概要
搭乗総合評価:100点
簡易感想:今まで体験したビジネスクラスでは総合的にダントツ一位!提供内容は他社のファーストクラスか、それ以上のレベルです。
<利用詳細>
航空会社:カタール航空
便名:QR 845
フライト区間:クアラルンプール→ドーハ
フライト利用月:2023年9月
予定出発時刻:09:55発
実際の出発時刻:10:05発
予定到着時刻:12:20着
実際の到着時刻:12:23着
時刻表上のフライト時間:6時間25分
実際のフライト時間:6時間18分
機種:ボーイング777-300ER
利用クラス:ビジネス
座席番号:3K
機材番号:A7-BEP
機材導入日:2017年12月01日
<チケット代>
クアラルンプール→ドーハ→ドバイのビジネスクラス特典航空券を、JALマイレージバンクの42,000マイルに、諸税が12,740円で発券しました。
JALホームページで手配。
搭乗記
・前日のオンラインチェックイン時にハプニング発生
希望の航空会社会員番号がオンラインチェック時に反映されず、一度チェックインを解除したら再度チェックインができなかった!
機内は満席なので折角確保した窓際がこの時点で確保できないと、恐らく他の乗客に取られて自分は空いている真ん中の座席になりかねない!
カタール航空のコールセンターに電話してもチェックインは空港エージェントの役割だからと断られてしまうし(泣)
幸い、その時クアラルンプール国際空港に居たので、猛ダッシュで第2からカタール航空が出発第1ターミナルへ移動し、まだ前日フライトのチェックインカウンターがオープンしていたので対処してもらいました。
希望の座席を確保でき、危機一髪!
詳しくは、先日の記事に記載しています。
・指定ラウンジはプラザプレミアム・ファースト
ビジネスクラスの乗客は、プラザプレミアム・ファーストへのラウンジ招待状を渡してくれました。
ワンワールドなのに、マレーシア航空のゴールデンラウンジが指定では無いのが面白いです。
両方ともハシゴできますけどね。
ラウンジの訪問記はこちら。
・KLIA第1ターミナルはカオス!
中・長距離便が主に発着するサテライトターミナルは、以前であれば無人のアエロトレインが運行しているのですが、現在メンテ中。
代わりに、コンタクトピアからバス移動になるのですが、凄い列だしぎゅうぎゅう詰めだし、あまり気持ちの良い体験では無い。
早くアエロトレインの復活を願いたいです。
・ゲートは大混雑
第1ターミナルでは、保安検査が各ゲートで行われるので、今回の様なカタール航空の大型機が出発する際には大行列!
しかも、ビジネスクラスや上級会員専用レーン等が別れていないので、皆早めにゲートに来た方が良いです。
・ワクワク気分で搭乗!
待ちに待った世界一で噂のカタール航空ビジネスクラス。
何故か、今までライバルのエティハド航空、エミレーツ航空、オマーンエア、サウディア航空のビジネスクラスは乗ってきているのに、カタール航空は初めてです。
まず、機内に入るとマレーシア人クルーのカイルールさんが片言の日本語で出迎えてくれました。
なんでも奥さんが日本人で、仙台に子供二人が住んでいるそう。
結構カイルールさんとはウマが合いました。
・こ、これがビジネスクラス!?
さぁ、初印象は・・・え、マジでこれビジネスクラスなの!?
カタール航空のボーイング777ビジネスクラスには今回乗るQスイートと、旧型でゆったりした2-2-2配列の普通のレイアウトがありますが、今回体験するのは前者の方です。
カタール航空はギリギリに機材変更を頻繁にされている様なので、Qスイートのはずが最終的に旧型のシートになってしまう、という事も珍しく無い様です。
・窓際と真ん中のカップル席は進行方向逆向き
Qスイートの特徴は、窓際と真ん中のカップル席が後ろ向きになっている事です。
ANAのThe Roomと一緒ですね。
結構後ろ向き良いです!
