航空会社:エアインディア
便名:AI 890
フライト区間:インパール→デリー
フライト利用日:2018年6月27日(水)
予定出発時刻:14:20発
実際の出発時刻:14:24発
予定到着時刻:18:40着
実際の到着時刻:22:25着
時刻表上のフライト時間:4時間20分
実際のフライト時間:8時間1分
機種:エアバスA321-200
利用クラス:ビジネス
座席番号:2D
機材番号:VT-PPV
機材導入日:2009年12月23日
これはお客様と慰霊旅行の際に同行した帰りのフライトになります。既に以前にヒントを出しましたが、このフライトは今までのビジネスクラスの中ではポイントの低い体験でした。
お値打ちな一人5,000円のアップグレード
もともとエコノミークラスで予約をしてありましたが、インパール空港に到着したとき、エアインディアの従業員がやってきて、ビジネスクラスへアップグレードしないか聞いてきました。一人あたりRs. 3,000(約5,000円)で。このフライトは途中グワハティに経由し、所要時間が4時間以上もかかるので、5,000円のアップグレードはとてもお手頃価格でした。
お客様との承諾も得てアップグレードに決定。
手続きに時間が掛かりすぎ!
しかし、アップグレードする際、入口のエアインディアカウンターで手続きをするのですがこれがとても時間が掛かり、30分程待たされる。仕舞には、カード決済機が故障中で何度も違うカードで試しても決済できず、もういいや!と思っていたら隣のインディゴ航空のカウンターの決済マシンを借りる事に。え、他社のカード決済機使っても問題ないの??その後、インディゴは決済したRs. 6,000分を現金で担当者に渡していました。
お客様は一人で遠く離れた場所にしかないベンチに座っていられたので、この手際の悪さにとても心配されていた。
結果的に搭乗開始時間ギリギリにアップグレード変更はできた。
担当者の方は親切で、インパール空港にはラウンジが無い事から売店のコーヒーを購入して渡してくれました。小さなサービスでしたが、配慮は嬉しかったです。
優先搭乗は無いけど横入りはOK
搭乗時間が開始しました。が、ビジネスクラス客の優先搭乗は無し。その代わり、直接前へ行って係員に「ビジネスクラスの乗客だけど」と言えば、通らせてくれました。
結構この手段海外では通用します。優先搭乗が無いからと言って、エコノミーの乗客と一緒に並ぶ必要はありません。以前、カイロ空港でターキッシュエアラインズのビジネスクラスに乗る時優先搭乗が無かったのですが、この方法は通用しました。ただし、周りの乗客に「割り込みするな!」と言われる事もありますが、「自分はビジネス客だ」と言えば並んでいる方も納得します。
また、エコノミー客なのに「上級会員」だからと言って割り込むのはちょっと違うかも。航空会社によって上級会員の優先搭乗の条件は異なるので。
「雨が止んだから飛行機まで歩いてね」
飛行機へ向かうバスが一杯になったので、次のバスに乗る様に係員から指示される。
そして待っていたら、いつのまにか「雨止んだからもうバスは運行しない。自分で歩いてね。」とエアインディア係員に言われる。
適当!
幸い、飛行機までの距離は大した事無い。インパール盆地の清々しい空気を吸いながら飛行機へ向かいました。
写真撮影は禁止!
