概要
ラウンジ総合評価:90点
感想:面積が広く、混雑状況が以前より大幅に改善された上に、様々なコンセプトに分かれた部屋があり退屈しない。食事の質が高く、とても満足。ただし、ファーストクラスラウンジとは思えない座席の密集感は依然変わらない。
<利用詳細>
空港都市:東京(TYO)
空港名:羽田(HND)
ターミナル・コンコース:第3ターミナル
ラウンジ名:JALファーストクラスラウンジ
ラウンジ利用月:2025年9月
ラウンジ利用時間:06:15〜09:00頃
ラウンジ利用時の混雑状況:部屋によって分かれるがメインのJAL’s Tableは比較的混雑しやすい
<利用資格対象者>
*ワンワールド出発便のファーストクラス利用者
*ワンワールド出発便利用でワンワールドエメラルド会員
<ラウンジ営業時間>
2025年10月時点:
05:30~最終便出発まで
ただし以下は時間限定
鮨 鶴亭:07:00~11:00
JAL’s SALON:07:00~11:00/15:00~23:00
<ラウンジの位置>
112番ゲート付近からエスカレーターもしくはエレベーターで4階へ上がるとレセプションが位置します。

訪問記
・入口付近で混乱している方が数組いた
中央保安検査場を過ぎてから一番手前に位置するJALラウンジのためか、ビジネスクラス用のラウンジだと勘違いして向かう外国人が数組いて、レセプションで引き返される光景を見かけました。
ビジネスクラス用のJALサクララウンジは更に奥に進む位置にあるため、3階のエスカレーター付近でもっと大々的に「JALサクララウンジは先」という表示があっても良いかもしれません(小さく案内板はありましたが、しっかり読んでない人多いと思う)。
・レセプションから見て大まかに左右2つのエリアと4つの部屋に分かれる
JALファーストクラスラウンジはかなり広いです。
まず、レセプションで受付を済ませてから、左右に両サイド進む事ができます。
メインのダイニングエリアである①「JAL’s Table」が右側に位置しているため、殆どの利用者がこちらへ進みます。
また、右側が唯一時間限定では無い、早朝から最終便出発まで営業しているエリアでもあります。
右側の最奥は重厚感ある落ち着いたJAL関連のビンテージグッズ展示室の様な②「RED SUITE」が設置。
レセプションから左側のエリアは、時間限定で午前中のみ営業している③「鮨 鶴亭」と、5階にある午前と午後に分かれるバー兼ラウンジエリアの④「JAL’s SALON」があります。


それぞれ詳しく見てみましょう。
①中核エリアである「JAL’s Table」
エントランスから右へ進むと、すぐにロッカーと喫煙室、およびフォンブースがあり、先に両脇に桜と鶴の屏風が現れます。



ラウンジには06:15頃に入室しましたが、既に結構多くの利用者が居ました。
JAL初便であるヘルシンキ行きが07:50発で大型機777による運航である事が影響しているかもしれません。
・「JAL’s Table」の初印象:スッキリした空間で良い雰囲気を演出しているが、座席の密集感はある
開放感がある空間で日差しがたっぷり入り、和風のモダンミニマリズムが表れている様です。
プラントの存在が雰囲気を和ませてくれます。
ただし、座席の密集感はあり、この部分はビジネスクラス用のJALサクララウンジとあまり変わりません。
特に奥の窓際席はドトール並みに間隔が狭く、隣に人が座った時は近いなぁー、と思ってしまいました。






7時頃になると、混雑ぶりが目立つ様になりました。

・「JAL’s Table」がラウンジ内で一番食事メニューが一番充実している
ラウンジ内の食事に関しては「JAL’s Table」と「鮨 鶴亭」でテーブルオーダーが可能ですが、前者の方が全てのメニューが揃っています。
後者では、デザートのオプションを始め、若干種類が限られていました。
「JAL’s Table」のメニューは以下の通り。
スマホでテーブル上のQRコードを読み取り、注文するスタイルです。
因みに、メニューはJAL公式ホームページから確認する事もできますが、内容が微妙に異なりました。
・メニューはとても豊富
前菜、メイン、朝食、デザート、ビーガン、ハラールととにかくオプションが沢山あり、できるだけ試したかったですがこの選択肢の数だといっきに全部は無理(笑)。



















