いや〜面白い発見がありました。
今までJALとANAの両社を乗りこなしてきて、ぶっちゃけ国内線なんて距離短いし、そんなに違いなんてないでしょーなんて思ってきましたが、いざあらゆる分野で比較すると結構な差があるのです。
今回はどちらも2025年12月時点の最新鋭機材で比較します。
| JAL | ANA | |
| 機材 | エアバスA350-900 | ボーイング787-10 |
| 導入年 | 2019 | 2024 |


比較対象の区間は以下の通り:
| JAL | ANA | |
| 区間 | 羽田→那覇 | 那覇→羽田 |
| 搭乗月 | 2025年12月 | 2025年12月 |
結論から言うと、JALの方があらゆる分野でレベルが高かったです。
7つの項目に分けて詳しくみてみましょう。
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①座席の広さ ②座席の設備 ③座席の座り心地 ④エンターテインメント ⑤Wi-Fi ⑥飲食サービス ⑦化粧室 |
①座席の広さ:JAL優位
これはあくまで比較対象がJALのエアバスA350機材の話です。
JALでも国内線ではボーイング787機材が活躍しているので、この場合は話が変わってきます。
<座席幅はJALの方が広い>
筆者は今回メジャーテープを持ち込んで両社の座席の幅をしっかり測ってきました(笑)。
その結果、JALの方が2cm程広かったです。
それもそうで、A350の方が、787よりも横幅が広いので同じ3−3−3配列であれば前者の方が座席もゆったりします。


| JALA350-900座席幅 | ANA787-10座席幅 |
| 49cm | 47cm |
<シートピッチはどちらも同じ印象>
公式ホームページではJALが31インチ(約79センチ)となっていますが、ANAは公表していません。
シートピッチは座席幅の様にメジャーで座席の前後を測るのは難しいので、こればかりは個人の判断ですがどちらも大差は無い印象です。
両社とも国内線仕様機材とは思えない程ゆったりとしていて、31インチは欧米系航空会社の長距離路線の標準シートピッチです。


シート幅がJALの方が若干広いので、座席の広さはJALに軍杯が上がります。
②座席の設備:JAL優位
まずは共通点から。
JAL、ANA両社とも、USB-A電源とPC電源が各席に設置されています。
シートポケットはどちらも小物入れが外側に付いています。
JALのみ、2つ追加で便利な設備があります。
<可動式ヘッドレスト>
JALの可動式ヘッドレストは上下と左右の両方に調整が可能です。


ANAは頭をサポートしてくれるものが一切無いので、寝る時に電車内の様に頭が隣人の肩へ落ちそうです(笑)。

<カップホルダー>
もう一つJALのみに設置されている設備はカップホルダー。
ANAは一度テーブルを広げなければならいのが若干不便かもしれません。


個人用画面についてはエンターテインメントの項目で評価します。
ヘッドレストの有無は結構快適性に影響するのでJALの方が座席の設備が良いと言えるでしょう。
③座席の座り心地:ANA優位
座席のクッションに関しては、ANAが快適でした。
理由はファブリック(布)だからです。
JALは革製もしくは合皮でちょっとLCC感があり、尻の部分がキュッキュします。
背もたれの部分はファブリックを使用しているのですけどね。


④エンターテインメント:JAL優位
どちらも短い国内線でこれだけチャンネル必要ある?と思う程映画やショートプログラムが充実しています。
評価するならどちらも5つ星ですが、細かいところをもっと掘り下げていきましょう。
<ANAの画面サイズはデカい!>
ANA787-10の普通席では画面サイズは13.3インチもあります。
対するJALA350-900は10インチ。
その違いは明らかで、映画を楽しむのであればやはり大きい画面の方が迫力はあります。


| JALA350個人用画面サイズ | ANA787-10個人用画面サイズ |
| 10インチ | 13.3インチ |
<ANAの飛行マップはインタラクティブ>
ANAのフライトマップは、飛行マップを開いた時、指で画面タッチすると様々な角度にアングルを変えたり、拡大したり縮小したりと楽しめます。
JALでは決まった表示なので、例えば今どこを飛んでいるのかもっと細かく見るには、その画面が現れるまで待つ必要があります。


