概要
搭乗総合評価:86点
感想:座席は快適でサービスは良く、短距離路線としての機内食はとても感動した。ただし、そこまで古い機材で無いのに、座席の老朽化が目立つ。
<利用詳細>
フライト利用月:2024年6月
予定出発時刻:09:00発
実際の出発時刻:09:04発
予定到着時刻:11:20着
実際の到着時刻:11:17着
時刻表上のフライト時間:2時間20分
実際のフライト時間:2時間13分
座席番号:10K
機種:A380-800
機材番号:HL-7626
機材導入日:2014年7月24日
<チケット代>
15,000マイル+諸税で総額33,325円。
搭乗記
・仁川国際空港第1ターミナルの右端にアシアナ航空専用のプレミアムチェックインあり
一応ビジネスクラス利用者専用のエリアとの表示がありましたが、アシアナ航空以外のスターアライアンスゴールド会員でエコノミー利用の際に入場できるか定かでは無いです。
アシアナ航空の上級会員(プラチナ以上)であれば、案内表示があったので恐らく問題無さそうですけどね。
・優先保安検査場は無し
せっかくプレミアムチェックインという隔離エリアがあるにも関わらず、チェックイン完了後は通常の保安検査場を通過しなければなりません。
午前6時頃、かなり混雑していましたが効率が良かったのでそこまで時間が掛からずに通過できました。
・シンガポール航空のラウンジで主に時間を過ごす
正直アシアナ航空のラウンジはしょぼいので、シンガポール航空シルバークリスラウンジをメインに時間を過ごしました。
念の為、アシアナビジネスラウンジと、2つのプライオリティパスラウンジ(マティナラウンジ及びスカイハブラウンジ)もチェックしました。
・搭乗タイム:2024年6月時点世界で一番短いA380路線だ!
仁川と成田はたったの1,260km(783マイル)!
その短い距離で世界最大の機材A380をアシアナ航空はOZ 101及びOZ 102便に導入しています(毎日では無い)。
実はこれ、現時点で世界で一番短い、A380路線なのです。
以前、エミレーツ航空がもっと短いドバイ⇄クウェート路線に導入していましたが、今では無くなりました。
そんな大型機材なので搭乗口の行列も凄い!
ビジネスクラスは2階に位置し、搭乗口も2階まで伸びています。
旧ファーストクラスである、ビジネススイートと呼ばれるゆったりシートは1階ですけどね。
・第一印象:むむむ、古い?
自分の座席に向かう際、使われているデザインの色も影響しているのか、座席が古く感じさせられました。
実際、シート生地やヘッドレストカバーはよれよれになっているし、リモコンはハゲかかっていたり、結構老朽化が目立っています。
往路羽田→金浦で利用した大韓航空のA330と機材年齢は同じなのに、キャビン全体が新しい感じ(エコノミーなのに)に対して、こちらはあまりメンテがしっかりされていない様でした。
両航空会社の差についてはこちらの以前の記事に触れています。
・シートは1−2−1のレイアウト;真ん中はカップル座席あり
ANAのスタッガード式に似ています。
窓際は窓に近い方と、通路に近い方が交互している。
真ん中は、通路に面したお互いが離れた座席と、奥まっている2席が一緒に並ぶカップルや家族連れに適したシートアレンジです。
同タイプは他のアシアナ航空長距離機材であるエアバスA350とボーイング777にも適応されます。
↑パーティションを下からと横から引き出す事ができるので、見知らぬ人が隣に座ってもプライバシーを保てます。
・シートツアー
スタッガード式の座席は結構機能的で好きです。
通路を挟んだ反対側の座席が若干並びがずれているので、プライバシーも少し保たれます。
窓際に近い方の座席は景色を眺めやすいし、足元もそこまで窮屈で無い。
しかも、A380の二階席窓際はサイドコンパートメントがあり荷物が収納できるのでこれも便利。
↑操作盤がはげている部分があり、リモコンは傷が確認できます。
↑韓国の電圧は220V対応なのに、ここは日本やアメリカの110V対応になっていた。
・アメニティーはスリッパとヘッドフォンのみ
このフライトではスリッパは提供されましたが枕はありませんでした。
ビジネスクラスでは短距離でも大抵枕は用意されているのが当たり前だと思っていたので少し新鮮でした(笑)。
ちなみに、大韓航空では同区間エコノミークラスでも枕が用意されているのに。
ヘッドフォンは、ノイズキャンセリングではありませんが短距離なので満足です。
イアパッドが別途用意されていましたが、大きすぎてハマらないのだけどなぁ〜
機内雑誌は無く、免税カタログのみでした。
・晴天の仁川を出発
さぁ、短い成田線の出発です。
・化粧室拝見
アシアナ航空のビジネスクラスの化粧室はアメニティーがしっかりストックされていました。
歯ブラシセット、マウスウォッシュ、くし、そしてロクシタン製のハンドローションと化粧水がありました。
・なんと、ラウンジスペースあり!
