シンガポール航空は日系航空会社より優れているのか

ここ数十年、安定して最も一般的に評価の高い航空会社がシンガポール航空でしょう。

日本を含める世界の様々なベストエアラインランキングで常に上位にランクインしている場合が多いです。

近年は日系のJAL及びANAもかなり世界的に認知度が上がってきてこちらも世界のトップエアラインとして評判が良くなってきています。

結論から言うと、個人的な見解からシンガポール航空の方が全体的にレベルは上だな!と思う点がいくつかあるので、長所と短所を触れながら解説します。

シンガポール航空の長所①:サービスのスピード感

シンガポール航空のクルーはテキパキしています。

エコノミークラスから含めて全クラス、離陸後すぐにサービスが開始されます。

日系航空会社は大分最近は改善されていますが、どこか「丁寧」を強調するせいなのか(?)、機内食のサービスは比較的遅いと思った体験を何度かしています。

例えば、離陸後ベルト着用サインがすぐに消灯しているのにも関わらず、最初のドリンクサービスまで1時間かかる場合もあり、更に機内食の前菜が提供されるまで2時間という事がありました(ビジネスクラスです!)。

シンガポール航空では、今まで一度も「おっそいなー」と感じた事がありません。

例えばニューヨークからシンガポールへプレエコに乗った際には、なんと離陸後34分で機内食が提供されました!

離陸後34分で提供された夜食
離陸後34分で提供された夜食

シンガポール航空の長所②:エンターテインメントが充実(多文化・言語に対応)

日系航空会社ではANAよりもJALの方が比較的アジア各国の映画を取り入れていますが、全体的にそこまでチャンネル数や映画の種類は豊富でありません。

対するシンガポール航空はエンタメのチャンネル数が半端ありません。

ホリウッドだけでなく、ヨーロッパ各国、中東、インド各地、アジアン、シンガポーリアン、日本のプログラムがずらりと揃い、とにかく何を観ようかと決めるだけでも結構迷います。

日本映画の数もとても充実しています。

日系航空会社は以前は日本人の乗客がメインだったので一般的な日本人対応中心で良かったかもしれませんが、現在は羽田・成田で乗り継ぎをする世界各国の乗客が増えているので(特にアジア⇄北米間利用客)、国際的なニーズは今後ますます増えていくかもしれません。

シンガポール航空のテレビ画面
シンガポール航空のテレビ画面

シンガポール航空の長所③:エコノミークラスでもアメニティーキットをリクエストできる

シンガポール航空ではフライト時間が7時間以上の場合、リクエストに応じてエコノミークラスでも歯ブラシセットと靴下が入ったアメニティーキットが提供されます。

更に、アイマスク、耳栓は近距離路線であっても、用意されています。

JALは長距離路線のみにアイマスクと耳栓が用意され、ANAは一切提供されません。

歯ブラシセットぐらいは、あっても良いのではないかなぁ、と思います。

シンガポール航空エコノミークラスのアメニティーキット
シンガポール航空エコノミークラスのアメニティーキット

シンガポール航空の長所④:エコノミーの上級会員利用者とビジネス・ファーストクラス利用者への対応を分けている

これ、ビジネスクラス以上に乗る人にはとても重要なポイントです。

エコノミークラス利用でも対象となるJGCとSFCのお陰で日系航空会社のラウンジは時間帯によっては混雑が酷くなり、優先チェックインや搭乗も並ぶ場合があるしせっかくビジネスクラスやファーストクラスに乗る際でもあまり特別感がありません。

シンガポール航空は、スターアライアンスゴールド会員であっても、ビジネスクラスのチェックイン、ラウンジ(シンガポール本家の場合)、搭乗レーンを利用する事ができません※

エコノミークラス利用のスタアラゴールド会員は、プレミアムエコノミークラスのチェックインカウンターと搭乗レーンに並ばせられ、シンガポールのチャンギ空港では会員専用のラウンジが用意されています。

(※ただし、プレエコ設定の無いフライトではビジネスクラスのレーンやラウンジ利用が許される場合があります。)

この様にシンガポール航空ではビジネスクラス以上の乗客は、より付加価値を体感しやすくなっています。

スタアラゴールド会員はプレエコレーンに並ぶ
スタアラゴールド会員はプレエコレーンに並ぶ
ビジネスクラスの優先搭乗レーンにスタアラゴールド表記は無し
ビジネスクラスの優先搭乗レーンにスタアラゴールド表記は無し

本家チャンギ空港のビジネスクラス専用のシルバークリスラウンジは、スタアラゴールド会員用のクリスフライヤーゴールドラウンジと比較すると食事・ドリンクオプションや、シャワー室等の提供内容が充実しています。

広々としているチャンギ空港のビジネスクラス専用シルバークリスラウンジ
広々としているチャンギ空港のビジネスクラス専用シルバークリスラウンジ
スタアラゴールド会員専用クリスフライヤー・ゴールドラウンジ
スタアラゴールド会員専用クリスフライヤー・ゴールドラウンジ

