2023年はバラ色のシンガポール航空
シンガポール航空は絶好調です。
バラ色その1:業績が絶好調!
まず、2023年に5月に発表された、2022年4月〜2023年3月の企業決算。
コロナ禍であったにも関わらず、シンガポール航空グループ(子会社のLCCスクートを含む)はUSD 16億の純利益を記録して当社76年の歴史の中で過去最高!
前年では約USD 7億の損失だったので、かなり頑張ったと言えます。
あまりのサプライズに、なんと役員以外の社員は最高8ヶ月分の賞与を配られました。
![IMG 0991 1 シンガポール航空A380機](https://flysushimaru.com/wp-content/uploads/2018/02/IMG_0991-1.jpg)
<シンガポール航空CEOの年収は7.2億円!>
シンガポール航空の代表であるGoh Choong Phong氏。
2021年度の収入は3.96億シンガポールドルに対して、2022年度は6.73億シンガポールドルへ88%の給料アップ!
2023年6月末時点の日本円換算で、約7.2億円になります。
因みに、日系大手二社社長の年収は公表されていませんが、数千万円とされている様です。
ざっと大まかに計算すると10倍は稼いでいる様ですね(汗)。
まぁ、元々資本主義大国のシンガポールでは所得格差はかなりある様ですが。
バラ色その2:スカイトラックス社より2023年は世界一の航空会社に認定
先日、世界最大のエアラインサービスのリサーチ会社であるスカイトラックス社より、シンガポール航空が世界1位の航空会社としてランクインされました。
2023年発表のトップ10位は以下の通り(かっこは2022年):
1位(2位):シンガポール航空
2位(1位):カタール航空
3位(4位):ANA
4位(3位):エミレーツ
5位(6位):JAL
6位(7位):ターキッシュエアラインズ
7位(8位):エールフランス
8位(16位):キャセイパシフィック航空
9位(18位):エバー航空
10位(9位):大韓航空
このリサーチ会社による評価基準が正当であるかは様々な意見がありますが、少なくても知名度はあるのでこのインパクトは大きいかもしれません。
因みに、世界トップ5位の航空会社に日系の2社が入りましたね。
バラ色その3:コストカット化が明確!
これは企業にとっては嬉しいですが、顧客にとっては全然嬉しくありません。
そもそもシンガポール航空の業績が良かった理由に付いて驚きはありません。
なんせ、シンガポール航空は近年エコノミーやプレエコでのコストカットが目立つからです。
代表する3つのコストカットを挙げてみましょう。
<コストカットその一:新しい機材ほどエコノミーの座席が狭い>
シートはとても機能的ではありますが、最新の中距離用機材のエコノミー座席はかなり足元が狭いです。
この座席はフライト時間が7時間にも及ぶ日本路線を始め、遠くドバイやオーストラリアへも飛ばしています。
![IMG 3919 近距離路線用A350のシートピッチ](https://flysushimaru.com/wp-content/uploads/2022/11/IMG_3919.jpg)
同路線のJALボーイング787のシートはこう。
![IMG 3543 JAL787のエコノミー](https://flysushimaru.com/wp-content/uploads/2022/09/IMG_3543.jpg)
<コストカットその二:機内食の簡略化>
その昔、シンガポール航空と言えばエコノミーでも非常に充実した食事を提供する事で知られていましたが、今では業界内で最もしょぼい内容になりました。
例えば、シンガポール→ムンバイ便。
![IMG 3940 シンガポール航空の朝食](https://flysushimaru.com/wp-content/uploads/2022/11/IMG_3940.jpg)
副菜は提供されなくなりました。
日本便に限っては、冷たい蕎麦かうどんは付く様ですが、以前あった副菜プレートが姿を消す様になりました。
今度はプレミアムエコノミーでシンガポール→成田便(SQ 12)の2017年と2022年を比較。
![IMG 1058 1 2017年の機内食](https://flysushimaru.com/wp-content/uploads/2017/09/IMG_1058-1.jpg)
2017年に乗った時はとても充実して満足しました。食後にBen & Jerryのアイスクリームも付きました。
![IMG 1068 1 2017年の機内食(食後)](https://flysushimaru.com/wp-content/uploads/2017/09/IMG_1068-1.jpg)
ところが、2022年になれば食事内容を昼食から朝食へ変えて簡素化へ。
![IMG 3372 2022年の機内食](https://flysushimaru.com/wp-content/uploads/2022/05/IMG_3372.jpg)
日系で比較すると、例えばJALであれば同路線のエコノミークラスはここまで力を入れています。
副菜が豪華です。
![IMG 3618 JALのエコノミー機内食](https://flysushimaru.com/wp-content/uploads/2022/09/IMG_3618.jpg)
<コストカットその三:イヤフォンが音質の悪い安物>
とてももったいないです。なんせ、シンガポール航空は非常にエンターテインメントのオプションが豊富なのに、エコノミークラスで配られる使い捨てのイヤフォンの品質がとても粗悪だからです。
![IMG 3927 粗悪な品質のイヤフォン](https://flysushimaru.com/wp-content/uploads/2022/11/IMG_3927.jpg)
これ、ANAだったら耳に優しいこんな立派なヘッドフォンがエコノミーでも提供されます。
![IMG 5635 ANAエコノミーのヘッドフォン](https://flysushimaru.com/wp-content/uploads/2023/06/IMG_5635.jpg)
<シンガポール航空の長所は沢山ある>
コストカットは明確になっていても、クルーの対応はとても良いし、エンターテインメントはとても充実。また、羽田や成田に就航しているボーイング777機は業界で少なくなったエコノミーゆったり横9席の配列を維持しています。
昔のシンガポール航空を知っているとどうしても過去のレベルと比較してしまうので、相対的に期待値が下がってしまい、がっかりしてしまいがち。
シンガポール航空のエコノミーを楽しむには:期待をするな!
期待をしなければ、とても良い航空会社である事は変わりないでしょう。
まとめ
エコノミークラスで比較すると明らかにシンガポール航空よりも日系の方が様々な面でレベルが上だと実感させられます。運営方針としては、シンガポール航空の方が利益重視で健全かもしれませんが。ここまで業績が良いと、もう少し乗客に還元して!と思っちゃいますね。