僕は10代の殆どを、インドのデリーを拠点としていました。
そのため、飛行機を利用する理由の大半が日本へ一時帰国する事です。
当時、デリーと日本(東京)を結ぶ直行便はエアインディア、JAL、そしてANA。
ただし、本数は少なく、ANAが週2便、JALはたったの週1便のみと結構不便でした。
東南アジアを経由すれば毎日運行なのでオプション幅は広がり、希望のスケジュールに合いました。
<一時帰国は基本一人で;航空会社の選択は自分自身>
14歳以降、インドと日本間の一時帰国は基本一人で飛行機に乗る事が多かったです。
当時、母親はインドに、父親は日本に居ました。
インドにどっぷりハマった母はあまり一時帰国に積極では無かったのも要因の一つです。
デリーではお世話になっていた航空券代理店があり、ガリレオと呼ばれるGDS(飛行機予約発券システム)の使い方をそこで教わり、自ら飛行機を予約していました。
選択の自由があったお陰で、毎度好きな航空会社を利用する事ができたのはとても良かったです。
5位:タイ国際航空
<良さはエコノミークラスの座席の広さ>
当時、タイ国際航空(以下タイ航空)の主力機材と言えば、ボーイング747。
コロナ禍直前まで羽田便にも導入されていた機材です。
90年代後半・2000年代前半はエコノミークラスでまだシートテレビが設置された機材は無く、エンターテインメントは期待できませんでしたがですが747のシートピッチが何と言っても34インチと広くて快適だった。
2010年代あたりにシートテレビ付きの座席にアップグレードされましたが、それでもシートピッチは従来のまま34インチに保っていたので快適は保たれていました。
<747が引退しても777は数少ないゆったり横9席配列>
タイ航空のボーイング747は引退しましたが、それでも現役のボーイング777では快適な横9席(3−3−3配列)を保ち、横10席が主流の今では珍しくなりました。
<ハズレの無い機内食>
昔から、タイ航空の機内食は安定のクオリティーです。
日本便のランチかディナーは大抵タイカレーか日本食が指定できますが、ボリュームもあり悪くない。
正直、タイ航空はあまりパーッとしない航空会社ですが、コストカット化が進む現在でも昔とあまりサービス内容が変わらない、古き良きエアラインと言う印象です。
4位:ANA
<日系航空会社として初のエコノミークラスにシートテレビ設置>
ANAはデリー⇄成田間をバンコク経由で乗っていました。
最初はボーイング767-300ERを投入し、後程ボーイング777-200へ機材が大型化。
日本の航空会社で初めて国際線仕様機材としてエコノミークラスにシートテレビを設置されたのがこのANAの777で、当時としては革新的でした。
ANAの楽しみは日本語チャンネルと機内食。
<機内食は以前の方が豪華だった>
今でもANAの機内食は他社と比較すると立派な方ですが、以前の方が更に副菜が豊富で豪華でした。
例えば、以下は2013年のデリー→成田便の朝食。
朝食でここまで立派な機内食って他には見当たりません!
<長距離用機材は横幅が狭くなってしまったが、シートピッチは広く保つ>
当時の777は3−3−3配列で座席もゆったりとしていましたが、777-200が引退して後続機材である787は胴体が細いのに同じ配列を保ち、座席の横幅が狭くなってしまい残念。
ただし、その代償として足元のシートピッチは34インチとゆったりしていますけどね。
相変わらず、サービス面や提供内容は良いので当時と遜色は無いです。
3位:キャセイパシフィック航空
キャセイパシフィック航空(以下キャセイ航空)の良さは何と言ってもブランド力。
国際色なクルーが集まり、落ち着いた機内の内装、そして豊富なエンターテインメント。
座席はそこまで広い訳でも無く、機内食は正直そこまで感動はしないし今でもそうだけど、安心感がある航空会社です。
今では何気に枕や毛布が良質で座席も革新的であり、結構好みです。
2位:シンガポール航空
ここから一気に愛着心が増します。
<昔のシンガポール航空はここが凄いぞ!>
90年代〜2000年代、シンガポール航空はエミレーツ航空と並びエコノミークラスのサービスがずば抜けて良かったです。
エコノミークラスの何が素晴らしかったか:
*全席シートテレビが設置されて映画のオプションが非常に豊富!
*ドルビーサウンドのヘッドフォンが提供されて左右異なる音響効果を楽しめた
*機内食が美味しくて豪華!
