インドのチップの相場

2022年11月補足:過去10年間、インフレが年率平均して6~7%で推移しているインドは、この記事の金額から比較すると今は相場は下記の約2倍です。

日本から海外に出ると、気になる事はチップの相場。特に旅行する時は悩みます。

それぞれの国には、チップに対しての概念が違います。日本と同様にチップが全く必要の無い国・文化もあります。反対に、チップを置かなければ当たり前の欧米の国々もあります。でも、欧米の国々でも、北欧の様なチップの習慣が無い所もあり、これまた考えるのも面倒臭い。

そもそもチップって何?日本人的には、その対価以上にどうして払わなければいけないの?って疑問に思いますよね。もし、もともとチップを期待するのであればどうして最初っからそれを含めた料金を提示しないの?とか思います。

アメリカでは、レストランのウェイター・ウェイトレスは日本では考えられない様な自給がまだ一般的です(時給4ドル台とか)。これは、チップをもらうのを前提のために、わざと低く設定されています。でも、このシステムは現在アメリカで見直されていて、チップを含めないで大幅に額を上げる様な場所が増えている様です。

先日、アメリカ在住のイタリア人の家族の旅行手配をしましたが、会った時にまずドライバーやガイドへいくらチップあげたら良い?と聞かれました。両国ともばりばりチップの文化があります。でも、チップの相場はやはり頭を悩ます様です。

インドでは、もともとチップの文化なんか無いです。でも、その代わりにバクシーシと言う、貧しい者への施しは昔からの伝統文化です。インドで言うチップとは、どちらかと言うとバクシーシの方が近いかと思います。

うちの旅行手配でも、必ずチップの相場をお客様へ案内します。正直、「相場」と言うものなんてありませんが、これぐらいはあげても良いのではないか?と言う額はあります。その額を、考えつく限り記載します。

<レストラン>

恐らく、一番チップの事で悩むのはレストラン。レストランでは、まず請求書を発行された時にサービス・チャージが含めているか、含まれていないかを確認してから初めてチップの相場が判断できます。ここで気を付けなければいけないのが、サービス・チャージ(Service Charge)とサービス・タックス(Service Tax)が違う事。前者は、すべてレストランの利益になります。後者は、強制的に国に納める税金です。大抵、どのレストランでもサービス・チャージが5%から10%程追加されます。例外として、オベロイやタージの超高級ホテルでは、サービス・チャージが加算されません。不思議ですが、この様な場所だと逆にチップを期待した方が、どかーんとデカイ額を置かれる事があるのですかね?

僕がオベロイやタージの様なサービス・チャージが含まれていないレストランで食事する時、税金前の合計額から5%から10%相当をチップとしてテーブルに置いていきます。逆に、サービス・チャージが既に含まれているレストランでは、基本チップは0です(ただ、店員の対応がとても良くて気に入ったらRs. 50~Rs. 100程を直接店員に手渡しします)。

<ホテル>

昔はよく、朝に枕元でベッドメーキングのチップとして置いていくのが普通でしたが、僕はそれは基本しません。ちょっと良いホテルに宿泊する時には、チェックアウト時にチップボックスにまとめて入れます。ただし、チップボックスを置いているホテルは多くありません。僕が好きなチップのシステムはオベロイホテルです。

オベロイホテルでは、ワーキングデスクの引き出しの文房具セットに封筒が入っており、そこにもしサービスに満足されれば金額を入れ、封をしてチェックアウト時にフロントに渡してください、と言う事が書いてあります。その代り、注意書きで「従業員には個別でチップは渡さないでください」と書いてあります。これは、とても素晴らしいです。ホテルには、目に見えないところで普段チップが行き渡らない従業員だっています。例えば、プールを清掃する人、ボイラー、花や草を綺麗に整えてくれる庭師等、普段お客には直接会わない従業員にとっては不公平ですね。この封筒に入れた額をみんなで分けるという方が、はるかに公平で良いシステムです。

でも、このシステムは知る限りではオベロイだけ。もっと、他のホテルもフォローして欲しいですね。ちなみに、封筒に入れる額はそれぞれですが、高級ホテルだと1泊あたり満足度によりRs. 500~1,000程包むか、チップボックスに入れます。チップ用の封筒やチップボックスが無い場合は、残念ながら何もアクションはしません。

インド チップ 相場
ザ・オベロイ・アマルヴィラスの客室

ポーターのチップに関しては、オベロイではしませんが、中級ホテルや安宿では必ず直接渡します。荷物スーツケース・バックパック一個あたり、Rs. 20が相場です。

<旅行中のドライバー>

1日あたり、Rs. 300が相場です。半日ならばその半額ぐらい。旅行が終わった時にまとめて日数分を渡します。

<旅行中のガイド>

1日あたり、Rs. 500が相場です。半日ならばその半額ぐらい。旅行が終わった時にまとめて日数分を渡します。

<スパ>

1時間のマッサージあたり、Rs. 100。直接、セラピストへ手渡しします。

<散髪>

僕はいつもカットRs. 150の所でやっているので、Rs. 30を渡しています。もし、Rs. 1,000ぐらいのカットなら、Rs. 50~Rs. 100が相場でしょう。スタイリストへ直接手渡しします。

☆注意☆

チップにコイン(Rs. 10以外)を渡すのは大変失礼です。もし、コインを渡すぐらいなら、渡さない方が良いです。

チップはあくまで、お心づけです。あくまで、満足にサービスを受けられた時に渡すものです。中には、チップを一切渡さない人もいますが、これは個人の勝手です。インド人だって、皆が上記の様に渡すわけではありません。でも、渡す相手の給料は自分達日本人の平均から比べると低いですし、生活レベルも違います。カーストが根強いている地域なので、どんなに頑張っても社会的に地位が高くなれない人たちがほとんどです。なので、そこを理解の上、バクシーシ感覚として「ありがとう、これからも頑張ってね」と思って渡すのが一番ですね。

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