本日、僕は億万長者になりました。
資産は、50兆ドルを超えています。。。でも、ジンバブエドルです(笑)。
たまたま最近インドのE-Bayでこの札が販売しているのを発券し、面白半分に購入してみました。
ジンバブエ。
2000年代後半、アフリカ南部に位置するアフリカの穀物庫とも呼ばれていた農業豊かなジンバブエはインフレがひどくなり、ハイパーインフレーションとなって最高額100兆ジンバブエドル札が発行されるようになりました。
1997年USD 1 = ZWD 10だった通貨は2000年に対米ドルZWD 100に、2002年にZWD 1,000、そして2005年にはZWD 10,000になり、翌年はZWD 100,000とそれ以降はなんと24時間で物の物価が2倍になるというまでインフレはひどくなりました。
デノミを4回ほど実施しており、この札が発行された時点で既に3回のデノミが終わっています。
この50兆ジンバブエドルも価値が下がり、最終的に日本円で15円ぐらいの価値しかなくなりました。最高額紙幣は一つ上の100兆ジンバブエドルです。ちなみに、僕はこのお札を300ルピー(約570円)で購入しました。40倍近い値段です(笑)。
いや、笑ってはいけません。ジンバブエの人たちの多くは2000年代後半は苦しみ、財産は紙っきれとなったのですから。
この札が発行されてからすぐ、ジンバブエドルは自国民で信用が無くなり、ついに外貨が流通する様になりました。現在では一応米ドルが主流らしく、それと一緒に南アフリカランド、ユーロ、インドルピー、日本円等が受け付けられているそうです。
同時期に1兆ドル→1新ドルへデノミもされましたが、それ以降は印刷されていません。一応、現在ジンバブエドルはUSD 1 = ZWD 360(この紙幣の時だと360兆)なので、一応インフレは落ち着いている様です(そもそも貨幣が流通していないので)。
このハイパーインフレの原因は2000年代初頭に行われた白人農家への襲撃。イギリスから独立した1984年当初、南アフリカと同じでジンバブエには白人が多く住んでいました。彼らの多くは農作物を育てており、豊かな農業に適した土地を開拓したためにアフリカの穀物庫とも呼ばれるようになりました。経済も安定しており、旅行者にはとても訪れやすく、インフラもそこそこ整った国でした。
それが2000年に入ると大統領の指示の下、白人の農家や土地をを武力で没収しました。多くの白人はジンバブエを逃げましたが、取り上げられたところで農業のノウハウが無いので、産業が崩壊してしまい、経済がいっきに悪化しました。インフレに対応する度、紙幣を刷り、更にインフラが激しくなるという悪循環に見舞われました。
そもそもジンバブエの白人はジンバブエ人であり、外国人ではありません。南アと一緒でジンバブエでも当初はアパルトヘイト政策が実施されていましたが、イギリスから独立後は黒人の大統領、ロバートムガベが就任しました(今でも同じ大統領です)。
長年の人種差別による抑圧が2000年に入ってからの行動に入ったのだとは思いますが、やはり知恵やノウハウは白人側にあったので、いくら武力を行使して追放しても自虐する運命になってしまった様です。
こんな歴史の中で生まれたこの50兆ドル札。ただの0だけが多い貨幣ではありません。