エンジンを見ながら外の景色を楽しめるというのは何だか特別感があります。
・ドアの仕切りが高く完全プライバシーが楽しめる
ANAのThe Roomやスターラックス航空A350と比較すると、ドアは結構な高さがあり、プライバシーがしっかりある。
しかも、ドアを閉める際に隙間も無いので、完全な密室空間を楽しめます。
・綿密に設計された感が半端ない座席
座席の快適度、座席周り、設備などとにかく非常に便利で、もう何もツッコミどころがありません。
真ん中座席のパーティションは、上げ下げができるのでもしカップルであった場合は全て下ろして、ダブルベッドの様な繋がった座席仕様が可能になります。
座席を細かく見てみましょう。
↑正確には靴置き場では無いし、はみ出るけどここに収納しておくの悪くありません。
最近ビジネスクラスでは多い、ボックス型の足置き場ですが、結構余裕があって足を自由に動かせるのは嬉しいです。
・便利な操作パネルの位置
飛行機あるあるなのが、座席やテレビ画面の操作パネルが肘掛けに近くてついつい当たって勝手に押してしまう事。
でも、Qスイートでは問題ありません。
エンターテインメントコントローラー、ユニバーサル電源、USB電源2箇所、HDMIケーブルソケット、ヘッドフォンソケット、そしてシートコントローラーが斜め前のサイドテーブル沿いに設置されているので、間違えて押してしまう事がありません。
・充実したアメニティー
カタール航空の中距離路線以上では、2023年9月時点ではディプティック製のスキンケアが提供されます。
内容はボディーローション、フェイスクリーム、リップバーム、そしてオードトワレ。
オードトワレはカタール航空オリジナルの香りで10mlですが、似た同量のものがアマゾンジャパンで6,000円弱で販売されているので、とてもプレミアム感のあるアメニティーキットです。
因みに、ドーハ発フライトと、ドーハ行きのフライトでアメニティーの箱は異なり、今回のドーハ行きは紙ボックスで提供。
ディプティック製コスメの下には、靴下とアイマスクが入っています。
ドーハ発は、立派なポーチの中に入って提供され、男女デザインが異なります。
↑クルーが写真撮影のためにわざわざ持って来て下さいました。
・夜行便ではパジャマが提供
今回のフライトは日中のフライトなので提供されませんでしたが、中距離路線以上の夜行便では、The White Company製のパジャマが提供されます。
もちろん、日系と違い、持ち帰り可能。
ビジネスクラスでパジャマが提供される(=持ち帰りできる)航空会社は少ないので、流石カタール航空です。
・スリッパはパジャマとセットのみ?
スリッパはこのパジャマとのセットとして提供されているので、パジャマが提供されないフライトでは恐らくスリッパは用意されていないかな?
このフライトではスリッパは提供されませんでした。
調整可能な空調があるのは嬉しいですね。
昔は一般的だったのに、最近の航空会社では最初から外してしまい、暑がりにとってはこれがあるか無いかで結構快適レベルが変わる。
・ウェルカムドリンクと丁寧なタイ人クルーによる説明
着席すると、タイ人クルーのジラナンさんが挨拶にやって参りました。
とても丁寧に座席の設備を説明してくれ、そして食事メニューを渡された時は、
「アラカルト形式になっておりますので、お客様の好きな時間にお召し上がり頂けます」
なんと!
ビジネスクラスでアラカルト形式とは、とても珍しい!
通常であればファーストクラスのサービス!
そして、ウェルカムドリンクを聞かれました。
メニューから何でも選んで良いそう。
普通、ビジネスクラスでは大抵シャンパンかジュースと限られるのに、わざわざ離陸前から、好きなものが選択できるとは凄い!
カタール航空名物レモンミントジュースをお願いしました。
一緒に運ばれた冷えたおしぼりはなんとディプティック製!
これ、一本何百円ぐらいするのでは!?(笑)
・雨の中の離陸
クアラルンプール国際空港周辺は大粒の雨が叩きつけていました。
後ろ向きの景色は最高です♪
・離陸後はまず食事を頂く事に
いつでも食事は食べられますが、やはり機内食はハイライトなので先に頂く事にしました。
まず、メニュー拝見。
スープ1種類、前菜2種類、メイン4種類、チーズ、デザート3種類と、軽食2種類から選べます。
何でも、好きなだけ、どんな組み合わせでも!
そして、いつでも好きな時に!
・ソフトドリンクの飲み物の種類が超豊富
酒が強くない方に朗報。
ノンアルコールシャンパンや様々なノンアルコールのカクテル、アイスティーもミント、レモン、チャイの3種類も用意されている!
