2023年、ようやく香港も3年ぶりに入国規制を緩和し、航空路線の需要が復活しました。
規制中は空港内の乗継目的だけでもなんとPCR検査による陰性証明書が必要だった香港。香港を代表するキャセイパシフィック航空は利用者が激減し大部分の路線で減便し、東京線でさえ一時期週3便だけしか飛ばない事もありました。
そんなキャセイ、きっと業績悪化でサービスの質が落ちたのでは?ととても疑いがち。
その反面、シンガポール航空はパンデミックの中でも頑張り、2023年3月期の最新決算では、約2,200億円の利益で過去最高!更に、従業員には8ヶ月分の給与をボーナスとして還元!!
そんなニュースを聞くと、きっとシンガポール航空のサービスは昔ながらの安定した良さ、と思ってしまいますよね。
今回、ほぼ同じ距離・飛行時間である、2つのインド路線でサービスの比較をしたいと思います。
シンガポール航空はシンガポール→ムンバイ便、キャセイパシフィック航空はデリー→香港便です。
<座席:判断不可>
肝心の座席ですが・・・シンガポール航空は近・中距離仕様のA350、キャセイは長距離仕様の777で更に後者はバルクヘッドの座席に座っていたため、結論を出すのが厳しいです。
ただ、シンガポール航空は他社と比較してもとても狭かったです。5時間のフライトでは、結構窮屈に感じました。
狭いだけでは無く、シート全体が硬く、更に快適度が落ちました。
同じシンガポール航空のA350でも、長距離路線仕様はシートのタイプが異なるのでもっと快適なのかもしれません。長距離路線仕様であるかの確認方法は、その機材がプレエコが搭載されているか、です。中・近距離路線仕様には搭載されていないので。
対するキャセイは、長距離仕様のためか、ヘッドレストがレザー調で頭に優しい素材でした。また、座席も薄いながらもクッションがしっかり効いているので柔らかく、座り心地は悪く無かったです。
また、一点重要なポイントが。
シンガポール航空の777では、エコノミーの配列が3-3-3とゆったりとしているのに対して、キャセイではもう1席詰めた3-4-3。なので、確実に同機種の横幅だけで判断するとシンガポール航空の方が快適でしょう。
<アメニティー:キャセイパシフィック航空が優位>
あらゆる面でキャセイの方が優勢です。
イヤフォン・ヘッドフォン
シンガポール航空は使い捨てバージョンの最低クオリティーのものが提供されます。そのため、折角エンターテインメントは豊富なのに、音の品質が良く無いので勿体無い。
対するキャセイは、ヘッドフォンが提供されます。クオリティーは悪く無い。
枕・毛布
どちらもとても良いです。両社とも大きな枕にエコノミー定番の毛布が用意されていますが、個人的にはキャセイの方が毛布が滑らかでクッションは少し硬さがあって使いやすかった。シンガポールの枕はふかふかだったので、これは好みにもよるでしょう。
電源
両社とも、座席下に電源が備え付けられています。また、テレビ横にはUSB(Aタイプ)電源も用意されています。
その他
キャセイは搭乗時に500mlの水のボトルが全席に用意されていました。これ、実はなかなかエコノミーで見かける事はありません。大した経費はかからないはずなのに。機内は乾燥して喉が乾きやすいので、これはかなり評価が上がります。
<機内食:キャセイパシフィック航空が優位>
前回の記事にシンガポールの機内食がかなり簡略化された事を記載しました。もうエコノミーでは副菜は提供されなくなったのです。その分、メインディッシュのプレートが若干大きく量が増えている様子ではありますが。
キャセイは、副菜あり(朝食はフルーツ)、そしてパンは温められて提供されました。
メインは同じ焼きそばですがキャセイの方が具沢山。シンガポール航空は少し安っぽい印象を受けました。
確実にキャセイの方が上です。
<クルー:両社引き分け>
個人的にはキャセイのクルーはクールで保守的、シンガポール航空の方が明るくオープンな印象ですが、どちらもとても全体的に対応は良いです。今まで何度か両社に乗っていて微妙と思ったクルーは一人も居ませんでした。
<エンターテインメント:シンガポール航空>
どちらも非常にプログラムが豊富で、甲乙つけ難いです。
が、個人的にはシンガポール航空の画面の方が操作がしやすく、チャンネル数が更に多いです。邦画だけでも、31種類も!
キャセイはカテゴリー別で検索できるのが特徴です。
例えば、ピクサー、スターウォーズ、LGBTQ+など、それぞれの好みのジャンルに合わせておすすめ映画が絞られます。
まとめ
おや、業績がとても良いシンガポール航空よりも、苦難が長かったキャセイの方が良い?こればかりは、シンガポール航空の長距離路線仕様の機材、もしくはキャセイの中・短距離路線仕様の機材に乗らないと総合的な判断ができませんが、細かい部分でキャセイの方が結構痒いところに手が届いている印象があります。シンガポール航空は、いかにもコストカットしました感を肌で感じます。
「キャセイとシンガポール航空エコノミー比較:どちらが優位?」への4件のフィードバック
どちらもよくのりますが、どちらも機内が激寒ですね。気温聞くと18度、20度やら言われます。せめて日本線は温度上げてと思います。シンガポール航空の男性乗務員さん、真夏の国から長袖着て、ジャケット着て、汗かいてサービスせずに、半袖にエプロンつけて軽装でサービスしていいよ。エコノミーだからと思います。ずっと座っていると寒いよ。と思います。この点は日系が一番。
東南アジアではエアコンをガンガンに効かせている場所が多いので、機内もそうなっちゃいますよね。確かにシンガポール航空の機内はとても寒かったフライトもありましたが、毛布をかけてちょうど良かったです。日系は、逆に暖かすぎる場合があるので、昔の様に各座席で空調を調整できる様にしてほしいです。
JALのエコノミー、食事もコンフィグもとても良いのだが、私を含め外国人は暑がる人が多い事、そしてリクライニング角が凄く浅いのが欠点(前の人のリクライニングを気にするのは日本人くらい。長距離ツーリングはいかに寝られるかが最も重要なのでリクライニングが浅いのは致命的)。そして深夜便の消灯時間が短いのも駄目。シンガポール航空は深いリクライニングは良いのだが、食事がお粗末になりトイレ清掃も微妙。但し消灯時間が長いので一番寝られる。ANAは食事はJAL程ではないがリクライニング角も悪くないしフットレストがあるのも良い。消灯時間も結構長い。
参考になりました!リクライニングや消灯時間はそこまで意識した事無かったので、次回気を配ってみたいと思います。