ドバイ滞在記その5~旧市街で古き良き60年前のドバイを体感

今回の短い滞在で一番楽しみにしていた事はモールでも噴水ショーでもテーマパークでも無く、ドバイの文化遺産を訪れる事でした。

ドバイは恐らく世界で一番急激に発展した場所です。なんせ、アブダビで石油が発見される50年前まで、言葉は悪いけど写真で拝見する限りドバイの生活スタイルはかなり原始的でした。電気も水道も無く、舗装道路も無し。学校と言えば、野外のコーランを教える学校のみ。近代的な病院も無し。とても、同じ街だとは思えない。

ドバイのクリーク(入り江)西側には、昔ながらの建物が改装されながらも風情を残して健在しており、多くは博物館として昔の生活スタイルを展示しています。このコントラストを感じるのが非常に面白いし、モールでは感じる事のできないドバイの古き良き昔ながらの文化を体感する事ができます。

日曜日の朝。ドバイでは金曜と土曜が週末で、日曜は平日です。まずはホテルからメトロ駅まで歩きます。

デイラ地区の道路
デイラ地区の道路

Union駅。ドバイで1、2を争うハブ駅ですが、通勤ラッシュの時間帯でも東京と比べると大した事ありません。

Union駅
Union駅

ヘリテージ地区のAl Ghubaiba駅まで向かいます。ヘリテージを反映して、ホームの壁には昔のドバイの写真がアートになっていました。

Al Ghubaiba駅のホーム
Al Ghubaiba駅のホーム
ドバイ 歴史 観光:写真の一枚
写真の一枚

駅を降りるとすぐにこの景色が広がります。先日のブルジュ・カリーファや周辺の景色とはかなりのギャップ。この地域はバル・ドバイと呼ばれています。

バル・ドバイ付近
バル・ドバイ付近

新しくできた博物館がありました。Saruq Al Hadid Museum。たまたま興味津々で入りましたが、これがとても面白い。

近年ドバイの王がたまたまヘリでドバイの砂漠の上を飛んでいたところ、砂丘の色が所々変色している事に気づき、実際降りたら砂丘に埋まっていた遺跡を発見しました。そこに考古学の専門家を派遣したら、どうやら文明の跡という事。時代は鉄器時代で、詳しい文明が栄えた時期は現在調査中ですが、恐らく2,000年以上前である事は確かだと思います。

この博物館は、このSaruq Al Hadidで見つかった銅や金、鉄でできた器具や像、やりなど900点が展示されています。

ミュージアムショップ
ミュージアムショップ

最初の3Dでの説明がとても面白い(英語かアラビア語のみ)。どの様に発見されて、どの様な文明だったかと言う事が説明されます。一緒に砂漠を旅している気分です(笑)。てっきりこれだけかと思い、博物館を去ってしまったのですがこの部屋以外にも実際の掘り出された物が展示されている部屋もあると言う事が後で分かり(一度ドアを出て部屋を変えなければいけません)、とても悔しい!これだけでのプレゼンも、結構楽しめました。

3Dスクリーンの部屋
3Dスクリーンの部屋

このSaruq Al Hadidは今でも砂漠のど真ん中で発掘調査が進められ、アクセスはヘリコプターのみです。道路を敷いてインフラ設備を整えばドバイの新しい観光名所として栄える事ができそうです。

この博物館は予定に入っていなく、寄り道でしたが次に元々一番訪れてみたかった場所へ向かいます。Saruq Al Hadid Museumから徒歩3分ぐらいのところにある、現ドバイ首長の元家だったSheikh Saeed Al Maktoum House。ここは現在博物館になっていてアブダビで石油が採掘される前のドバイの生活スタイルを写真や家庭道具、切手などを通して知る事ができます。

ここは、非常に面白かったです。ドバイへ行かれたら、是非ここはおススメ。

博物館内部
博物館内部

外見、シンプルな土の塊でできた建物ですが、各部屋にはセンサーが付いていて訪問者が来ると自動で照明やクーラーが付くというハイテク。そんなに多くに人が訪れないので、四六時中付けておく必要は無いのかもしれません。エコ!

昔使用されていたドバイの紙幣
昔使用されていたドバイの紙幣

ここで驚き!なんと、昔ドバイではインドルピーが主流だったそうです!