<JALは機体上方の機外カメラがある>
どちらも2種類の機外カメラが設置されていますが、JALは機体上方から全景を楽しめるのはポイントが高いです。
ANAは機体下方になるので。
両社とも機体前方カメラがあるのは共通しています。


<イヤフォンの品質はJALの方が良い>
両社とも一見同じものに見えるイヤフォン。
実際耳に当てはめると、違いの差が明確でした。
JALはステレオサウンドっぽくしっかり耳の中でバランス良く音が響き、市販のイヤフォンと遜色無かったです。
ANAのイヤフォンは如何にも安っぽい音で付け心地が悪く、粗悪品という印象でした。


<初体験:JALは重要では無い機内アナウンス中でも画面が中断されない!>
人生で初めて、機内アナウンスの最中でも画面が中断されずにそのまま映画観賞ができたのは今回のJAL便でした!
離陸や着陸時では中断されましたが、それ以外の細かい案内があってもそのままプログラムを楽しめるのはとても嬉しいです。
特に国内線は短いフライトが多いので、映画になるとできるだけ中断されない方が助かります。
ANAの場合は、他社同様にどんなアナウンスでも中断されますが、それ以外にも宣伝が多いのが少し気になりました。
どのチャンネルも最初はそこそこ長い動画広告が流れます。
スムーズに個人用画面を楽しめるのは確実にJALですね!
<初体験:JALでは終わりきれなかったプログラムを次回のフライトで見れる様にコードが発行される!>
もう一つ、今回のフライトで初体験したものがありました。
それが「レジュームコード」の発行。
途中で観賞中のプログラムを中断して次回別のフライトで途中から続きを観たい場合、このコードを入力すればいちいち途中まで早送りしなくても済む!
もし往復でフライトを手配していたらこれはとても便利ですね!
ここまでの配慮必要ある!?と思うぐらいのサービスでした(笑)。

<JALは機内雑誌が各席に配布;ANAはリクエストベース>
JALは全席のシートポケットに機内雑誌が既に配布されています。
ANAはリクエストベースになります。
まぁ、皆が機内雑誌を読む訳では無いし、読みたい人はクルーに一言お声がけするだけで良いので、こちらの方が環境には優しいかもしれません。


エンターテインメントの項目は少々長くなってしまいました。
ANAの大きい画面は結構魅力なのですが、イヤフォンの品質が悪かったり、広告が多かったりとちょっとマイナスな部分も目立ちました。
その反面、JALにはイヤフォンの品質から機内アナウンス中でも中断しない様な細かい配慮が工夫され、機内雑誌も各席に設置されていると何と無く読みたくなったりするのですよね・・・
なので、JALの方に優位を付けたいと思います。
⑤Wi-Fi:引き分け
両社ともパナソニック・アビオニックスが開発する衛星を利用しているので、基本的に速度に大差は無い・・・はずです。
<JALは速かったり遅かったり、ANAは安定して遅い>
が、JAL便ではとてもばらつきがあり、ANA便ではずっと遅かったですが比較的安定していました。
まずはJALの羽田→那覇便。
離陸直後はとても速度が速く、4G電波とあまり差が無かったですが、次第に遅くなっていきました。
那覇到着前は、0.32Mbpsまで下がりました。



ANAは遅かったですが、少なくても速度は安定していました。



<ANAはWi-Fiの接続が簡単>
JALはシートポケットに詳しいWi-Fi接続方法の案内板がありましたが、ANAは無いのかな?と思っていたら、エチケット袋に接続方法の記載がありました。
これはエコで良い!
しかも手続きもANAの方がシンプルです。
エチケット袋のQRコード読み上げるだけでスムーズに接続できますが、JALの場合はポータルサイトをマニュアルで入力しなければならないので少々面倒臭いです。

ANAの方がユーザーフレンドリーですが、速度自体どちらも似たり寄ったりなのでWi-Fiは引き分けとします。
⑥飲食サービス:JAL優位
国内線の普通席での飲食はドリンクサービスのみです。
まずはメニューを比較してみましょう。



