに、シャワーは勢いが良くふんだんにお湯も使える。イランのインフラ設備はかなり良いです。

ただし、トイレだけはペーパーを流さないで、という表示があり、間違えて流したら本当に詰まってしまったので、イランのホテルでもしこの表示があったら気を付けた方が良いです。

このホテルは伝統スタイルで旧市街にあります。古い民家を改築してゲストハウスみたいにした感じ。

客室
客室
客室
客室

朝食は、食器等が伝統様式で雰囲気が良い。イランスタイルの朝食は大体どこでも一緒で、ナーン(イラン人曰くイラン発祥らしい)に、付け合わせのジャムやチーズの種類が豊富!特に好きなのは、フェタチーズと、ピーナッツバターみたいな甘いペースト。母は、ピュアな生クリームが凄く気に入っていた。

朝食セットアップ
朝食セットアップ
ビュッフェ
ビュッフェ
お茶を入れるサモワール
お茶を入れるサモワール
朝食の盛り合わせ
朝食の盛り合わせ

イランはナーンが美味しかった!分厚くて、もちもちしていて、インドで食べるのより好み(ちなみにインドのナーンはもちもちしていません!日本のインド料理レストランで提供されるナーンは特殊です!)。

お茶は、イランでは茶葉を使用せず、ハーブを混ぜて飲むそう。ミント、オレンジの葉、ハイビスカス、サフラン等を混ぜて入れる。カフェインが無く、健康に良さそうです。

ホテルの屋上から眺める景色も最高!旧市街が見渡せます。夏になると、ここで座ってお茶とかできるみたい(訪問時期は朝の気温が氷点下になるほど寒かったので、とてもできない)。

屋上からの景色
屋上からの景色
ホテルの中庭
ホテルの中庭

こちらは同じ屋上から日の出前の撮影。アラビアンナイトの世界です。

早朝の旧市街
早朝の旧市街
イラン ヤズド 観光:早朝の旧市街
早朝の旧市街

Dowlat Abad Garden

エローラ・アジャンタ遺跡の拠点になるインドのアウランガバード郊外にも同名の砦がありますが、それとは違う庭園。今年、世界遺産に登録されました。砂漠の中にある緑豊かな庭園。この緑は、地下水層まで掘ってからそこから人間の手で水路を作り上げていくという、600年前の技術をそのまま使用しています。降水量が殆ど無いヤズドが栄えた理由が、この技術。地下水源は豊富みたいです。

庭園内
庭園内

ここの目玉は世界最大の風の塔。英語でWind Towerと呼ばれ、日中50℃にもなる真夏のヤズドでは活躍する自然のエアコンです。よくドバイの旧市街とかにある、正方形の土の塔で、風を自然に冷やしてくれる仕組みになっています。真冬のこの時期は逆に超寒かった。ここには、昔ながらのステンドグラスもあります。

ステンドグラス
ステンドグラス
これが世界最大の風の塔
これが世界最大の風の塔

ゾロアスター教寺院

ヤズドは、ゾロアスター(拝火)教徒が多く住み、全人口の一割を占めている様です。イスラームがイランにアラブ人によってやって持ってこられる前にはイランの主な宗教でもあった様で、イスラーム教徒でも伝統は尊敬されている感じが伺えました。市内にある火の寺院ではなんと1,500年以上も消える事の無い火が燃え続けられ、厳重に窓の中に保管されています。

インドにもムンバイにゾロアスターの大きなコミュニティーがあり、あの有名なタタ財閥一族もここに属します。インドでは彼らは「パルシー」と呼ばれ、「ペルシャ」の意味があり、タタ一族先祖も数百年前にここペルシャの地からムンバイへ移住してきたのです。

寺院
寺院
開祖
開祖

この開祖は2,500年前に生きていたそう。ちょうど仏教が誕生したぐらいの時代。

1,500年間燃え続ける聖火
1,500年間燃え続ける聖火

近所にはゾロアスターグッズを売っている店もあり、拝見。

ゾロアスターグッズ
ゾロアスターグッズ

次の記事に、ヤズド郊外にあるゾロアスター教最大の聖地であるチャクチャクの訪問記をアップします。

旧市街の散歩

ヤズドの目玉と言えば、古い民家が並ぶ旧市街の散策。雰囲気が良いです。大体多くは600年前に建てられたものばかりで、タイムスリップした感覚にさせられます。

アミール・チャクマグコンプレックス
アミール・チャクマグコンプレックス
アミール・チャクマグコンプレックス
アミール・チャクマグコンプレックス

この近所に、お菓子屋があるという事で立ち寄り。甘いもの好きにはマスト。ヤズドは、お菓子で有名な街です。

菓子屋
菓子屋
様々なお菓子
様々なお菓子

次に、母の永遠に終わらない買い物付き合い。これが数時間に及ぶ。物価が安いので、猶更。ペルシャ模様の装飾品や、サフラン、絨毯、骨董品、革製品等興味があればすぐにふら~っと店に入る。

