筆者が同僚(日本人)と2人で経営しているデリーの現地旅行会社H2 Travels。うちではインド旅行の手配をメインで行っているため、自分達で色々足を運んでその場所を見なければいけない。
ヒマラヤ山脈方面を得意とする自分達だが、やはりほとんどのお客様は定番であるタージマハールのあるアグラやガンジス川を見にバラナシ、宮殿の街ジャイプールを手配させて頂く事が多い。そして次ぐらいによく行かれる方面は世界遺産アジャンタとエローラの石窟寺院群。恥ずかしながら、僕たちはまだ一度もアジャンタとエローラを訪れた事が無いので、これは見ておかなければいけない!と思い、6月上旬の猛暑日連日の最中、拠点の町であるアウランガバードを含め訪れる事にした。
まず、アジャンタとエローラの場所。これら2ヶ所は中央インド、マハラシュトラ州にあり、ムンバイを州都に置いている。デリーからは飛行機で2時間程、ムンバイからだと比較的近く、1時間以内で着く。
現在、デリー⇔アウランガバード路線の便数が増え、デリー朝発、アウランガバード夜発のフライトがあるので、週末1泊2日で訪れる事もできる。
今回視察に行ったのは:
2日目
①世界遺産アジャンタの石窟寺院群
②ビビ・カ・マクバラ廟(タージマハールのそっくりさん)
③パーンチャッキー&アウランガバード石窟寺院
3日目
④ダウラタバード城砦
⑤アウラングゼブ廟とグリシュネシュワール寺院
⑥世界遺産エローラの石窟寺院群
【1日目】
午後のフライトで初日はホテルで休むだけ。
デリー空港第1ターミナルからの出発だ。こう見るとインドの空港も立派になった。
離陸直前に滑走路で結構待たされ、機内は蒸し風呂状態に。客は大ブーイング。でも、後ほど機長からしっかり謝罪もありました(機長のせいではないんだけど)。
スパイスジェットの良さと言えば機内食のホットミールが結構イケる。インド国内線ではナンバー1かな。機内で購入するとRs. 300、事前の予約だとRs. 250。肉(チキン)だとRs. 50アップ。
郊外には工場が多く、外資系・インド系の大手企業の一部が製造業の拠点として置いている。
今回の宿泊先はヴィヴァンタ・バイ・タージ。タージの系列で部屋・サービスと洗練されている。
食事:今回は朝食と夕食付きのプランで泊まった。夕食はビュッフェだと思ったが、暑さのためオフシーズンで宿泊者もあまり居なく、「メニューから好きなものを頼んでもいいよ」との事。それじゃ遠慮なく、と意地汚い根性を表してしまうのでありました(笑)。
サーモンのカルパッチョとなっていたのに、実際来たらただのスモークサーモン。まぁ、この灼熱の大地にスモークサーモンがあるだけでも凄いとしておこう。
メインはビーフステーキ。
期待以上!かなり焼き加減も良く、柔らかくて美味しかった!中央インドの地方都市でこのクオリティーには関心。
【2日目】
ホテルの朝食ビュッフェ。インドとコンチネンタル両方から選べて、種類も豊富。
08:00にホテルのロビーでガイドと合流。普段視察の時にガイドは使わないのだが、今回は協力会社が提供するガイドの質を確かめたいとの事で、手配をする事にした。日本語で面白い駄洒落を言い回すシェイクさん。やはり、ガイドがいた方が全然情報量が違うという事に気づいた。特にアジャンタとエローラは石窟だらけで説明書きもあまりないので、ガイドがいないと逆にあまり面白くないかもしれない。
アジャンタへは綺麗に舗装された道で。JICAの援助によってでき、本当に走っていて気持ちが良い。途中村々や畑を通り、デリーとは違う植物が植えられている。南国に近づいている感じだ。
アジャンタは2時間程で到着した。まず、手前の展望台(ビューポイント)から景色を堪能する。
7月~9月の雨期には辺り一面が緑に覆われ、崖から滝が流れ落ち、とても綺麗な景色になるそうだ。
車の駐車場からアジャンタの遺跡までは「環境に優しいバス」で移動しなければならない。タージマハールも同じシステムだが、一応遺跡が汚染されないような配慮らしい。大体10分ぐらいでチケット売り場に着く。
壁画はすごい良い保存状態で残っている。ちなみに、JICAも遺跡保護に力を入れており、洞窟内で照らされている薄暗いライトはJICAの援助だそうです。
アジャンタの観光後は、アウランガバードに戻って市内観光。まずは、アジャンタに似た石窟寺院があるアウランガバード石窟寺院観光。ここはあまり観光客が訪れないが、ガイドによると数ある寺院群の中で一ヶ所だけここにしかないものがあると。それが、第7窟の金剛菩薩像。
