3月中旬、ノルウェー南部に住む中学生時代の友人を現地3泊4日で訪ねました。
旅行シーズンからは全く外れ、冬の終盤である中途半端な季節。今回の旅の目的はキャセイパシフィック航空のファーストクラスに乗る事で、この時期にしか特典航空券枠がありませんでした。
現地を出発する最終日以外は典型的な曇り空か雨で、生憎天候にはあまり恵まれませんでした。
ノルウェーの緑美しい夏の晴れた時期に旅行した写真は2017年に訪れたベルゲン周辺のフィヨルド地帯滞在記を確認される事をお勧めします。
今回の訪問エリアはこちら。
友人はBryne(ブリーネ)という街に住んでいるのでここを拠点に海岸沿いの寒いノルウェーで唯一の農業地帯と、東の山岳地帯を周遊しました。
<1日目:スーパマーケット訪問と家で夕食>
ノルウェーの外食は非常に高価で地元の人々でも特別な記念日や集まりで無い限り、レストランへ行く事は無いとの事。
その代わり、スーパーマーケットの食料品はそこまで高額では無いので、基本普段は自炊が一般的な様です。
初日はスーパーで具材を揃え、友人がノルウェーの伝統料理であるミートボールを作ってくれました。
参考までに、バジルが鉢ごと販売されて日本円で約240円、トマトが5個(400g)で600円、とうもろこしが2本パックで280円と日本とあまり変わりません(NOK 1 = JPY 12.7で計算)
酒は高い!いくらスーパーで安く購入できても、一本最低350円ぐらいはします。しかも、法律で平日は20:00以上は販売ができないというルールが。土曜日はもっと短縮されます(そして日曜日は全てのスーパーが閉まります!)。
ミートボール、ベリージャム、サワークリーム、茹でた芋とに人参。久しぶりに食べる本格的な牛肉(インドから来たので)は感動ものです。
<2日目:北海の海岸沿いをドライブ>
朝食は地元特産のハム、チーズ、昨晩の残り物である茹でたじゃがいもを。ヨーロッパのハムは美味しいですね。
そして出発。
イェーレン(Jaeren)と呼ばれる、農業地帯を海岸沿いに走ります。
Varhaug Old Cemetery
まずはビーチ沿いに広がるVarhaugの旧墓地。中世の時代から存在するそうです。十字架が無造作に並び、小さなチャペルが建っています。
チャペルのサイズはたったの15平米。内部には14個の椅子が並べられています。時々、結婚式が挙げられるそう。元々13世紀からここに教会が建っていた様ですが、1951年に今の形になったとか。
暫く走ると、ゴツゴツした岩山が現れ、次第に険しいノルウェーらしい景色が広がり始めます。
ノルウェーのグミは病みつきになる!
ドライブ中、グミを口によくします。このグミが美味い!日本のものと比べるとかなり硬いのもありますが、定番のフルーツ味を初めとする酸っぱいもの、独特なハーブ、甘草(Liquorice)の味がするもの、マシュマロ、ソーダ味など、幅広い!
典型的なノルウェーの古民家を訪問
友人の母方の実家(現在は空き家でサマーハウスとして使用)を訪ねました。Hellvikという、小さな街。なんと築100年以上だとか。母方の先祖代々が暮らしてきているので、1940年台の日記とか、とにかく古いものが飾られてあったり、とても味がありました。
家の作りとしてはまず入ってリビングルームがあります。
奥にダイニングエリア。
更に、奥へ行くとキッチンがあり、2階へ上がると屋根の下に4つの小さなベッドルームがあります。一部屋4畳半ぐらい。屋根が斜めになっているので、結構狭く感じます。写真には収めてませんが、1960年台からそのままのもあり、時間を感じさせられた。
ノルウェーでは幼児の時から一人一部屋の専用の部屋が用意されています。
トイレは、玄関脇にある一つのみ。2階で寝ている時、下へ降りてからぐるっとダイニングとリビングを抜けるので、とても不便そう。友人に聞くと、
「これでも、本来は庭にトイレがあったから玄関にあるだけでも大分マシ」
と言っていました。
この家で感じさせられたのは、ノルウェーの生活スタイルは伝統的に質素だけど最低限快適である事。北海沖に油田が発見されてからノルウェーはヨーロッパを始め世界で最も裕福な国になり、豊富な財源を確保しているけどそれと同時に国民は倹約傾向でもある。いつかは尽きる事を知っているから。
ノルウェー年金基金は世界第2位の規模(2022年時点)
だから、ノルウェーでは石油収入の殆どは世界中の株式や債権へ流して資産運用へ回し、年金として将来国民に還元させられる。もう既に、その規模は、世界第1位の規模を誇る日本のGPIFにとても近いが、ノルウェーの人口は日本の23分の1なので、どれだけの富をこの資産運用で築き上げたかよく理解できる。
風情ある港村ソンダルストランド(Sogndalstrand)
北海沿いに位置する人口300人弱の小さな村が、このエリアの観光地にもなっています。ただ、訪問時はオフシーズンなので観光客は全く見かける事ありませんでした。
1600年台から村として形成され始めたそう。
ピアノがあるホテルのトイレ
Sogndalstrandではホテルでランチをしたのですが、ここのトイレが面白かった!なんと便器の横に本物のピアノが!用を足しながら演奏ができるとは、とても落ち着いていられそうです(かな?)
次は今回の旅のハイライトでもある、フィヨルド地帯の断崖絶壁の間に建てられた古い民家を紹介します。
その2へ続く。