テーブルオーダー以外にも、味噌汁や乾き物、パン、オードブル各種はビュッフェからセルフサービスが可能です。

乾き物:ミックスナッツ、大豆チップスバーベキュー味、紅茶のクッキー、スノーボールクッキー

パン:紅茶マフィンとパンプキンデニッシュ

ピンチョス3種:サザエと海苔の煮凝、紅茶鴨スモークとクリームチーズ、鶏肉のインボルティーニ
・ドリンクは定番が並ぶ
次にドリンクを見てみましょう。
アルコール類は蒸留酒やワイン、日本酒(純米大吟醸)が揃います。
ユニークだな、思ったのは沖縄の黒糖から作られたKokuto de Lequio。
こちらを使用したカクテルを後程「JAL’s SALON」で試してみます。








・お願い:オレンジジュースはディスペンサーでは無くピッチャーで用意して!
ドリンクで唯一残念だったのは、オレンジジュースがピッチャーで用意されていなく、ディスペンサーからのみしか注ぐ事ができない。
上記の写真の様に、トマトジュースやアップルジュースはピッチャーで冷やされているのに!?
何故かというと、朝はシャンパンとオレンジジュースを混ぜたミモザが飲みたくなります。
一般的にはシャンパングラスで飲まれるもので、シャンパンを注いだ後にオレンジジュースを足そうとディスペンサーに設置したくても細長くてマシンに設置できない!
何と無くディスペンサーから注ぐのも安っぽい印象だしね(凄い贅沢な悩みだけど)。
本当に細かい点で申し訳ないですが、せっかくのファーストクラスラウンジなのでこれぐらいは期待しても良いかと思います。


・フードポルノ攻撃だー:量は少ないが、見栄えも良く味も美味しい!
「JAL’s Table」のハイライトである今回頂いた全てのメニューを紹介します。


ピンチョスはどれも芸術作品の様に盛り付けされていて、新鮮で美味しかったです。

ナイフとフォークの大きさから、どれだけこじんまりしているかお分かりでしょうか(笑)。
でも、量が少ない方が色々なメニューが試せるのでありがたいです。
若干堅かったですが、大好きな赤身がしっかり頂けるのは嬉しかった。

カジキのソテーは焼き加減がパーフェクトで味付けもリッチ。
盛り付けが美しい。

カレー風味がしっかりあるスープでしたが、特に感動はありませんでした。

チーズケーキはチーズの濃厚さが目立ち、美味しく頂きました。

フルーツは柑橘類が丁寧に皮剥きされています。
食事については満足です🎵
・「JAL’s Table」に隣接するこじんまりしたラウンジエリア
レセプションに一番近い、「JAL’s Table」手前にあるラウンジエリアはゆったりとしたソファーが並びます。
ただし、窓際のカウンターは相変わらずぎっしり詰められた座席が(笑)。



JALファーストクラスラウンジ全体で唯一のプライベートなソファーが並ぶ小さな仕切られた部屋があります。
たった8席しか用意されていないので、結構混雑時は埋まりやすいかも。

