ターキッシュエアラインズの長距離ビジネスクラスに乗るのは夢でした。理由は機内食の内容が非常に豪華に見えるから。
ターキッシュのビジネスクラスは3年前に同じ期待でそこそこの距離があるイスタンブール→デリー線に搭乗しましたが、残念ながら短距離路線用の機内食で思ったよりも楽しめなかった。だから、今回の区間がこの世界一周旅行のフライト部門ではハイライトです。
この区間で今までビジネスクラスとしては最長の距離を乗りました。スケジュール上のブロックタイムで13時間05分、実際のフライト時間も12時間46分と、これだけ長いとビジネスクラスの快適さがかなり実感させられます。
まずはチェックイン。
サンフランシスコ空港の国際線ターミナルはモダンで広々として、アメリカでは結構好みの空港です。

最初にカウンターに到着した時はまだ早すぎてチェックインが始まっておらず、暫くしてオープンしました。



EVA航空ラウンジとユナイテッドクラブラウンジを満喫後はターミナル間を行ったり来たり30分ぐらい歩く事にしました。ターキッシュでは機内食が豪華な事で有名なので、今まで食べたラウンジ飯をしっかり消化してから、またしっかり食べれるように。



さて、並んでいたら、ここでゲートの係員から一点お願いされました。
座席を移ってもらいたい、と。
老夫婦で席がばらばらになってしまい、一緒に座りたい、という理由。こういう時、非常に迷います。新しい座席は通路側になってしまうし、この様なレジャー旅行の場合には窓際に座るのはマスト。
ここは申し訳ないけど断らせてもらい、窓際へ移る事が出来なければ対応する事はできず、別の乗客にお願いしてもらう様に伝えました。

フライトは出発が遅れる予定。1時間程度ですが。
航空会社:ターキッシュエアラインズ
便名:TK 80
フライト区間:サンフランシスコ→イスタンブール
フライト利用日:2017年9月3日(日)
予定出発時刻:18:10発
実際の出発時刻:19:13発
予定到着時刻:17:15着
実際の到着時刻:17:59着
時刻表上のフライト時間:13時間05分
実際のフライト時間:12時間46分
機種:ボーイング777-300ER
利用クラス:ビジネス
座席番号:3K→5K
機材番号:TC-LJI
機材導入日:2016年6月16日
まだ導入されて1年たらずと新しい機体です。機内へ入ってまずはクルーの笑顔に迎えられ、最初の印象はとにかく広々としている!ドア①とドア②の間にはたった4列しかありません。
座席は前方から3列目の3K。サンフランシスコの市街を空から撮影したかったので、右側の窓際はマストでした
さて、ターキッシュの搭乗時に流れる音楽は結構好きです。今でも時々YouTubeで頻繁に聞いている程。あぁ、これからイスタンブールへ飛ぶんだな、という気分にさせてくれます。




さて、ここでハプニングが。またシート変更のお願いです。
ゲートにて既にシートの変更をお願いされましたが、ここは申し訳なく断りました。
その後アナウンスで他の乗客を呼んでいましたが、きっと誰も変更に協力してくれる方が居なかったのですね。もし変更した場合、座席は通路側になり、この路線はグリーンランドなどの景勝地上空を飛ぶ事から、窓際はマストでした。
まずはご年配者の旦那が隣の座席3Jに座り、その後座席の離れた婦人が交渉に参りました。
婦人:「夫は持病があって私の隣に座らなければいけません。どうか変わって頂けないでしょうか。」
すしまる:「申し訳ないです、私は景色を楽しむためにわざわざこのフライトを選んだので、窓際から離れるのは申し受ける事はできません。もし、他の座席で同じK番号であれば、良いですが。」
ここは、クルーを呼びましたが、フライトは満席であるのを理由に、交渉には立ち会ってくれなさそうな感じ。とても良い感じのクルーだったのですがね。
ターキッシュの地上スタッフもたまたまその場で通りましたが、あまりに相手にしてくれなそうな感じでした。
とりあえず、婦人は自分の座席、通路側の5Gへ着席。僕もちょっと落ち着きません。やはりこのご年配夫婦に長旅は楽しんでもらいたい気もちはあります。
暫くして、婦人が戻ってきて、5Kの乗客と交渉して、5Kから5Gへ移ってくれる事になりました。
婦人:「何とか5Kの窓際座席を確保できましたが、どうでしょうか?」
すしまる:「問題ありません。」
婦人:「本当にありがとうございます!感謝します。」
5Kはバルクヘッド(隔壁席)で正直あまり好みでは無いですが、これで誰かを喜ばせる事ができなるならしょうがないです。少なくても、同じ窓際だったので問題が解決ができて良かったです。




