今朝の新聞の面白い記事が、インドの主要航空会社のビジネスクラスで乗客離れが広がっているという事。
どうやら、今までビジネスクラスの搭乗率はそこそこあったのに、最近になって、乗客率がかなり低くなってきているらしいです。その理由は:
①LCC(格安航空会社)の方が信頼性があるという逆転現象。そのため、普段主要航空会社のビジネスクラスに金を惜しむに使っていた乗客も、定刻に発着する安心感があるLCCの方がを選ぶらしいです。
確かに、インドで一番成功していると言われているインディゴは一番遅延が少ない航空会社として知られています。インディゴはLCCですね。他に、LCCはスパイスジェット、ゴーエア、そして最近ではマレーシア資本のエアアジアも参入してきました。これらの航空会社は基本的にエコノミーのみで、まぁプラスRs. 500~Rs. 1,000で前方を広くして「ビジネスクラス」と呼んでいる場合もありますが、座席はエコノミーです。
②料金が高すぎる!ビジネスクラスを提供しているのは、エアインディア、ジェットエアウェイズ、そしてヴィスタラの所謂、機内食無料、マイレージプログラムがある「フルサービスキャリアー」、略してFSCと呼ばれている航空会社です。例えば、デリーからムンバイまでの片道のビジネスクラスの運賃は一番安くてRs. 20,000を下りません。でも、エコノミーの一番安いのはRs. 3,000台からあります。この料金の差は約7倍!一番安いエコノミーでなくても、ぎりぎりに手配する際でもせいぜいRs. 7,000ぐらい、まだ3倍の差があります。
ここで、日本国内線のビジネスクラス(或はプレミアムクラス)を比べてみましょう。料金の差は、たったの8,000~9,000円、インドルピーだと、Rs. 4,500~Rs. 5,000程。更に、インド国内線との大きな違いは、日本国内線の上級クラスはアルコール類がしっかり提供される事です。シャンパンやビールはもちろんの事。インドの国内線は、法律でアルコールの提供が禁止されているので、飲み物はソフトドリンクのみです。
酒がでればまだ価値があるかもしれないが、ドライでしかもこんな料金となると。。。ってなるのは当然だと思います(酒飲みには特に)。
③広いインドでも、国内線のフライト時間は大抵長くても3時間ちょい。細長い日本と大差ありません。こんな中、そんな長くないフライト時間にわざわざちょっと広くなった座席に座ろうと思う乗客はあまり多くないそうです。
インドの国内線ビジネスクラスの搭乗率が低下しているのは良く判ります。昔、まだLCCの無い時代、インドの国内線は基本的に正規運賃しかなく、エコノミーでも料金はかなり高価でした。高すぎて、ビジネスクラスの料金が大差無かったのです。それが、LCCの台頭で航空券のデフレ現象が起こり、料金はかなり下がってきました。ビジネスクラスはLCCは提供していないので、競争が無いためあまり料金は下げず。それだったら、差がどんどん付いていくのは当たり前です。
でも一番の理由は安心感。それは、定時に発着する事。仕事で利用する乗客が多いので、快適度など二の次ですね。だから、インディゴはそこ狙って、「インドで成功した唯一の航空会社」を創りあげてきたのでしょう。
インドの国内線のビジネスクラスがどれだけ高いか。最安値の料金を比較すると、デリーとバンガロールをエアインディアやジェットエアウェイズで往復するより、デリーとバンコクを往復するタイ国際航空(同じくビジネス)の方が安いです。
インド国内線はビジネスクラスの料金を思いっきり落とすか、シンプルに無くさないとFSCの成功は厳しいでしょう。
「インド国内線のビジネスクラスがピンチ!」への2件のフィードバック
すしまるさん、はじめまして!いつも楽しく拝読させていただいてます。
ちょうど私のブログでもIndiGoの話題を記事にしたところでした。インドでもやる気を出せば?!定時運行って可能だったんですね〜(^^)
主人は短時間の移動ならIndiGoで充分、従来のLCCのイメージが覆ったと行ってました。FSC危うし、ですね。
salutciao様、コメントありがとうございます。いつも読んで頂きありがとうございます。インドはやる気だすと凄い力ですよ!恐らく、インディゴは数多い世界のLCCの中で最もしっかりとした航空会社の一つだと思います。FSCも、ジェットやヴィスタラ等頑張っている会社も多いのですがね。。。インドの空は価格競争の中、更にサービスを良くしなければならないので、大変だと思います。