ヤズドの街並み
ヤズドの街並み
時計塔
時計塔
ユダヤ寺院
ユダヤ寺院

ヤズドにはユダヤ人も多いそうです。

その後、ヤズド最大の目玉である、ジャーメモスク。ここまで徒歩。

ジャーメ・モスク
ジャーメ・モスク

このモスク、今まで見たモスクの中で一番感動したかな。

確かに、この後訪れたイスファハーンの方がデコレーションも豪華なのですが、自分的には素朴だけどブルーのタイル張りのこちらのモスクの方が、魅力的でした。

このモスクはすべてタイルを砕けてそれをパズルの様に埋めたモザイクなので、建設に100年近くかかったとか。この意気込みが恐らく感動の素だったかな。ちなみにこのジャーメモスクのミナレットはイランで一番高く、モスクも600年前とかなり古いものです。

ジャーメモスク入口
ジャーメモスク入口
モスクの外観
モスクの外観
青が鮮やか
青が鮮やか
美しいモザイクタイル
美しいモザイクタイル
内部
内部
天井
天井
天井
天井

↑これ、水色のスワスティカが2つ描かれています。アーリヤ系の象徴だとか。

彫刻アート
彫刻アート
模様
模様
模様
模様

このモスクは素朴でかなり気に入りました。

次は、母の買い物付き合いへバック。レザーのリュックを購入したり、骨董品で探し物をしたり。。。

レザー屋
レザー屋
骨董品店
骨董品店

昼食はシルクロードホテルの中庭でレストラン。ここの食事は美味しいのだとか。メニューにイランでは珍しい「Curry」があり、ガイドに聞いてみるとここのオーナーはムンバイから逆移住してきた方(恐らくパルシー)だとか。

シルクロードホテルのレストラン
シルクロードホテルのレストラン

ここでガイドが是非ラクダ肉を試して欲しいと言われ、食べてみました。昔、オマーンの田舎で試した事がありましたがあまり印象が無く。今回ラクダ肉カレーを頼み、臭みが全く無く、サクッて切れやすい牛肉の様でした。とても美味しかった!後はチキンカレー、茄子のペーストカレーを。辛さは一切なく、マイルドなカレー。イラン人は辛さが苦手です。肉は骨や脂身が無く食べやすい。

イランカレー
イランカレー

ランチ後は旧市街歩き。

ゲストハウスの屋上から眺める旧市街
ゲストハウスの屋上から眺める旧市街
こんなお洒落なカフェも
こんなお洒落なカフェも
旧市街
旧市街
旧市街
旧市街
ゾロアスターのシンボル
ゾロアスターのシンボル

沈黙の塔

夕方は、市街外れにある、ゾロアスター教の死者を埋葬する(というかしていた)沈黙の塔へ。彼らのしきたりは死者を埋葬するには一番地球を汚さない方法として、塔の穴に死体を放置して、野鳥に食べさせるというというやり方。今では衛生面からイランでは違法になりましたが、世界で唯一まだこの伝統方式で埋葬されているのはインドのムンバイのみだそう。

沈黙の塔から眺めるヤズド市街
沈黙の塔から眺めるヤズド市街

沈黙の塔は3つぐらいあって、一番高いところへ上りました。

一番上から眺める二番目の塔
一番上から眺める二番目の塔
これが一番高い塔
これが一番高い塔

正直、夕焼けはそれほど感動が無く、眺めは良いけどただの廃墟。

ここで驚いたのは、出口に自動のシュークリーナーがあった事!砂で汚れた靴をシューシャイナーで。黒と茶があり、こういう細かい配慮がどこか日本に似ていると思いました。

シュークリーナー
シュークリーナー

夜の旧市街

夜はライトアップした旧市街のランドマークを見学。アミール・チャクマグコンプレックスから。

ライトアップ
ライトアップ

そしてまたBack to お買い物。今度はサフランとハーブティーを購入。サフランは1グラムで300円ぐらいとかなり安い(インドよりも)。

サフランとハーブティーの店
サフランとハーブティーの店
1911年開業と老舗の店
1911年開業と老舗の店
様々なハーブティーとドライフルーツ
様々なハーブティーとドライフルーツ
ライトアップされたジャーメモスク
ライトアップされたジャーメモスク

ヤズドは本当に良いところでした。2泊だけの滞在でしたが十分に楽しみました。ここは是非また行きたい。結構イランを訪れる旅行者はイスファハーンとシーラーズへ行くけど、個人的にはここがナンバー1だと思う(シーラーズはまだ行ったことないから比べれないけど)。

次は、ゾロアスター教聖地のチャクチャク洞窟、古都メイボッドを経由してイラン最大の観光地イスファハーンへ向かいます。

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