「JAL’s Table」についての詳細は以上です。
②コレクターの隠れ家の様な「RED SUITE」
「JAL’s Table」から更に奥へ進むと重厚感がある部屋が現れます。
ここが「RED SUITE」です。
JAL公式ホームページには、この「RED SUITE」を
選ばれし大人たちの遊び心溢れる隠れ家
と紹介されています。
部屋の中はギャラリールーム、ライブラリールーム、プレイルーム、バールームの4つに分かれています。
特にライブラリールームにはファーストクラスラウンジらしく、座席間隔があるゆったりとしたソファーが設置されています。
・「RED SUITE」の初印象:ギラギラした展示室みたいでちょっと落ち着かない!?
最初入室した時はワーオ!と叫びたくなりましたが、少し居るだけで個人的には飽きそうだな、と感じる様になりました。
自分もいい年しているのでこんな事言う筋合いが無いのですが、「バブル世代を経験した叔父様が好きそうな空間」でちょっとギラギラ感がありました。
ちょっと現代の日本には合わない?
ラウンジで無く、展示室として公開して良いかと思います。
実際、訪問時は利用者は居ませんでした。
要因の一つとしては、このラウンジ内では食事が禁止されている事が大きいでしょう。
ラウンジ内のテーマパーク的な存在としてはとても面白いです。







・プレイルームは実用性ある?
正直、テーブルフットボールとチェステーブルは明らかにお飾りでしょう。
てか、実際チェスの駒が無かったし、テーブルフットボールにはボールも見当たらなかった。
う〜ん、やっぱり展示室ですね(笑)。


・バールームではオリジナルシャンパンが用意されている
「JAL’s Table」で提供されているものとは別の銘柄のシャンパンがここ「RED SUITE」で提供されています。
ジョセフ・ペリエです。
市場価格的には「JAL’s Table」で提供されているバロン・ド・ロスチャイルドと同等レベルぐらいです。





次は、時間限定で営業する2つのエリアを紹介します。
③和を意識した空間「鮨 鶴亭」
「鮨 鶴亭」は午前中のみ営業しているエリア。
訪問時は、かなり空席が目立っていました。
・「鮨 鶴亭」の初印象:シンプルで落ち着いた和を意識した内装だけどこんなに座席を密集させる必要ある?
ここも面積が広いですが、ラウンジ訪問者の多くは「JAL’s Table」へ直行するため、反対側に位置するこのエリアは殆どのテーブルや座席が未使用のままでした。
なのに、密集感ある配置は必要?
しかも午前中だけ営業しているのにも関わらず、これだけ空いていたらそもそも無駄が多いのでは?と余計な心配をしてしまいます。







こちらのミニケーキ3種とシフォンプディングは「JAL’s Table」では見かけず、スマホメニューにも掲載が無かったのでここ「鮨 鶴亭」のオリジナルだと思われます。


このラクサ風スープも「JAL’s Table」では見かけませんでした。
シーフードがゴロゴロ入っていて食べ応えありました。

昔からJALファーストクラスラウンジと言えば、板前さんが握ってくれる寿司!
「鮨 鶴亭」という名前だけあって、板前さんが常駐しています。

普段はチェーン寿司の冷えたシャリに慣れているので、程よい温かさが本格的で嬉しい。
ネタはマグロとサーモン。
口の中でとろけて美味しい〜。
次に、気になっていたビーガン向けのプラントベースの寿司を注文していました。
スタッフさんにお話を聞くと、こんにゃくでできていると言う事でした。
なーるほど。
味は・・・こんにゃくです(笑)。

次にビュッフェから盛り合わせたチョコレートと抹茶のケーキ。
甘党なのでケーキは嬉しい。

そして次はフレンチトーストを注文してみました。
卵がしっかり染みてあって、パンと言うよりも、濃厚でしっとりしたカステラケーキ!
これは美味しかったー。


④個人的に一番気に入ったエリア:ラウンジらしい空間「JAL’s SALON」
最後は、僕が一番居心地の良かったエリアを紹介します。
それがレセプションのある4階から階段もしくはエレベーターで上がった5階にある「JAL’s SALON」。
ここにはバーテンダー常駐のカウンターがあり、オリジナルな飲み物を嗜む事ができます。