そしてワイン以外のアルコール類。
・ワインリストが別途用意されている!
上記の他に、ワインリストがしっかり用意されています。
嬉しいのは、シャンパンは2種類が用意され、内1種類はロゼ!
なかなか機内でロゼシャンパンが飲める機会は無いです!ましてやビジネスクラスで。
離陸20分後:ドリンクとナッツの提供
・離陸直後の飲み物はカクテルとロゼシャンパン
バカルディホワイトラム、コーラとレモンが入ったキューバリーブレと、貴重なロゼシャンパンを頂きました。
付け合わせには、温められたナッツ。
やっぱり酒に温かいナッツは格別ですな。
・機内食の時間〜完全にビジネスクラスの域を超えて質・量共にファーストクラスレベル
カタール航空ビジネスクラスの機内食、マジでやばいです!!!
今まで食べたビジネスクラスの機内食では一番豪勢+美味しい+完全フルコースを体験しました。
もはやファーストクラスレベルか、いやむしろ他社のファーストクラスよりも全体的なクオリティーは上かもしれません。
離陸50分後:テーブルセットアップ完了;アミューズの提供
この芸術作品の様な海老と貝柱のアミューズ・・・見た目だけで無く、味も最高でした!
↑よく見るとピンクソルト!凝ってる〜
・オリーブオイルだけでも数種類から選べる!
なんと!オリーブオイルの種類まで聞かれた!
自分が選んだのはスパイシーレモン味だけど、あと3種類ぐらいあった(忘れたけど)。
痒いところに手が届きすぎ!
離陸55分後:スープの提供
・スープはフルサイズのボールで提供!
ビジネスクラスでスープの提供は稀ですが、例えあったとしても小さなボールに注がれる事が多い。
ところがカタール航空では、しっかりしたサイズで他社のファーストクラスレベル。
このスープは絶品でした。プレゼンもクリームがかかった上にパセリが添えてあり、本当にビジネスクラスのスープだとは思えない!
離陸1時間04分後:サラダの提供
次に蟹サラダ。
丁度良い量で蟹肉の味がしっかり表れています。
離陸1時間16分後:メインの提供
メインはウーズィーと呼ばれる中東の炊き込みご飯。
僕は中東系航空会社に乗る際は極力炊き込みご飯を頼みます。
パサパサした米の中にゴロゴロ転がる柔らかい肉が美味いんですよ!
今回はラム肉。
ハズレはありません。
味がスパイスたっぷりでとてもリッチ。
付け合わせのヨーグルトとよく合います。
離陸1時間29分後:チーズの提供
次はチーズ。
クラッカーがわざわざ専用の入れ物に入り、しかも布で包んである!
何このこだわり!たかがクラッカーなのに!
離陸1時間50分後:デザートの提供
そしてデザートはカヤケーキ。
こちらも他社のビジネスクラスだと小さな器に盛られる事が多いのですが、カタール航空ではフルサイズの皿で提供。
ココナッツフレークとマンゴーが添えてあり、本格的。
レストランレベルです。
ポートワインと一緒に頂きました。
最後にフルーツ。
ベリー類のミックスに、エルダーフラワーシロップが。
酸っぱいベリー類には上品でほんのり甘いシロップがよく合います。
離陸2時間05分後:フルコースミール終了
離陸して、2時間でこれだけの量のコースメニューを片付けられのが凄い!
これ、ビジネスクラスです。
乗客それぞれが好きな時間で頂くという中でクルーには負担があるはずなのに、それでも効率が良い。
カタール航空のクルーは本当にプロだと思います。
最後にカモミールティーとチョコレートを。
・豊富すぎるエンターテインメント
世界中の映画やドラマが並びます。
本気で悩みます。
ホリウッドはもちろんながら、ボリウッド、アフリカ、アジアン、ヨーロピアン等筆者みたいな世界各国のプログラムを楽しみたい場合はピッタリです。
ドラマシリーズは一つのエピソードだけで無く、連続で全て続けて見られるのが嬉しかったです。
航空会社によっては、中途半端に途切れてエピソードをアップしたりするとあまり意味ないなーと思います。
最新機材では無かった為、指で画面を操作できるインテラクティブではありませんでした。
・Wi-Fiはとても良心的な値段!でもこのフライトでは繋がらなかった
Wi-Fiの料金は、使い放題でUSD 10。
安価!
