ディープなケープタウン写真撮影観光その①

ケープタウンの旅ですが、実は肝心の主要観光名所は行っていません。例えば、V&Aウォーターフロントやテーブルマウンテンの頂上、喜望峰等は今回はパスしました。ありがちの観光地へ行っても面白さが欠けるかなと思い、景色や生活感ある場所を優先にしました。テーブルマウンテンの頂上は興味がありますが、市街を眺めるには標高が高そうなのでもう少々標高が低いポイントから撮影する方が良いと思いました。

今回の写真撮影ツアーはCape Photographic Companyという会社で申し込みました。ホームページはこちら

一般的な観光地よりも、地元の生活スタイルに興味があり、ホームページのツアーにはガイドブックには載っていない壁アートで有名な下町地区やタウンシップ(低所得層住居地)、イスラム教徒が住むマレークオーターと呼ばれるボ・カープ等が案内されとても興味を持ってこれらの場所を中心に周りました。

ツアーはみっちり朝から夜までととても濃い内容でした。訪問箇所はこちらが指定しました。朝は日の出前の6時にホテルを出発し、まずはケープタウンのシンボルであるテーブルマウンテンが綺麗に撮影できるポイントまで。

写真家兼観光ガイドのピーターさんに2日間お世話になります。初日はケープタウンとケープ半島を巡り、2日目はワイナリー地域を巡ります。

<撮影スポットその①:ブラウバーグ・ストランド>

海に浮かび上がる様なテーブルマウンテンが撮影できるポイントです。中心部から車で30分程離れています。同じような写真を何枚か掲載します。

ここで三脚を使用してシャッタースピードのレッスンを受けました。シャッター設定によって如何に水の流れが異なる様に見える事を教わりました。

ケープタウン タウンシップ:ブラウバーグ・ビーチ
ブラウバーグ・ビーチ
そろそろ明るくなりました
そろそろ明るくなりました
神秘的です
神秘的です
野鳥と一緒に
野鳥と一緒に
青空が広がりました
青空が広がりました

<撮影スポット②:ウッドストック>

ちょっぴり危険の香りがする地域です。ここはアーティストによる正規の壁アートが色々な建物に描かれています。一人では知り合い無しで簡単に来れる場所では無いので、ここは訪問できてとても良かったです。ピーターさんが現地の地区長みたいなお爺さんと仲が良く、彼が案内人として同行してくれたので治安を気にせず安心して回れました。

ウッドストックにある家
ウッドストックにある家
象のグラフィティ
象のグラフィティ
パレスチナの国旗
パレスチナの国旗

パレスチナと南アはある意味共通する歴史があります。パレスチナは現在進行形で迫害されている立場でこれは南アのアパルトヘイト時代と共通している部分があります。現在黒人主導である南アの与党ANCはパレスチナ独立を強く応援しているらしいです。

Free Palestine!
Free Palestine!

この真ん中のお爺さんが地区長の様な人物です。

You’ve Got The Whole World
You’ve Got The Whole World
こちらはサイのグラフィティ
こちらはサイのグラフィティ
ウッドストック
ウッドストック
カラフルなおうち
カラフルなおうち
犬か狼
犬か狼
地元の子供
地元の子供

彼は是非もっと撮影してほしいと自分から言ってきたので、壁アートの前でポーズしてもらいました。

結構良いポーズに
結構良いポーズに

次はカメラで動いているものを撮影するショット。動いている人物を中心にして、周りがわざとぶれる仕組みを教わりました。カメラを人物に合わせて動かしながら回さなければいけないので結構上級レベルのコツです。

スケボーする男の子
スケボーする男の子
スケボーする男の子
スケボーする男の子
シマウママンw
シマウママンw
クラシックカーと鷲?
クラシックカーと鷲?

写真撮影していたら子供たちが集まってきました。僕の顔が珍しいのか、チャイナー、チャイナーと呼んでいたのでこっちもジャパーン、ジャパーンと反応。チャイナーと連発していたのは下の写真の赤いシャツの男の子。めっちゃ可愛くて養子に欲しいと思ったほど人懐っこかったです。子供が欲しいとつくづく感じた時。別れる時には足にピタッとくっついてきてハグしてくれました。

可愛い子供たち
可愛い子供たち

心からオープンで無邪気な子供達の笑顔にはとても感動しました。こんな子供達が沢山居る中で治安が悪いとは考えられない!彼らにはとても元気をもらいました。

かなりリアルなグラフィティ
かなりリアルなグラフィティ

またまた子供達が寄ってきました。決して裕福ではありませんが、お金をせびる訳では無く、本当に我々を興味津々でしばらく付いてきました。

人懐っこい子供達
人懐っこい子供達
アートの前でポーズ
アートの前でポーズ

南アの子供達は可愛すぎる!