・「JAL’s SALON」の初印象:4つの部屋で最も優雅な気分になれる空間
ここは営業オープンする07:00に向かいましたが、スタッフさん皆から温かい挨拶で迎え入れてくれ、バーカウンターで注文する時からとても丁寧な対応を頂きました。

他の部屋と比較するとゆったり感もあり、全体的にそこまで座席配置も密集していません。
ただし、窓際のカウンター座席は結構間隔が狭いです。







・種類はそこそこだけどこだわりのメニューが楽しめる
以下、メニューです。
ジャパニーズブランドを意識した、独特なドリンクと和菓子を楽しめます。
この他に、注文してから淹れるハンドドリップのオリジナルブレンドコーヒーを注文できます。

・提供方法がお洒落!
「JAL’s SALON」では水出し茶、小豆きんつば、ブレンドコーヒー、そして黒糖エスプレッソマティーニを注文しました。
どれもグラスや器、カップが洒落てる!!
窓の外の景色と一緒に撮影すると映えます。



何気にコーヒーの付け合わせで提供されるゴディバの板チョコが嬉しい。

お名前を控え忘れましたが、こちらのスタッフさんの対応が特に印象的で、とてもお世話になりました(2025年9月26日07:00〜の皆様!)。
・「JAL’s SALON」隣接のラウンジエリアは・・・無機質・・・
上階にもラウンジエリアがありますが、何だか一列にズラーっと椅子が並ぶ光景は無機質そのもの。
もしかしたら、今は仮のスペースとして活用して、将来的に新しいコンセプトの部屋に仕上げるのでしょうか・・・



奥には1席ずつ仕切られたマッサージチェアが並びます。
JALファーストクラスラウンジでは数少ない、プライベートゾーンです。

最後にシャワー室:待ち時間無し
ビジネスクラスラウンジだと待たされる事の多いシャワー室。
08:15頃にスマホから予約した際、待ち時間はほぼゼロでした。



受付カウンターはこの時間では無人だったので、レセプションへ向かいます。
搭乗券を確認されると、カードキーが渡されました。
レセプションにて、歯ブラシセット等のアメニティーをもらう事ができます。
シャワー室は安定の清潔さで快適な空間ですが、ローションなどは無く、ボディソープ、シャンプー、コンディショナーのみがスキン・ボディケア類のアメニティーとなります。






最後にシャワーエリアに隣接する男性トイレ内。
至って普通でした。

評価
スタッフの対応:5/5(スタッフさんはほぼ皆自然の笑顔で対応してくれ、居心地を良くさせてくれました)
ラウンジの清潔さ:5/5(どこもピカピカに清潔です)
ラウンジの快適さ※:9/10(自分に合った雰囲気の部屋で寛げるが、これだけの広さがあっても座席の密集感が気になる)
※訪問時の混雑状況も重なるので、必ずしも参考になるものではありません。
ラウンジのデザイン:3/5(コンセプトは面白いが、一番肝心である座席の配置感があまりファーストクラスラウンジらしくない)
設備・アメニティー:4/5(全体的に開放感がありすぎてプライベート空間が限られている;これだけ敷地が広ければ乗継客を主に対象として仮眠室はあっても良い)
食事・飲み物の種類:9/10(種類は豊富で満足;ただし、チーズや生ハム等の王道のおつまみオプションが無かったり、せっかくバーテンダー常駐のバーがあるのに一般的なカクテル等がメニューに記載が無いのは勿体無い)
食事・飲み物の質:10/10(結構レベルが高いと思います)
総合評価:45/50 = 90点
まとめ
全体的に素晴らしいラウンジである事は間違いありません。
とても広くて快適であるし、食事の質が高く、様々なテーマに分かれた部屋があるので飽きません。
ただし、他の大手航空会社のファーストクラスラウンジと比較すると、どうしても座席の配置に密集感があり、サプライズ要素も薄いです。
レベルの高いビジネスクラスラウンジ、と言った方が当てはまるかもしれません。