タラップで飛行機の写真を撮っていたお客様、乗務員に注意されました。以前も、成田にエアインディアで飛ぶ際インド人修学旅行生が写真を機内で撮影していたらクルーから注意された光景を見たので、エアインディアで機内撮影するときは注意した方が無難です。
僕は携帯カメラを持っていたので、何とかばれない様に撮影ができました。
ウェルカムドリンクは無し
自分とお客様だけのキャビンでした。座席は全部で12席。男性乗務員2名がビジネスクラスを担当していますが、愛想が全然無いし如何にもがさつな感じ。スマイル一切無し。おまけに、外国人だけしか居ないと気を抜いたのか、ウェルカムドリンクのサービスは無し。頼めば持ってきてくれたのかもしれないけど。
座席は2×2配列で若干シートピッチはエコノミーより広く、国内線仕様としては文句ありません。
最初は通路側の2Dに座っていましたが、誰も居ないので後ろ3Fの窓際へ移動する事にしました。
基本的にエアインディアの国内線は大型機材を除き、エンターテインメントはありません。同機材はもともとエコノミーも個人テレビ付きですが、今はシートカバーが掛かっており、テレビどころか音楽も聞く事はできません。これはエアインディアに限らず、ライバルジェットエアウェイズも同じ様にしています(ただし、新型の737はスマホやタブレットにダウンロードしたアプリから映画など観る事ができる)。
10年程前、インドでは今までの航空産業を覆した大手ビールメーカー資本のキングフィッシャー航空が誕生し、この航空会社は安いだけで無く、乗務員が美人でサービスも超良い、そして短い国内線区間でも全クラス個人テレビでエンターテインメントが楽しめるなど、とても力を入れていました。
が、安価で提供しながらあまりにサービスに力を入れすぎて赤字になってしまった。結果的に2012年頃に完全に経営不振に陥って運航が停止。利用客には嬉しいキングフィッシャー航空。僕も今まで乗った中の航空会社の中でサービス面に置いてはトップ3だったと言っても過言では無いほど、快適で良い航空会社でした。
余談が長くなってしまいました。
景色の良い遊覧フライト
まず、このフライトはアッサム州のグワハティへ向けて飛びます。飛行時間は30分程。その間、結構良い景色が楽しめます。
特に進行方向右側だと日本軍が戦った戦地があったり湖の景色がパノラマに広がったりと退屈しません。
田園風景が広がります。マニプールの主食は完全に米。日本の田舎の景色とよく似ています。
↑写真左側中央部に位置するのが、インパール作戦で最も激しかった戦いであったレッドヒル。今では山麓に日本政府が建てた平和記念公園と、地元住民が建てた日本軍戦没者の慰霊碑があります。これを空から見れたのは良かったです。
この景色が過ぎると次はロクタク湖。インパール盆地の人々にとってここはエビや魚が捕れる食糧の宝庫。
インパール盆地を過ぎると険しい山脈の上を通ります。一応ヒマラヤ山脈と繋がっていてこの山々がインド本土とは異なる文化圏を作り上げました。
短いフライトですが、機内食が提供されました。離陸と共にすぐにトレーが持ってこられて、「ボーン」と相変わらず笑顔の無いがさつな感じでテーブルの上に置かれました。
内容はマヨネーズだけのサンドイッチパウンドケーキ。パウンドケーキはぱさぱさしてあまり美味しくない。サンドイッチは辛うじてしっとりして食べられましたが具が無いので貧相。まぁ短いフライトだし。それよりも、ナプキンが無くてエコノミーと同じ様なカトラリーのセット。
飲み物はコーヒーか紅茶。
そしてアッサムの大地に近づくとそこはグワハティ空港です。
グワハティ空港に着陸です。ここでは30分程停泊します。
この空港で多くの乗客が搭乗し、ビジネスクラスも5人乗ってきたのでかなり埋まってきました。
今度はウェルカムドリンクあり
なんだよ。今度はインド人の乗客が乗り込んできたら、(ほんの)少しこのビジネスを担当する2人の男性乗務員の態度が良くなりました。が、依然にスマイルは無し。エコノミーと同じサイズのペットボトルの水と、ジュースが。グアバジュースを選択しました(果汁100%では無い)。
最悪のプレゼンの機内食
さぁ、機内食はもうちょっと期待しました。だって、このフライトは2時間半近くあり、他国内線路線で2時間以上だとエアインディアでも4種類のメインが選べるはずですから。
が。
チョイスはベジタリアンかノンベジ。まぁいいか。ノンベジを指定。
出てきたのはこれ!!??