両社ともほぼ同じメニューです。
ただし、JALだけ、追加でオリジナルドリンクを提供します。
<JALはオリジナルドリンクを提供する>
JALとANAは両社ともオリジナルドリンクを生産しています。
JALは「スカイタイム」、そしてANAは「香るかぼす」。
これらオリジナルドリンクはANAではプレミアムクラスでしか提供しませんが、JALでは普通席を含めた全クラスで指定する事ができます。
果汁100%ジュースでは無いのだけど、「オリジナルドリンク」という希少性に価値があると思うのでこれは結構ポイントが高いです。

<JALではドリンク指定時にメニューカードで確認できる;ANAは無し>
JALでドリンクを注文の際、クルーはメニューカードを見せてくれます。
これならどんなドリンクがあるか一目瞭然なので選択しやすいです。
ANAでは機内放送でメニューがアナウンスされますが、7種類もあるので覚えられません(笑)。
注文時はJALの様なメニューカードは無いので、シートポケットに予め用意されたりすると有り難いですね。

<JALは頻繁にドリンクサービスを実施していた>
ANAではドリンクサービスは1回のみですが、JALではその後もクルーがスカイタイムやジュースの紙パックを持ってきて頻繁に回ってきました。
これはかなりポイントが高いです。

<ANAでは着陸前に飴玉は配られる>
JALには無く、ANAにはあるサービスは飴玉が配布される事です。

ぶっちゃけそこまで感動は無いです(笑)。
JALはオリジナルドリンクの提供+1回で終わらず頻繁に機内にドリンクを持って巡回する姿勢には脱帽です。
⑦化粧室:JAL優位
JALの方が力を入れています。
<JALの化粧室は雰囲気が良い>
JALの化粧室は普通席としてはとても落ち着いた雰囲気で、JAL国際線最新鋭のA350-1000ビジネスクラスの化粧室と同じ内装でした。
エアバスA350定番のデザインですがボーイング787と比較するとゆったりしています。

ANAはジェネリックなボーイング社の化粧室という感じです。

<普通席なのにJALは国際線ビジネスクラスの化粧室にあるブランド品のハンドソープが常備!!>
な、な、なんと!
これは驚きました。
国内線の普通席で、なんとJALは国際線ビジネスクラスの化粧室にある、同じミラーハリス製のハンドソープが常備されているのです!
現在の市場価格で、300mlあたり4,620円もする高級品!

ミラーハリスのホームページでの紹介はこちら。

JALさんいいのですか、ここまで気前が良くて(笑)。
ANAはオリジナルハンドソープですが、こちらも悪くは無いです。

<ANAでは足ペダル式のゴミ箱が衛生的>
コロナ禍で流行り始めた、ペダル式でゴミ箱を開け閉めするスタイル。
ペーパータオルを捨てる時、手で押す必要が無いのは結構便利です。

比較してしまうと、どうしても国際線ビジネスクラスと同じアメニティーが国内線普通席でも提供されている事実は判断材料に大きく影響しますね・・・なのでJALの方が優位です。
まとめ
| 項目 | 勝者 |
| ①座席の広さ | JAL |
| ②座席の設備 | JAL |
| ③座席の座り心地 | ANA |
| ④エンターテインメント | JAL |
| ⑤Wi-Fi | 引き分け |
| ⑥飲食サービス | JAL |
| ⑦化粧室 | JAL |
座席の座り心地と引き分けのWi-Fiを除いては、全てJALが優位になりました。
国内線の様な短い距離であればANAでも十分なサービスですが、JALはさらにもう一歩手厚くしているという印象です。
国内線仕様機材なのに他社の国際線エコノミーと同じ基準のシートピッチを提供して、エンタメをしっかり設けている上にWi-Fiを無料にしている航空会社って聞いた事ないのでどちらもかなり優秀です。
価格も事前に手配すればかなり安くなりますし、コスパはどちらも高いのでは無いかな?
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結論 ANAは無駄を省いている;悪く言えばコストカットが明確 JALは丁寧で古き良き手厚いサービスが残る |