シンガポール航空の長所⑤:ファーストクラスラウンジは自社利用客専用

上記の④に付随しますが、チャンギ空港のシンガポール航空ファーストクラス利用客は専用のザ・プライベート・ルームが利用でき、これは同じスタアラ系列のファーストクラス利用時でも入室する事はできない特別な空間です。

もちろん、上級会員なんて論外。

ここの特徴はアラカルトダイニング。

ちょっと良さげなレストラン並みの食事を楽しむ事ができます。

羽田や成田にあるJAL/ANAファーストクラスラウンジでは、ビジネスクラスラウンジと比較すると食事のオプションは豊富ですが、正直ファミレスレベルと言っても過言では無いです(JALラウンジで提供される寿司はしっかりしたネタではありますが)。

そもそも日系ファーストクラスラウンジは実際のファーストクラス客よりも最上級会員の利用者の方がはるかに多いので、シンガポール航空の様に「限られた乗客だけに」のサービスが厳しいのかもしれません。

ザ・プライベートルームのアラカルトダイニング
ザ・プライベートルームのアラカルトダイニング

シンガポール航空の長所⑥:深夜便機内食に関して個々への配慮

以前にこれに関しての記事を投稿しましたが、シンガポール航空の日本⇄シンガポール夜行便ビジネスクラスでは、食事のタイミングを離陸直後か、到着前か指定する事ができます。

しかも、メニューもメインディッシュが4種類も用意され、夜食としても、朝食としても合いそうなメニューをそれぞれ提供。

対するANAやJALの同路線深夜便は、着陸2時間半も前に朝食として提供される様に統一されているので、臨機応変の対応はできません。

飛行時間6時間前後のシンガポール路線でこれほど前に朝食時間が設定されると、貴重な睡眠時間がかなり削られてしまいます。

機内でゆっくり寝たいけど食事も楽しみたい場合は、シンガポール航空では離陸後さっさと終わらせて着陸直前まで寝られるというメリットがあります。

この様に、様々なニーズに対応できるのがシンガポール航空の強みでしょう。

シンガポール航空ビジネスクラスの夜食
シンガポール航空ビジネスクラスの夜食

シンガポール航空の長所⑦:プレエコ以上は機内食のメインを豊富なメニューから選択できる

全路線ではありませんが、多くの出発地点(成田・羽田を含む)からプレエコ以上のクラスに搭乗する際には、豊富な世界各地の料理メニューからメインディッシュを事前に選択する事ができます。

提供路線とメニューはこちら

洋食、ヘルシー食、シンガポール料理、和食、ハンバーガー、インドカレーなどオプションが幅広いので、食事の楽しみがあります。

日系では、ビジネスクラス以上だと事前に既存のフライトメニューから和食か洋食(ビーフ)を選択する事はできますが、それ以上のオプションはメニューが分からない特別食(ビーガンやアジアンベジタリアンなど)を指定するしかありません。

事前指定したビーフのプレエコ機内食
事前指定したビーフのプレエコ機内食

シンガポール航空の長所⑧:必ず機長からの挨拶がある

日系航空会社の弱いのはコレ。

基本、信頼できる航空会社では、どのフライトも必ず機長もしくは操縦室から挨拶があります。

残念ながら、JALとANAでは全フライトでアナウンスがある訳で無く、特にJALに至っては今まで乗った半分近くの国際線では一度も操縦室から挨拶がありませんでした。

これは非常に失礼だと思います。

乗客の命はパイロットに預けているので、その本人から一言もアナウンスが無いと言うのは安心感に欠けます。

今まで乗った航空会社で機長のアナウンスの無かった航空会社は、エアインディア、エジプト航空や、サウディア航空等、そこまで信頼性が築けていないエアラインに多いです。

JALやANAがこの仲間入りになっているのは残念です。

詳しい事は、以前の記事に体験談を記載しています。

さて、これまでシンガポール航空の優れた点ばかりを挙げてきましたが、日系ならではの強みもあります。

日系航空会社の長所①:エコノミークラスのシートピッチが広い

JAL、ANA共に長距離路線仕様機材のシートピッチは世界最大級レベルです。

共に33インチ・34インチを誇り、足元はゆったりとして快適です。

更に、JALのボーイング787や777は標準よりも横の列が1席少ないので、幅も広くて他社のプレエコレベルに感じられる事も。

世界的な動きとしてはどんどんエコノミークラスに座席を詰める傾向があるので、まだ乗客目線で快適を重視してくれている事はありがたいです。

例えば、ANA(34インチ)と、シンガポール航空(31インチ)のシートピッチを比較してみましょう。

どちらが快適かは一目瞭然だと思います。

ANA34インチのシートピッチ
ANA34インチのシートピッチ
シンガポール航空31インチのシートピッチ
シンガポール航空31インチのシートピッチ

まとめ

ざっと思いつく点で、シンガポール航空8勝、日系航空会社1勝で、前者の優位な項目が多いと確認する事ができました。JALやANAは世界的にはかなりレベルの高い航空会社だと思いますが、様々な細かい配慮ではシンガポール航空の方が圧倒的に上だと思わせられるポイントが沢山あると実感させられます。読者の皆様は如何思いますか?

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