2階席の前方右側は、ソファーが並ぶラウンジエリアになっています。
他社であれば、化粧室に充てている場所ですね。
エミレーツ航空はファーストクラスのシャワールームにしたり、シンガポール航空ではファーストクラスの広々とした化粧室エリアにしています。
正直、いくら長距離路線でもラウンジエリアというのはあまり意味が無い気がする・・・
・とても楽しみにしていた機内食🎵
アシアナ航空のビジネスクラスを選択した理由は、韓定食を試してみたかったからです。
絶対に食べたかったので、自分の番になって品切れでがっかりしないように、ここは搭乗時にクルーに:
「可能であればで良いのですが、どうしてもメニューに記載の韓定食を頂きたいのです。」
と一言伝えて、クルーも
「協力します」
と言ってくれました。
現在、多くの航空会社ではビジネスクラスになると事前にオンラインでチョイスを選択できますが、アシアナ航空ではできないのでこの様な場合には、事前にダメもとでクルーにお願いするのもありです。
まずはメニューを拝見しましょう。
食事は2種類用意され、洋食か韓国食を選べます。
↑これこれ。どうしてもこれを食べたかった。
・韓国食が提供されるのは成田・羽田路線の一部のみ!
短い日韓路線、アシアナ航空のビジネスクラスに乗る醍醐味はこの韓定食ぐらいしか個人的にはありませんでしたが、実はこれが提供されるのは数多く就航する日本路線の中でもソウル(仁川・金浦)⇄東京(成田・羽田)路線のみなので、注意が必要です。
この路線は数々の航空会社が参入し競争があるので、差別化しているのでしょうね。
因みに、東京路線でも深夜に発着する仁川⇄羽田(OZ 178便等)は対象外です。
東京以外の日本路線は基本洋食のみでビジネスクラスでもチョイスはありません。
・個性溢れる機内食
まずは飲み物から。
シャンパンを頂きました。
Monopole HeidsieckのBlue Top。
日本の市場では1ボトルあたり数千円する品です。
さて、事前にクルーにお願いした韓定食来ましたー!
陶器の小皿がたっぷりなのでズッシリです。
クルーの方、これシートに運ぶだけでも大変ですよ。
プラスチックに包まれているのは様々な葉物と野菜、その他はメインのプルコギと白米、味噌汁の様なスープ、コチュジャンの様な味付けのサムジャン、キムチ、そしてフルーツ。
この食事のメリットは、葉物に肉や米を包むので、一気にがっつきづらい事。
早食いの筆者としては、ゆっくり食べれるので消化に良いし、満腹感も得られやすいので凄いメリットがありました(笑)。
マジで最高でした!
機内でここまで本格的なローカル料理を頂けるとは、感動します。
今まで食べた機内食の中でもとても印象深かった部類に入りますね。
・フラットシートにしてみるが枕が無いとあまり意味が無い・・・
枕が提供されないので、せっかくのフルフラットシートも豚に真珠ですが、短い路線なのでそんな満喫する時間も無いでしょう。
身長167センチの筆者には丁度良い長さでしたが、180センチを超えると少し窮屈に感じられるかもしれません。
・古いシートテレビ;感動した映画
さてシートテレビですが、2014年に導入された機材とは思えない程、90年代あたりのレトロ感がありました。
タッチスクリーンでもありますが、反応が遅い。
日本映画も数種類用意されていました。
画面操作はリモコンでも可能。
今回観た映画がこちら。
日本映画の「怪物」です。
この映画、今まで観た邦画の中で最も胸に響いた作品の一つでした。
あまりネタバレするとNGなので簡単に説明すると、主人公である二人の小学5年生の友情(恋愛)が描かれる作品で、家族や学校で根強いている何気ない「男女関係」や「性」の期待に応えられずにストーリーが展開します。
一見、タイトルからして人間本来ある闇の部分にフォーカスしていると想像しがちですが、ゲイの人間からするとそれ以上の非常に奥深い意味がある事が察しられます。
実はこの映画、カンヌ国際映画祭で日本からとしては初、LGBTQ+(=性的マイノリティー)関連を扱うクイア・パルム賞を受賞した作品でもあるぐらい。
日本のLGBTQ+作品って、BL系を始めとする結構ファンタジー系が多く、一般社会とはかけ離された、現実性が薄いストーリーが多い中で、これは性的嗜好に葛藤する子供の日常を描いたもので、本当に感動ものでした。
短いフライトで最後まで観られなかったので、家に戻ってから普段はしない有料動画として購入して視聴しました。
・定刻通りの到着
大雨の中の成田に到着!
A380は巨大なクジラみたいです^^。
評価
機内クルーの対応:8/10(挨拶がしっかりしていたが飲み物のお代わりとは聞かれなかった)
機内の清潔感:3/5(汚れてはいなかったが、全体的に老朽感があったしシートはよれよれだった)
シートの設備:8/10(一通り揃うが、テレビ画面の反応が鈍かったりした)
シートの快適度:10/10(短距離路線としてはかなり快適)
アメニティー:7/10(スリッパは良かったけどビジネスクラスなので枕は必須では?)
機内食・飲み物の種類・量:5/5(短距離路線としては洋食と韓国食で全く内容が異なるし、ボリュームがあって良かった;シャンパンは比較的プレミアムな銘柄が提供された)
機内食・飲み物のクオリティー:10/10(大満足!)
エンターテインメント:10/10(長距離フライトと同じレベル楽しめ、最も感動した映画が観れたのは良かった)
コスパ:8/10(アビアンカ航空を通じて市販のチケット価格よりも安価に購入できた)
総合評価:69/80 = 86点
まとめ
東京便だけに提供される韓定食がハイライトでした。期待通り、とても満足ができたのでビジネスクラスの価値があったと思います。ただし、それ程古い機材で無いのに機内の老朽化が目立ち、枕が提供されないなど気になる点はありました。短い路線でも長距離仕様機材を導入させているので体験価値はあります。