1949年製造のインドルピー
1949年製造のインドルピー

伝統工芸品のディスプレイ。

コーヒーポット
コーヒーポット

さて、ここから、展示の写真を数枚シェアさせて頂きます。1950年代の写真。まだ、60年前の様子ですが、今のドバイと比べると本当に同じ街?とすごく疑ってしまうほど、別世界です。

1950年代のドバイ
1950年代のドバイ
1950年代のドバイ
1950年代のドバイ
1950年代のドバイ
1950年代のドバイ
コーラン学校
コーラン学校
1950年代のドバイ
1950年代のドバイ
1950年代のドバイ
1950年代のドバイ
伝統スタイルの家
伝統スタイルの家

そして、同じ場所の今の様子。

クリーク
クリーク
マジュリス
マジュリス

マジュリスとは、政治家などお偉いさんが集まって話し合いをする場所です。

次に、バスタキーヤ地区へ徒歩で向かいます。途中、オールドスークと呼ばれる昔ながらの商店街を通ります。まだ午前10時前後ですが、気温は既に40℃越え。海に近いので湿度もかなりあり、汗がだらだら止まりません(笑)。本当にドバイの8月は暑い!でも、空気は綺麗で埃っぽくないので、決して不愉快ではありません。

古い昔の監視塔
古い昔の監視塔

途中、古い建物は何とかギャラリーとか、何とかミュージアムとか結構いろいろあります。

伝統スタイルのアートギャラリー
伝統スタイルのアートギャラリー
途中の野良猫
途中の野良猫

アラブ人は猫が大好き。近づいても全然逃げません。

オールドスーク
オールドスーク

オールドスークは観光名所ですが、客引きがうるさい店が結構ある!特に、要注意はドバイの民族衣装を売る店。歩いたら3回ぐらい店の兄ちゃんに強制的にアラブの頭に被るカフィーヤと呼ばれるスカーフを着けようとして、店に呼び込む作戦。要らないと言っても腕やシャツを掴まされる(破れそうなほどの勢い)。ぶん殴りたかった(笑)。商店の兄ちゃん達はほとんどがアフガン人、パキスタン人、インド人らしき人でした。

オールドスーク
オールドスーク

オールドスークから更に徒歩でバスタキーヤ地区へ南下。この辺りから、対岸のデイラが見えます。同じドバイでも、まだ昔ながらの風情を残しているので、景色も高層ビルが無く、ほのぼのとします。また、このオールドスークの前からアブラと呼ばれる渡し船に乗れ、対岸へ渡れます。景色も良いので、お勧めです。

デイラ地区を望む
デイラ地区を望む

ディワンモスクと呼ばれる美しい白亜のモスクが現れたら、バスタキーヤ(Bastakiya)地区の入り口です。ここは古い建物が集まり、改装して各建物は博物館だったり、カフェだったり、文化センターだったりします。Sheikh Saeed Al Maktoum Houseに並ぶドバイに訪れたら是非散歩してみたい地区です。非常に小さな地区なので、端から端まで歩いても徒歩5分ぐらい。舗装された細い路地が間に入り組んでいて面白いです。

ディワンモスク
ディワンモスク
バスタキーヤ地区入口
バスタキーヤ地区入口

なんだかタイムスリップしたみたい!暑いけど、わくわく感が沸いてきました。

古いヘリテージハウス
古いヘリテージハウス
コーヒーの展示室
コーヒーの展示室
伝統スタイルのリビングルーム
伝統スタイルのリビングルーム
お洒落な路地
お洒落な路地
古い民家内部
古い民家内部
路地
路地

この地区には、ドバイ王の名に因んでSheikh Mohammed Centre for Cultural Understandingと言う、要は文化センターです。もっとドバイの文化を世界に知ってもらおうと、ここでは様々なアクティビティーが実施されている様です。この中で面白いのは、ドバイ伝統料理のランチ。レストランが山ほどあるドバイですが、レバノン料理などのアラブ料理を提供するレストランはあっても、中々この湾岸地域の料理を提供するレストランはありません。ここでは有料ですが、事前予約にて床に座って集団で食べる伝統スタイルでランチが提供されます。生憎、ランチまでには空港へ行かなければいけなかったので、ここはスキップ。楽しそう~♪

ちなみに、この辺の湾岸料理は正直質素です。元々砂漠型気候で食べ物はとても限られてしまうので、大体メインは羊かラクダ肉の炊き込みご飯(ビリヤーニの辛さをなくしたもの)です。アラブ人は辛さが苦手なので、実は結構日本人には優しい味付けです。

SMCCUで昼食の準備
SMCCUで昼食の準備

最後に、バスタキーヤ地区からすぐにあるドバイ博物館へ。ここは、昔のAl Fahidi Fortという砦を改築して博物館にしています。昔ながらのドバイの体験するには面白いです。とても小さな砦なので、ほとんどは何と地下に展示室があってハイテクです。

ドバイ博物館
ドバイ博物館
昔の生活スタイルを再現
昔の生活スタイルを再現
オアシスの様子を再現
オアシスの様子を再現
地元女性による刺繍の展示
地元女性による刺繍の展示

ドバイの良さはこれら文化遺産を訪れて初めて解ります。アブダビのお陰で石油収入が国全体に回っていますが、ドバイ政府は伝統文化を忘れない様にと努力をしているのがよく理解できます。いくら国が裕福になっても、彼らのバックに支えているのはイスラームの教え。解放感ある雰囲気のドバイですが、地元の女性は顔や髪を隠している方は多いですし、保守的ではあります。旅行する醍醐味の一つは、リゾート気分を味わうのも良いですが、一番はその土地の文化を知る事だと思います。

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