先日、インドに住む元共同経営者T氏が一時帰国して1年ぶりに会いました。
彼は毎回エアインディアを利用していますが、丁度事故発生直後でもあったので話題が途切れませんでした。
僕がエアインディアに最後に乗ったのは民営化された直後の2022年で国内線だったので、直近の国際線体験談は新鮮です。
民営化されたのに機内での体験は悪化する一方!?
T氏は2021年から毎年エアインディアに乗ってデリー⇄成田間を行き来していますが、近年乗る度に機内での体験が悪化しているそうです。
問題は、何と言ってもメンテ。
①殆どの確率でシートテレビが壊れていて、エンタメが楽しめない。
②クルーを呼びたくてもリモートでしか呼べなく、そのリモートが壊れている場合が多い。
※③機内の空調が故障して、離陸するまで機内が暑い事がある(特に真夏のインド北部は45℃にもなるので辛い)。
※③はT氏の同僚の体験談です。
今回のデリー→羽田フライト間も相変わらず自分の座席のテレビは作動しなかったみたい。
なので空いていた隣の座席に移動して、そこのテレビは機能していたそうですがサウンドが壊れていたので何とか字幕付きのプログラムを探して楽しめたそうです。
エアインディア、結構ボリウッド作品が多くて英語字幕付きなのでしっかり作動していれば退屈しないのですがね・・・

昔はここまでひどくなかった
筆者は国営時代を中心に過去に50回以上エアインディアを利用してきましたが、機内メンテの影響によるマイナスな体験は特にありませんでした。
短い区間が多かったのもその要因ですが、一度デリー⇄成田を往復した時も特に不満は無く、逆にエンタメは充実して、機内食も美味しく、足元が広くてそこそこ快適に過ごせました。

機内メンテに力が入らないのは巨額の赤字を穴埋め?それとも経営陣の関与不足?
エアインディアは民営化される前、何と日本円で1兆円の赤字を抱えていました。
この負債がネックで長年だーれも買収に興味を持たなかったため、勇気を持って(!?)乗り出したタタ財閥は少しでもこの借金を返済するにはできるだけ支出を抑えなければなりません。
ここからは主観的な憶測ですが、国営時代は少なくても赤字垂れ流しでもインド国民の税金をどんどん注げば良いので、コストカットする必要も無ければ、ある程度のメンテはしっかりできていた可能性があります。
民営化になった以上はまずは黒字化であり、経費削減で穴埋めしていると推測してもおかしく無いです。
もう一つ、根本的な課題は相変わらずブランドイメージが一向に改善しない事。
民営化された2022年当時は大きな期待がありましたが、あれから3年経過しても状況が進歩した所か、老朽化する機材を放置している状態。
もしかしたら、資本はタタ財閥になったものの、基本的な方針にあまり力を入れていなく、経営陣が直接関わっていないのかも?という可能性も考えられます。
乗務員の質は良くなっている(はず!)
機材の問題は話題が絶えませんが、多くのエアインディア利用者が口を揃えて言うのが乗務員の対応が大分改善された事。
タタ財閥ではタージホテルズの様な大手のラグジュアリーホテルチェーンを展開してあり、サービス業はもともと評価が高いです。
筆者も実際2022年に民営化後初めてエアインディアに乗った時に感じた一番の改善は、以前の様な態度がデカいクルーが多い国営時代の雰囲気が一掃され、腰が低い、丁寧な対応に変化した事でありました。
日本便の機内食変化
この記事はあくまで第三者による体験を語っているので結論は言えませんが、少なくても東京→デリー便の今と昔で機内食に違いが確認できるのは確かです。
T氏の撮影した2025年7月の機内食。
まずは、1回目のランチから。

そしてこちらが2017年10月の同フライト昼食。

2025年は和食(鶏肉の照り焼き)で2017年はインド料理(チキンカレー)なので若干対象が異なっていますが、前菜、メイン、パン、デザートと内容の種類は変わっていません(インド料理はヨーグルトが別途付きます)。
2回目の食事(軽食)は大きな変化が確認できます。

ジャガイモが入ったトルティーヤです。
味は悪くなかったそうです。
あとはパッケージされたチョコレートケーキ。
2017年の軽食はもっと豪勢でした。

サンドイッチは普通ですが、何とケーキ屋さんクオリティーのフルーツタルトをエコノミークラスで用意していました!
このレベルはビジネスクラス並み!


まとめ
てっきり民営化されてから全てが改善されたと思ったエアインディア。実は機内の老朽化に関してはあまり力を入れていない事が毎年同社を利用して一時帰国している元共同経営者の話によって明確になりました。せっかく国営時代の傷ついたブランドイメージを解消する機会だったのに、解消どころか悪化している部分があるのは否定できない様です。
良くなって行くかなぁ🤔