ここから「偽タージマハール」のビビ・カ・マクバラ廟の全景が見渡せます。
ビビ・カ・マクバラ廟。
ここはタージマハールを建造したシャージャハーンの孫にあたるアザム・シャーによって、母親の霊廟として建てられた。タージマハールをモデルとして造られたが、この付近は大理石が採掘できる訳ではなく、当時ムガール帝国も財政が厳しくなっているのでほとんどは漆喰でできている。近くに行くとタージマハールの様に華やかな感じはしない。でも、雰囲気が落ち着いていて個人的には結構この遺跡好き。
次にパーンチャッキーと呼ばれる地元の人たちの憩いの場になっている小さな公園。ここには池があり、昔の水車が回っている。アウラングゼブ王朝時代の17世紀に建てられ、数キロ離れた場所から水を引くようになっている。近辺にはイスラム教徒の神学校もあり、のどかな感じだ。アウランガバードはイスラム教徒が多い。
パーンチャッキーの池の後はアウランガバードのホテルを視察。そしてホテルへ戻る頃にはもう夕食の時間だ。今回は中華料理をトライする。メインは写真を撮り忘れたが、ここも牛肉のチョイスがあり、炒め物があって美味しかった。インドで食べる中華料理としては結構質が高いと思う。
【3日目】
朝食後、エローラへ向かう途中のハイウェイ沿いにあるダウラタバードの城砦を見学。
地球の歩き方によると、この砦はインドで最も立派な砦トップ3の一つだとされ、他にはジョドプールのメヘランガールとハイデラバードのゴルコンダ・フォートだそうだ。確かに、ものすごく立派な砦。丘の上に宮殿の跡があり、そこまで登るのはかなり大変(特に今回の様に1年で一番暑いとき)。
でも、景色は素晴らしい。ガイド付きで観光する場合、ガイドは山の上の宮殿まではいかず、途中階段が始まるぐらいの所で待っているが、もし時間さえあれば上へ行く価値はある。360度の景色が楽しめ、デカン高原のパノラマが見渡せる。
ちなみに、この山はすべて削って造ったそうだ。周りは敵が来れない様に堀が作られている。12世紀に建てられたと言われ、エローラやアジャンタに次ぐ凄い遺跡だと思う。
歩道橋は結構な高さがある。ちなみにこの写真は筆者が両手をてすりに掛けているが、片方サルのう○ちがあった。幸いウェットティッシュでアルコール消毒できたので良かったが、インドではむやみに手すりを触ってはいけないというレッスンを習った。
山の下の部分が垂直に切れているのが分かるだろうか。人間の手によって削られ、周りには堀が造られた。この辺の人々(昔)は本当に岩削りの天才だ。
ダウラタバード砦を観光後はクルダバード村にあるアウラングゼブ王のお墓。クルダバードはエローラへ行く途中にあるがたぶん観光客はあまり訪れられていないだろう。アウラングゼブはムガール王朝時代の主要6人の王様の一人。あのタージマハールを建てたシャージャハーン王の息子で、父親(シャージャハーン)をアグラ城に幽閉した人物だ。しかし、他の王様のお墓に比べると至って質素だという事が分かる。敬虔なイスラム教徒だったアウラングゼブは、莫大な税金をタージマハールの様に自分のお墓に掛けず、その分人々のために施したと言われている。
ここに来るまで、アウラングゼブ王は父親を幽閉したりとあまり良い印象が無かったが、よく考えると、一般市民からしてみれば立派なお墓なんて必要ないものだ。色々と考えさせられるものがあった。アウラングゼブ王を今でも尊敬している地元の人が多い理由が分かってきた。
白亜のこじんまりとしたモスクの脇にあるこのお墓は神聖な感じだった。
この後、エローラの石窟寺院群のすぐ近くにある、グリシュネシュワールのヒンドゥー寺院を訪れた。ここにはシバ神が奉られているが、あまりにもすごい人だったので内部に入らず。写真撮影も禁止なので、そのまま今回の最終目的地、エローラの石窟寺院群へ向かった。
エローラはアジャンタの様な仏教の壁画はあまり残っていないが、その代わりに巨大な石窟寺院、カイラーサナータ寺院がある。これはすごいスケールだ。また、アジャンタは仏教の石窟寺院のみだが、エローラは仏教の他ヒンドゥーやジャイナ教の寺院群がある。この一番の見所であるカイラーサナータ寺院はヒンドゥーの寺院だ。
僧侶の部屋もあり、石のベッドがちゃんとある。
エローラ観光を終え、アウランガバード空港へ直行する。夕方のスパイスジェットでデリーへ。