羽田空港のJALファーストクラスラウンジとキャセイパシフィックラウンジの甲乙が付け難い
先日、初潜入したJALファーストクラスの印象の中に、改善の余地がある点について5点触れました。
復習すると、これらの5点は:
改善点①:ファーストクラスラウンジとしてはまだ座席配置に密集感あり
改善点②:プライベートな空間があまり無い
改善点③:仮眠室があっても良い
改善点④:せっかくバーテンダー常駐のバーがあるのにメニューが中途半端?
改善点⑤:食事やドリンクの提供方法が国際基準と少しズレている?
これらの内、③以外の①〜②、④〜⑤は格下である、ビジネスクラス用のキャセイパシフィックラウンジが満たしています。
一つづつ検証していきましょう。
キャセイパシフィックラウンジが優れている点①:座席配置がゆったりとしている
ビジネスクラスラウンジとは思えない程、どの座席もソファーが大型の上ゆったりした配置になっているし、ダイニングエリアはテーブル間の距離が離れている。


JALファーストクラスラウンジを比較してみましょう。
利用者の数が多い事もあるので、いくらファーストクラスラウンジと言えども(実際は、殆どがファーストクラス利用者では無く、他のクラス利用の上級会員なんですけどね)、座席の数は多めになるかもしれませんが、正直あまり特別感がありません。

上階にある「JAL’s Salon」は素敵な空間ですが、間隔が狭くズラーっと整然と一列に並べられる光景はあまりファーストクラスならではの優雅さは感じられないです。

キャセイパシフィックラウンジが優れている点②:プライベートな座席エリアがある
キャセイパシフィックラウンジの面積自体はそこまで広くないですが、独立した一人用のソファーが数席設置され、隣との間隔もしっかり保たれています。


JALファーストクラスラウンジは全体的に開放感がある座席が殆どで、独立したプライベート感のあるシートは広い面積の中でもたった8席しか設置されていません(+マッサージチェアエリアを除く)。

キャセイパシフィックラウンジが優れている点③:バーテンダー常駐のバーで様々なカクテルが楽しめる
こちらには、立派なバーがあります。
メニューが非常に豊富で、オリジナルカクテルからワイン、蒸留酒、日本酒、コーヒー、お茶と選ぶのも悩んでしまう。
これなら、どんな利用者でも満足できるでしょう。


JALファーストクラスにある「JAL’s Salon」もプレミアムなドリンクを提供していますが、拘りが強いせいか、一般的なドリンクが無く、せっかくバーテンダーが常駐しているのに勿体ない気がします。


キャセイパシフィックラウンジが優れている点④:王道のオードブル系が用意されているのとオレンジジュースはピッチャーで用意されている🙂
オードブルの王道と言えば、ワインを中心とする酒のおつまみにぴったりなフレッシュチーズやハム、スモークサーモン等。
キャセイパシフィックラウンジではしっかり用意されています。

JALファーストクラスラウンジではオードブルは提供されているのですが、一歩進みすぎ!?
いや、むしろ定番のチーズやハムより全然豪華なのでこちらの方がポイントは高いですが、逆に好き嫌いは分かれそう。
チーズとハム類であればより多くの人に馴染みがあるので、こちらはあっても良いと思います。

もう一つは、凄く細かい点で、JALファーストクラスラウンジではオレンジジュースがディスペンサーのみからしか注ぐ事が出来なく、シャンパンと割って飲むミモザを作る場合、細長いグラスがディスペンサーにはまらなく、とても面倒だという事。
キャセイラウンジでは、ちゃんとピッチャーで用意されていました(笑)。
その前に、ミモザであれば自分で作らずにバーカウンターで注文ができると思いますけどね。


更に、キャセイパシフィックラウンジの優れている2点を追加します。
キャセイパシフィックラウンジが優れている点⑤:インテリアがお洒落で落ち着く
ANAも含めた日系航空会社のラウンジで共通しているのは、座席の間隔が狭いためか、ラウンジ自体がどこかオフィスっぽい雰囲気があり、決してお洒落なインテリアとは程遠いと印象です。
無機質という言葉が近いです。
その反面、キャセイパシフィックラウンジはとてもセンスが良く、邸宅のリビングルームを再現した様な落ち着く雰囲気で、内装も凝っています。

JALファーストクラスラウンジは、「Red Suite」の様な個性ある部屋もありますが、全体的にどこか統一感があるのが否定できません。

キャセイラウンジが優れている点⑥:お手洗いのアメニティへの拘り
キャセイパシフィックラウンジのお手洗いに設置されているアメニティーはバンフォード製のハンドソープやローション。
それぞれ、250mlで最低5,000円以上はするプレミアムものです。

JALファーストクラスラウンジと比較してみましょう。

これがファーストクラスラウンジのお手洗いに見えますでしょうか(笑)。
あまり駅の公衆トイレと変わりありません。
もちろん、ピカピカに清掃されているので清潔感はありますが、キャセイパシフィックラウンジと比較するとかなりシンプルですね。
これまで、6点のJALファーストクラスラウンジより、キャセイパシフィックラウンジの方が優れているポイントを触れました。
今度は逆に、JALファーストクラスラウンジの方が優れている点をまとめます。
JALファーストクラスラウンジが優れている点①:全体的な食事のクオリティー
ビジネスクラスとしてはアラカルト料理も豊富なキャセイパシフィックラウンジは結構レベルが高いですが、それでも麺類やカレーライス、フレンチトーストなどの炭水化物系が中心です。
ビュッフェには先程説明した様なチーズやハムなどのオードブル類が揃っていますが、やはり全体的なクオリティーや種類の豊富さはJALファーストクラスラウンジには敵いません。

JALファーストクラスラウンジは板前さんが注文したら握ってくれる各種の寿司を始め、ローストビーフや魚などレストランクオリティーのメインディッシュや、手の凝ったオードブル類にデザート各種など、食事で飽きる事はありません。

JALファーストクラスラウンジが優れている点②:シャワー室がある
キャセイパシフィックラウンジはあくまで同社利用客が寛ぐ目的で作られたラウンジなので、香港まで4時間足らずのフライトの前にシャワーは必要無いという前提です。
シャワーを浴びたければ、下のJALサクララウンジにお世話になる必要があります。

まとめ
キャセイパシフィックラウンジは万人受けするラウンジ、JALファーストクラスラウンジは独特な拘りを持った癖のあるラウンジ、という印象でしょうか。
本来ファーストクラスとビジネスクラスのラウンジは別世界のはずなのですが、同等に比較できる事を考えるとやはりJALファーストクラスラウンジはまだ世界トップレベルに追いついていない状況です。
因みに、本家香港国際空港のキャセイパシフィック航空のファーストクラスラウンジは個室で風呂付きの簡易ベッドがある部屋が用意されていたりと同空港のビジネスクラスラウンジとは全く差別化がされていました。
JALファーストクラスラウンジ対象の乗客であっても、同アライアンスのビジネスクラスのラウンジは利用できるので、もしまだ羽田空港でキャセイパシフィックラウンジを利用した事が無ければここを訪問してみるのも価値があります(ハシゴできますので)。
JALの関係者さん、是非キャセイパシフィックラウンジを参考にすれば、更に素晴らしいラウンジになる事でしょう!