しかも、カタール航空の会員であれば、例え一般会員でも1時間無料というのも嬉しい。
残念ながら、このフライトでは一度も繋がる事ができず、エンタメが充実していたのでクルーに確認しませんでした。
・化粧室のアメニティーが豪華!
次は化粧室を拝見しましょう。
飛行中、常に清潔に保たれていました。
場合によっては、トイレシートが事前に敷かれてあったり、次の乗客への配慮がしっかりされているのが確認できます。
左からハンドソープ、フェイシャルミスト、ハンドローション。
引き出しには、歯ブラシセットと髭剃りセットが常備されていました。
・座席をベッドモードにして楽しむ
身長167センチの筆者ですが、完全フラットにしても足元の余裕はかなりありました。
身長180センチ以上でも、結構余裕だと思います。
ベッドメイクはクルーにお願いすると、敷布団(マットレス)を用意してくれ、アレンジしてくれます。
そしてふかふかの大型枕も持ってきてくれました。
仕切りが高いので、ドアを閉めるとホテルの個室に居るような感覚になります。
本当にカタール航空のQスイートはよく考えられたシートだと何度も実感させられます。
着陸1時間34分前:アフタヌーンティーの提供
・着陸前にアフタヌーンティーを頂く
軽食メニューには、アフタヌーンティーとミニサンドイッチセットが用意されていました。
気になった前者を注文。
内容はスコーン、チーズ、チキン、そしてスモークサーモンのサンドイッチ3選、レッドベルベットケーキ、そして海老の串刺し。
スコーンにはしっかり本場と同様にクロテッドクリームが提供されました。
正直、全体的にこちらはまぁまぁでした。
海老がかなり柔らかくなってプリプリ感が無い。
これ海老だけが、今回の機内食で唯一のマイナスポイントだったかな。
食後にレダラッハのチョコレートとまたまたディプティック製のおしぼりが提供。
・オマーンの壮大な大地の景色を楽しむ
僕が世界で最も好きな国が、オマーン。
その理由の一つが、広大なスケールの大自然。
空から、くっきり確認できました。
↑オマーン最高峰のジャバル・シャムスは標高3,000メートルを超え、冬は積雪もある様です。
次第に、景色は平地になり、アブダビやペルシャ湾の小さな島々を経てドーハに着陸です。
・これが噂の豪華なハマド国際空港!
ドーハはバブっています!
近年拡張されたハマド国際空港の新しいエリアは高級ブランドショップや緑のガーデン(チャンギ空港のザ・ジュエルに似ている)があり、空港というよりも富裕層向けのショッピングモールみたい。
これからカタール航空のビジネスクラス客専用のアル・モルジャーンラウンジへ行きます。
評価
地上&機内クルーの対応:10/10(機内は特に至れり尽くせりで本当に良い思い出になりました)
機内の清潔感:5/5(若干老朽化を感じさせられるが、とても清潔に保たれている;頻繁に座席周りを片付けてくれる)
シートの設備:10/10(もの凄く念入りに設計された感あるシート!とにかく痒い所に手が届く!)
シートの快適度:10/10(丁度良いふかふかさ、仕切りの高いドア、比較的広い足元スペース、文句無し!)
アメニティー:10/10(普通に10,000円の価値を超えるレベルのアメニティーキットから、毛布や場合によってはパジャマなど、ビジネスクラスの域を超えている!)
機内食・飲み物の種類・量:5/5(ビジネスクラスなのにロゼが飲める!食事は超豪華!明らかにワンランク上!)
機内食・飲み物のクオリティー:10/10(今まで乗った航空会社でダントツベスト)
エンターテインメント:5/5(世界中の映画やドラマが山ほど;選択に苦労するw)
コスパ:JALマイルによる特典航空券なので対象外
総合評価:65/65 = 100点
まとめ
まるでカタール航空の回し者の様にベタ褒めしてしまいましたが、本当に提供内容が繊細に凝っていてとても驚かされました。本気でカタール航空のビジネスクラスに乗ると、他社がかなり劣って見えてしまいます。でも、カタール航空のサプライズはここで終わりません。次にご紹介するドーハのラウンジも別世界でした。