2022年11月補足:過去10年間、インフレが年率平均して6~7%で推移しているインドは、この記事の金額から比較すると今は相場は下記の約1.5倍です。
日本人であれば大体悩まされるのがチップの相場や支払うタイミング。いや、日本人だけではなく、西洋人のお客様にも相場を聞かれることがあります。チップなんてシステムは日本や中国の様に本当に無ければ良いと思うばかり。
でも、バクシーシ(貧しい人への施しによって罪を補う)の文化があるインドでは、様々な場面でチップを期待されます。インド人も、ここはしっかり支払っています。
インド旅行の中でチップを最も求められるのはドライバーです。時によっては朝から晩まで働きっぱなし。でも、何故か職業柄、カーストも影響あるのか労力の割にはドライバーの給料は一般的に低いです。参考までに、基本給が月額Rs. 7,000(約12,000円)ぐらいからスタートです。大抵家庭持ちが多いので、とてもこの給料で生活するには正直やっていけません。外資系大企業の専属ドライバーになるともっと高いですが、観光業に属している所謂「ツーリストドライバー」の給料はしっかり教育されていても上記の基本給に残業手当が付くぐらいでそれでも月額合計Rs. 15,000(約25,000円)程。年々物価が高騰している中、決して満足できる給料ではありません。
H2トラベルズでは観光用の車は専属の車では無く、信頼のできる外部(協力会社)に委託しています。となると、ドライバーの給料は一般的なインド基準に。時々、「あなたのお客さんドライバーにチップ払わなかったよ」と言われると、じゃ、あなたの会社のドライバーへ対しての給料基準を高くしてくれ、と言い返すのですが、そこは厳しい部分がある様で。
お客様へはチップの相場案内をしておりますが、それでもどうしても焦って渡せなかったとか、たまたま忘れてしまったって事もありそこを責める訳にはいきません。そもそも、チップは強制では無いものです。事前にチップ分を含んでと伝えても、車会社的に特定の個人へ対してそれをしてしまったら他のドライバー皆にしなければいけなくなって問題が起きる可能性もあり。そうなると、どうしてもお客様からのチップを当てにしなければならなくなります。
旅行会社として、これは確かにうちらの問題でもありこの件でお客様に振り回せてしまうのは申し訳ないのですが、こちらとしては旅行者へ対してもう少しインドでの「ドライバー」という職業柄を理解して欲しいという気持ちがいっぱいです。こればかりは「ドライバー」という職業がカースト的にもっと尊敬される地位にならない限り、どうしても給料は低いままでその他「バクシーシ」で生きなければいけない所があるのです。
例外として、もし事前に旅行会社や車会社から「チップ不要」と記載があった場合(個人的に聞いた事はありませんが)やドライバー自身が車のオーナーで雇われでは無い場合はそこまで気を遣う事はありませんが、基本ドライバーであれは誰でもチップは期待されますし、インド人の間でもドライバーへのチップは当たり前の習慣です。
ただし。
もっとややこしい事を話せば、チップを必要とされるのはあくまでチャーターされた時の観光用の車。街中で走っているタクシーやオートリクシャではチップは基本払いませんし、僕もよほど待遇が良くない限りはチップを払いません。
また、観光用のチャーター車でも運転が荒かったり、サービスが悪ければもちろんチップを支払う必要はありません。ドライバーはお客様の命を授かっているので、もし無事旅行を楽しむ事ができたら是非お心づけとしてお渡し下さい。
チップの相場は旅行会社や手配会社によって記載額が異なりますが、うちでは1日フル活動した際には最低Rs. 300(約500円)をお願いしております。