完全にエコノミークラスレベル!現在国内線エコノミーでは基本ノンベジはもう選択できないので、これでもビジネス限定食ですが、メインがアルミの皿。ナプキンは無し。カトラリーはエコノミーと同等のもの。
内容は先ほどと一緒のマヨネーズのサンドイッチ、メインは中華風麺と鶏肉の生姜炒め、そしてチョコレートケーキ。サンドイッチはまぁまぁ、ケーキはぱさぱさしてまずい。
が。
辛うじてメインだけはとても美味しかったです。これがエコノミーならポイント高いけどあまりに質素な見た目に×。
更に、飲み物は水と食後の紅茶・コーヒー以外何も提供されず。これはエコノミーと同等レベル。ビジネスクラスなんだから、もうちょっと飲み物のバラエティーが欲しい。ビスタラのプレエコでさえ、いろいろな種類のソフトドリンクが提供されるのに。
ちなみに、インドの国内線は酒の提供が禁止されているので飲めません。
目的地変更で搭乗時間が2倍に!
さて、このフライトはほぼ定刻通りにデリーに着陸する。。。予定だったのに、デリー手前で急な天候悪化のために、目的地が変更。ラクノーという、また逆方向に戻る形でさらに1時間ほど飛行。
これはまずい。
お客様はこの夜のエアインディア便で日本へ帰る。無事に乗継ができるか??
ラクノーでは足りなくなった燃料の給油だけど2時間以上も待機された。
ビジネスクラスで良かった!!
何が嬉しいかというとこの待機中、ビジネスクラスだったので専用のトイレが使用出来る事と、エコノミーより快適な座席に座っている事が出来る事。これ、エコノミーだったらかなり疲れた。短距離用なので、トイレはエコノミーだと170席ある中でたった2つしか配置されていないけどビジネスは12席に1つある。エコノミーの乗客がビジネスのトイレを使用したがっていたけど、乗務員が止めた。あと、ビジネスになるとトイレがエコノミーより全然清潔。乗務員が清掃した気配は無いけど少なくてもインドだと乗客のマナーの質が高くなる。
結果的に、予定より3時間45分遅れてデリーに到着。機内の滞在時間は約8時間とほぼデリーと成田と同じぐらいの長さを飛行機の中に乗っていました。幸い、デリーの天候カオスは日本行きのフライトも同じぐらい4時間程遅れたので、お客様も乗継が可能に。
本当に、たった5,000円でこんな長時間の飛行機移動でアップグレードできた事には感謝です。
【搭乗評価】
出発空港での対応:☆☆☆☆
機内クルーの対応:☆
アメニティー・エンターテインメント・シートの設備:☆☆
シートの快適度:☆☆☆
機内食・飲み物のクオリティー:☆☆
<フライトの印象>
冒頭にも記載しましたが、ビジネスクラスとしてのフライトでは今回がワーストでした。良かった点と言えば、手際悪かったけどインパール空港でのエアインディア職員の対応が良かった事と、安価でビジネスクラスにアップグレードができた事。だからって、自分は良いけどもしこれが正規にビジネスクラスチケットを手配した客だったらどう感じるか。インド国内のビジネスクラスチケットは非常に高価で、最安値エコノミーと比較すると5倍ぐらいの差があります。
乗務員は「もう私ここに居るのが面倒くさいです」オーラを発していた。実は結構珍しい。これでエアインディア搭乗が記念すべき50回目だけど、最近はだいぶサービスが良くなってきている。たまたま今回は運が悪かった。
アメニティーは一切無し。エンターテインメントは機内雑誌ぐらい。シートも正直おんぼろで、レッグレストが無くフットレストのみ。
そしてショッキングな機内食と飲み物のチョイス。
エアインディアは、新機材だっと結構良いクルーにあたりますが、A320シリーズ(最新のNEOシリーズを除く)は今までそんなに良い体験はありません。ぼろすぎてクルーもあまりハッピーじゃないのですね。