天気が晴れてきました。

泳ぐ象とテーブルマウンテン
泳ぐ象とテーブルマウンテン

<撮影スポットその③:ランガ・タウンシップ>

ケープタウンを代表するタウンシップです。ここも一人で入り込めそうな場所ではありません。ピーターさんの知り合いが居るお蔭で一般家庭や地元のバーを見学する事ができました。南アはかなり貧富の差がある国で、大抵観光客が訪れる場所はヨーロッパと大差が無く白人が多くてあまりアフリカらしさを感じさせられませんが、タウンシップを訪れる事によって南アの現実を直面する事ができます。26年前にアパルトヘイトが終わりすべての人種が平等になりましたが、ここに来るとやはり人種別で格差がある事が理解できます。

写真家のピーターさんは白人です。自らこの様な場所をツアーとして開催する裏には仕事に就く事ができない彼らをモデルにする事によって収入源を与えています。

タウンシップ入口
タウンシップ入口

タウンシップはざっと2つに分かれていて、一つは昔ながらのトタン屋根でできた狭い小屋が集まる住居地と、しっかりとした建物で日本の公団アパートみたいな感じ。上の写真は正に公団アパートの様。実は世帯収入が月額3,500ランド(約28,000円)以下の収入の場合、政府から無料で家を提供されるシステムがあります。この家は2ベッドルームで入居後は本人の持ち物になる事ができる様です。ただまだ大分建物数が不足していてトタン屋根に暮らす人々が全員入居できる様になるにはまだ結構時間がかかりそうです。見た目は結構立派で屋根にはソーラーパネルがあり、僕が今暮らしているインドの家よりも全然良さそうでした(笑)。

これを聞いて安心しました。一応彼らにも希望があるという事を。

タウンシップはとてもエネルギッシュで明るく、過酷な生活スタイルとは裏腹に皆元気いっぱいでした。今回は肖像画のレッスンとして、ピーターさん知り合いの家族と地元のバーの中に潜入します。

我々を迎えてくれた地元住民
我々を迎えてくれた地元住民
子供達
子供達
お母さん
お母さん

お母さん、ちょっと疲れた顔をされていました。現在の南アでは良い仕事に就くにはまず教育が無ければ安定した収入を得られないとか。お母さんは英語が話せず、昔はアパルトヘイト時代に生きていて教育をしっかり受けられていない様です。そのため、収入は息子や娘の成長を頼らなければなりません。幸い、現在の南アでは教育も平等で公立は教育も無料、そして英語が主体言語なのでまだ将来への希望があります。実際に高校生の娘さんの英語はしっかりしていました。お父さんは無職だそうで、今回の様な写真撮影のためにもらう報酬が生活収入源となっている様です。

高校生の娘さん
高校生の娘さん
キッチン
キッチン
ベッドルーム
ベッドルーム

この家はベッドルームが一つ。トイレは外になります。ベッドルームにはベッドが一つとソファーが2つあり、ここで家族全員5名が寝泊まりしています。同じ南アの友人宅と比べると同じ国なのに本当に格差が凄いとつくづく感じさせられました。これは今住んでいるインドでも同様ですが、南アは場所によってはヨーロッパのリゾート地みたいな所もあるため、このギャップは凄まじいです。

タウンシップの日常
タウンシップの日常

次は地元のバーに入りました。面白い体験をしました。ここでは、お金を持っている者が濁酒の様な麦(だと思う)からできた酒を購入し、皆で分け合って同じバケツ(!)から飲み合います。5リットルぐらいは入っています!料金は一杯50ランド(400円)。味は濁酒でした。

大胆さにかなり驚いている筆者
大胆さにかなり驚いている筆者
ピーターさんと地元住民
ピーターさんと地元住民

ピーターさんはここの住民が話すコーサ語が理解できます。なので、地元住民からもある意味信頼を得ている様でした。やはり地元の言葉を話せるって強いですね。だからこの様な体験ができていると思うし普通の観光ツアーではここまで地域住民と接する機会はなかなか無いと思います。

バーのママさん達w
バーのママさん達w
地元住民
地元住民
愛情
愛情

家を見せてくれたお父さん。厳しい生活環境の中に暮らしながらもとても温かく接してくれました。良い思い出です。一日も早く子供達が成長して仕送りで改善した生活環境の中へ生きられる事を願います。ここは来れて本当に良かったです。

生活環境の改善を願います
生活環境の改善を願います
明るい男の子
明るい男の子

さて、次は快適なハイウェイに戻り、イスラム教徒やマレー系住民が多く暮らすカラフルな家が並ぶボ・カープへ向かいます。

南アの道路は快適
南アの道路は快適

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