今回の目的の一つが、インドの東にはずれにタイ族の人々が暮らす集落があると言う事。そして、彼らはタイ語の様な言語を話し、文化はタイと一緒だとか。実はうちのお客様が2年前に行かれ、友人のアドバイスを基にして手配した事があったのですが写真を後で拝見すると本当に異質でした。インド、本当に多様すぎる。。。
まず、インド最東端の景色からスタート。ここにはインドで最も美しい夕焼けが眺められるスポットがある事で知られています。その場所の名はハワ峠。この峠から支流になっているロヒット川が眺められ、晴れていれば夕暮れ時、太陽が川を照らしそれが金色に光ります。この夕焼けが見たくて、訪れたかったのです。
時刻は午後3時半頃。インド国内には時差が無いので、東のはずれになると冬は午後4時には日が沈みます。
実は、最東端と言いましたがもう少し、東の山奥の村まで行く事ができます。もっと先へ行くと中国国境が。でも、あまり用事が無いので、とりあえずここからまたちょっと南へ、その後西へ移動します。
見て頂くと分かると思いますが、中国の昆明は目と鼻の先。ベトナムのハノイも近い!そして、経度もミャンマーのヤンゴンより若干東に位置します。4時には日が暮れる訳だ。
ハワ峠の近くには、透明なエメラルドグリーンに輝くロヒット川が流れます。ちょうど山が始まる地点はヒンドゥー教の聖地、パルシュラム・クンドがあります。ヒンドゥー教の聖地と言っても、地元住民のほどんどはヒンドゥー教は信仰していませんので、この聖地を訪れるほぼ全員はインド各地から罪を洗いに来ます。
伝説によると、ヴィシュヌ神の化身、パラシュラーマは斧で母親を殺してしまった。その時、その斧は彼の手にくっついてしまい、取れなくなった。色々な場所で修行したりどうにか取れないか試すが、それでもダメ。最終的にこの場所に辿り着いてロヒット川で沐浴したら、なんとぽろっと取れてしまった。それ以来、この場所は罪が洗えるとされ、ちょうど僕らが訪れた1月15日は一年で一番の巡礼シーズンの時。インド人の巡礼者が多く、「秘境」のイメージがあるアルナーチャル・プラデーシュらしくなく、どちらかというとリシケシュでした(笑)。そんな事より、神様が母親を殺してしまうってどういう事よ!ヒンドゥー教の神様は人間味があるというか、何というか、何でもありな宗教だな、と思います。人間は完全では無いという事がよく理解できますねw。
写真はワイルドな大自然ですが、カメラの後ろには巡礼者だらけ。ぎりぎり右端の山肌にも巡礼者が沐浴していましたが、なんとかカットして綺麗なところだけ映す事ができました。僕も何か罪滅ぼしすれば良かったかな?
さて、ここを離れて、目的地のタイ族が暮らす地域へ。
数時間走って、到着しました。チョンカム村です。まずは、友人の知り合いでこの地の王族の家へ。友人はコネがすごく、普通にそれぞれの場所に王族だの役人のお偉いさんだの知り合いがいて普通にお邪魔しちゃいます。このタイ族の王族も立派な家に住んでいて、昼食をご馳走になってしまいました。
なので、タイ族の普段食について触れたいと思います。
竹の筒で蒸したもち米→タイのカーニャオです。でも、竹で蒸したので、竹の味がして香があります。これを、ハチミツと一緒に食べるようで、スナックとして最適でした。
続いて、昼食。バラエティー豊かです。食べなれているのは、ダールぐらい。その他、小魚のフライ、ひょうたんのスープ、牛肉チリ、ローカルの野菜炒め(今となっては何の野菜だったか忘れてしまった!)、豚肉のから揚げと。。。すべてユニークなものばかりで、ついつい何度もお代わりをしてしまいました。これ以外に、自家栽培のレタスとルッコラのサラダを甘めの自家製ドレッシングで頂きました。
面白いのが、お米。アルナーチャルのお米は、日本米に近く、若干もちっとしています。形も日本米みたい。お米の甘さがあり、インドで一般的なバスマティーライスとは全く別物です。正直、日本米を使わなくても、このアルナーチャル米で普通に日本食イケちゃいます。
カレーから離れられてちょっぴり嬉しいです(笑)。
ところで、タイ族とずっと言っていますが、正式にはタイ・カムティ族です。彼らは何百年も前、タイ北部から移住してきた人々で、同じルーツの民族はミャンマーや中国、ベトナムの山岳地帯にも暮らします。言葉を聞いていると本当にタイ語っぽいです。全くタイ語と一緒ではありませんが、単語を聞いているとタイ語と一緒でした(例えば水はナーム、米はカーオ、酸っぱいのはソム、など)。タイは僕にとって第2の故郷でもあるので(幼い頃タイで育ちました)、とてもとても懐かしかったです。
でも、本番はこれから。
↑タイの一般宅と一緒ですね。本当に本当にタイだよ~(書きながらの感情=興奮気味)。
観光します。チョンカム村の寺院です。これもタイですね。
そして、赤アリがいることもタイそっくり。
チョンカムは四方を綺麗な小川に囲まれています。透き通った川で、せせらぎの音を聞くととても気持ち良い。そんな中、若い小僧が川で水遊びをしたりしています。
チョンカム村には、国道からちょっと奥に入った寺院が良いよと王子に言われ、行ってみました。本当に景色も雰囲気も良く、清流がいくつか流れ、まるで楽園の様でした。
↑カラフルな織物。これはタイ・カムティ族の伝統文化でもあり、タイと同じようなデザインです。生憎、このような特産物を売り物として販売している店もあまり無く、自分たちで必要な分だけ作るのでしょうね。
チョンカム村を出発し、次はこの地域の一番大きな集落である、ナムサイへ移動です。一番大きいといっても、人口は10,000人弱。チョンカム村は500人たらずなので、それと比べると大きい街です。
途中、巨大な新しいパゴダが目立ちます。通称ゴールデン・パゴダです。200人のミャンマー人によって、2010年に建てられたばかりの新しいこの地域の目玉です。
サプライズだらけのインド極東部。とても辺ぴな場所に感じますが、実はそんなにアクセスに不便ではありません。ディブルガル空港まで舗装道路が敷かれ、デリーから2泊3日で当ページ記載の場所をすべて周れます。
最後に、ナムサイ・パゴダ。
何処からか「サワディー・カー」と和やかの女性の声が聞こえそうです(笑)。