*メニューカードが配られた
*ゆりかご式の座席でリクライニングすると尻の部分が持ち上がり前方へスライドする仕組みでとても快適だった(ボーイング777のみ)
*クルーのサービスがテキパキしていてとても居心地良かった
*化粧室には歯ブラシセットや髭剃りセット、櫛などが常備してあった
日本路線の機内食はこんな感じでボリュームたっぷりで豪華。
しかも、和食と洋食で別々の前菜やデザートが用意されていました。
でも!
<コストカット化が鮮明になった>
2022年に実に16年ぶりにシンガポール航空のエコノミークラスを利用した際、様々なコストカット化が鮮明になる事を気づかせてくれました。
まずは座席が結構硬くて狭い!
ヘッドフォンから使い捨ての粗悪イヤフォンへ。
一番変化が見られたのは機内食。
日本路線では、メインディッシュが従来の2種類から3種類選べる様にはなって選択の幅は広がりましたが、前菜は蕎麦のみになり、以前の様に麺類+副菜一皿ではなくなりました。
また、洋食と和食で分かれていた前菜やデザートは統一。
まぁ、以前があまりにも凝りすぎていたというのもありますが、もうあの豪華シンガポール航空エコノミークラスでは無くなりました。
その他、エンターテインメントの種類が豊富なのは以前と変わらないですし、クルーのサービスもとても好感度高いです。リクエストベースで歯ブラシセット等のアメニティーももらえますし、以前と同じサービスを提供する部分も残ります。
1位:エミレーツ航空
<エコノミーはどんどん良くなって進化していく🎵>
昔から変わらずに今でも上質なサービスをエコノミークラスで提供する航空会社は、エミレーツ航空!
いや、むしろ以前よりも全体的に良くなっている!
エミレーツ航空は1997年に乗った時から大ファンになり、当時は世界で唯一の全機材のエコノミークラスにシートテレビが設置されていた航空会社でした。
まだJALには設置されていなく、ANAがようやく新しく導入されたボーイング777-200に設置され始めたぐらいです。
チャンネル数はたったの6種類でしたが、当時としてはエコノミークラスでシートテレビが設置されていた航空会社はとても限られていたので、興奮しました。
エミレーツ航空の機内食も豪勢!
例えば、1997年のパリ→ドバイ間の機内食。
今でも、そのクオリティーを保っています。
2016年に乗った短距離であるドバイ→デリー間の機内食。
デザートは結構人参🥕を使用したインドの高級デザート、ガジャ・ハルワーでプレゼンも凝っていて、エコノミークラスのレベルを上まっていました。
こちらは2022年のドバイ→フランクフルト間機内食で事前予約したビーガンミール。
何と、チーズまでビーガン(乳製品不使用!)。
ビーガン機内食って、野菜ばかりのつまらない食事が提供されるパターンが多いのに、しっかりもち麦や豆類をたっぷり使用して健康を考えられている。
ビーガンチーズをエコノミークラスで提供するから驚き。
<日系よりもエンタメが豊富!?>
エミレーツ航空の凄さは豊富なエンタメの種類。
その数なんと6,500種類!!!
全てを観るとしたら毎日24時間視聴しても1年以上かかるのでは?
だって、日本語対応のチャンネルだけでこれだけあるのだから。
<ヘッドフォンのクオリティーが高い!>
エコノミークラスで提供されるヘッドフォンでは一番のクオリティーでは?
さすがエンタメに力を入れている航空会社だけあって、ヘッドフォンも手抜きしません。
<エコノミークラスでもアメニティーキットが提供される>
エミレーツ航空の長距離路線ではエコノミークラスでもソックス、歯ブラシセット、アイマスクが入ったポーチ型のアメニティーキットが提供されます。
エコノミークラスでは珍しくなりました。
<ボーイング777のエコノミークラス座席幅だけは魅力では無い>
90年代に各航空会社がボーイング777を導入する様になった時、当初から座席を詰めていたのがエミレーツ航空。
以前はエミレーツ航空を含む数社のみが、横10席の配列で設定していました。
現在では多くの航空会社で同機材の横10席配列が当たり前になりましたが、やはり狭く感じさせられます。
これがエミレーツ航空のボーイング777で唯一弱点です。
まとめ
この20年間、エアラインのコストカット化が鮮明になりつつありますが、全てがそれに当てはまる訳では無い事が証明されたと思います。昔の良さを今でも保っていたり、超素晴らしいエコノミーから「普通」のエコノミーの仲間入りに入るつつものもあれば、どんどんクオリティーが高くなって進化していくのがあったりと様々です。