エチオピア滞在5日目。
だんだんディープな世界へ変化していきます・・・
この日は、3つの少数民族の集落を訪問します。
それぞれ異なるファッションセンスがあるのが面白い。

南スーダン近くまでドライブ:ダサナッチ族を尋ねる
滞在中のブスカロッジがあるトゥルミを出発して、スーダン国境地帯まで南西へ移動。
この地域では珍しく、非常に舗装された道です。
標高は下がっていき、人口約4,000前後のとても小さな行政の街、オモラテへ。
途中、道路沿いにいくつかとても背の高い蟻塚が聳え立っていました。
蟻の力凄い!!!



オモラテの標高は約400メートル。
標高約900メートルのトゥルミとそこまで大差無いのですが、暑さが全く違います。
訪問時は雨季の4月。
トゥルミの日中は30℃ぐらいなのにオモラテは38℃近く。
地形が関係するのかもしれません。
オモラテに着くと、歩く町民の女性は上半身裸で歩いている方が多い事に衝撃でした。

エチオピアに暮らすダサナッチ族の人口は約50,000で、多くがオモラテ周辺に暮らしています。
国境を越えたケニア北部にも集落があります。
オモラテは政府系の建物もあり、そこまで秘境感はありませんが、ダサナッチ族の暮らし方はかなりワイルドでした。
オモ川沿いの砂浜地域に集落があります。
ダサナッチ族の特徴は女性が上半身トップレスである事とカラフルなビーズのネックレスを何層にも渡って装着している事です。


ダサナッチ族はオモバレーの少数民族の中で最も愛嬌のある人々だった
年中暑い(日中晴れていれば基本は35℃越え)環境にも関わらず、オモバレーの中で最もフレンドリーな民族でした。
集落は最初訪れるとちょっと難民キャンプっぽい印象がありますが、恐らくそれはそれぞれの小屋(家)にとたん屋根やビニールシートみたいなのが覆ってあるからだと思います。
実際は木材でできていて建築も立派でした。
とにかくダサナッチ族は子供が可愛かった・・・
養子に迎えたいぐらい!!












他の部族の集落と同様に、観光客の訪問は貴重な収入源になります。
基本、集落訪問は「お礼」が発生するので。
旅行代理店でツアーを手配している際には、基本的に訪問料等は含まれているので心配無いです。
僕の場合は、写真撮影代のみ集落一律自由に撮れるという条件で、大体1集落あたり日本円で250円程支払いました。
集落の民が作る民芸品も良い記念グッズです。


エチオピアの少数民族集落訪問の良いところは、実際に家の中にお邪魔する事ができる事。
他の国では外から拝見するだけ、という場合が多いですが、エチオピアでは地元住民の素の生活スタイルをそのまま体験する事ができます。
しかし、高温の地であるのに、家の中で火を炊いたりすると本当に暑い!





さて、お別れの時が凄かったです。
子供達は、観光客が来ると何かもらえる!と期待しているので、僕が車に乗る際に思いっきり囲みます(笑)。
一人一人に渡すと大変なので、とりあえず代表の大人一人にチップの様な形でお渡しして、そこから子供達のために何か買ってあげてね!とガイドを通して伝えます。



地元の生活に欠かせないオモ川。
ここで生息するワニは貴重なダサナッチ民のタンパク源でもあります。

来た道を戻って次はカロ族の集落へ:こちらも強烈!
オモバレー地域に暮らす少数民族の中で最も人口が少ないのがカロ族。
その数僅か1,500〜3,000と言われています。
こちらの部族の集落を訪れるには未舗装の道を進むので四輪駆動が必須。
とは言え、幹線道路から30分ぐらいの距離です。

到達したカロ族の集落は丘の上の高台にあり、そこから広大なサバンナ地帯とオモ川が流れてもろにナショナルジオグラフィックの世界です。



観光客が写真目的である事は各部族の民はよく理解できているので、大抵到着するとすぐに撮影のために伝統衣装の姿で現れてくれます。

カロ族の特徴は、白色のボディペイント。












楽しい・・・というよりは現状を消化しきれない
今回の旅はあくまで旅行会社の視察で今後どの様にお客様へ販売していくかという事を考える趣旨があったので、「楽しみ」というよりも「調査のため」が先に来ます。
もちろん、実際はどんな目的でさえ旅行は楽しいのですが、ここオモバレーは貴重な体験と共に、あまりにも現代世界とかけ離れ過ぎている上に過酷な環境で暮らす人々のエネルギーに圧倒されて、心がどう消化すれば良いのか理解できないままその場を去る事になります。
午前中のダサナッチ族の集落訪問で圧倒され、さらにカロ族の集落で僻地感を実感すると頭の中が少々混乱状態(笑)。
この日は3つの少数民族集落を訪問しましたが、正直1つか最高2つで精一杯だと思います!


落ち着いているハマル族の集落
幸い、3つ目の訪問は圧倒感が無く、落ち着いた雰囲気のハマル族の集落。
滞在中のロッジがあるトゥルミ周辺に暮らしている事もあり、そこまで現代社会とかけ離れていなく、車から降りて子供達にずっと囲まれているという状況でもなく、落ち着いていました。
ハマル族の特徴は髪の毛をバターと粘土で固めている事です。
まずは街中を歩いていた女性の方。


そしてこちらが集落。










本当にのんびりしています。
恐らく、他の部族と比較しても生活環境にゆとりがあるのかもしれません。
その背景には、アリ族を除く他の部族と比較すると気候が涼しい高原地帯に暮らし、比較的雨にも恵まれています。
ハマル族はオモバレーで最も人口の多い少数民族で、その数は60,000前後。






ローカルガイドの親戚の家の中にお邪魔しました。
作っているのは、コーヒー豆の殻を煎じて作った飲み物。
コーヒー豆が自体が高価なので、オモバレーの少数民族の集落では各部族でこの様なコーヒー豆の殻のみを使用している場合が多いです。
まとめ
いや〜この日はとにかく疲れました。
少数民族の集落訪問は貴重な経験ではありましたが、あまりにも現代社会とのギャップにただただ圧倒される。
子供達はどこもとても可愛かったですけどね(特にダサナッチ族)。
確実に良い思い出にはなりましたが、このオモバレー地域は駆け足で巡る場所では無い事を実感しました。