ウェルカムドリンクのスタートです。飲み物の種類は、オレンジ、ストロベリー、そしてローズ。

そして、メニューが配られました。
とにかくで。か。い。!びっちり細かく記載されていました。
そう、ターキッシュの機内食が、このフライトで一番楽しみだった事です。以前乗った同航空会社のビジネスでは、長距離では無かったので思ったよりショボかったため、皆が絶賛するちゃんとしたフルサービスの機内食を体験したかったのです。

開くとすぐに朝食メニューが。事前にここで欲しいものを記入をして、クルーに渡します。


続いて、ワインメニュー。
この時に、2杯目のウェルカムドリンクを。今度はローズと蜂蜜のトルコ伝統?の飲み物。これ、めっちゃ美味しかったです。

以下、メニューの詳細は、実際の食事の時のレポートになった時に案内します。
次に、ヘッドフォンとアメニティーキットが配られました。丁度このぐらいの時に、担当のクルーが自己紹介をしてきました。
「私がこの列担当のアデムと申します。宜しくお願い致します。」
おぉ、しっかりしているな。乗客一人ずつでは無く、その座席の列に向かっての挨拶でしたが、気分が良くなります。ターキッシュのクルーは全体的にとても感じが良いです。以前3年前に乗った時よりも、全体的にクルーの対応がもっと丁寧になった印象でした。

アメニティーキットはベントレー!え、ミニカーの模型でも入っているの?と思いきや、コスメ類も製造しているらしいですね。


ベントレー製のリップバームとモイスチャークリーム以外は、一般的な内容でした。


Skylife Businessという、ビジネスクラス用の機内雑誌がありました。エティハド航空など一部航空会社は普通の機内雑誌とは別に上級クラス用の雑誌を用意している場合があります。内容はちょっと富裕層向け。

ちなみに、エンターテインメントコントローラーの設置が縦横逆でした。いい加減(苦笑)。

隣にはユナイテッド航空のB747機が。もうすぐで、この機材ともおさらばですね。

そして出発。



出発が1時間程遅れたため、かなり暗くなってしまいました。もうほとんど夜。



そして一番撮影したかったのがゴールデンゲートブリッジ。何とか端っこだけ撮れました。


景色はこの辺にして、機内サービスへ。
まずは、Wi-Fiから。ターキッシュのビジネスクラス乗客は、インターネットが無料で使用できます。


ターキッシュのエリート(スタアラゴールド)会員だと、会員番号を打ち込めばエコノミーでも無料で使用できます。
ビジネスクラスの乗客は赤いボタンをクリックして、名前と座席番号を打ち込めば使用できます。
ネットのスピードも悪くないです。ビジネスクラス乗客や上級会員だからという理由でWi-Fiを無料にしている航空会社は少ないので、この点はプラスです。
そして機内エンターテインメント。
映画は何をみようかな、と思っていたところ、一つ気になった映画が出てきました。
日本とトルコの合同作成で、日本語名は「海難1890」、トルコ語名は「Ertugrul 1890」というタイトル。
日本・トルコ友好125周年を記念して2015年に制作された様です。エルトゥールル号遭難事件は、日本とトルコの長い友好関係の基ともなる事件で、是非日本人の皆様に知って頂きたい。
ウィキペディアのページはこちら。
これは是非観ないと!

東映映画チャンネルより予告編
離陸後最初のサービスはチョコレートから。ちょうどイスラム教のお祭り、イード・アル・アドハーの時期だったので、チョコレートにもそのメッセージが。

ここでメニューを紹介します。



お茶の種類が半端無いです!色々なハーブをミックスしたり、かなり凝っている飲み物メニュー。アイスティーも2種類。





ナッツのサービスから始まりました。飲み物は当初頼んだ冷たいお茶とは別物が出てきました。その事を担当クルーのアデムさんに伝えたら申し訳なさそうに、すぐに取り換えてくれました。
最初のお茶も結構美味しかったですが。

実際頼んだのは、「Comforting Tea」。
ルイボスティー、カモミールティー、ミント、ラベンダー、そしてデーツ(ナツメヤシ)の甘いシロップが入ったもの。こんなの機内で飲んだことない、というかどこでも飲んだことない!これかなり美味い!
ターキッシュやります。機内食前から既に感動モード。

そして、夕食の準備が。ワクワクしてきました。すべてカートサービスで。まずは女性クルーのジャナンさんがセットアップしてくれました。愛想がとても良いクルーだった。

ターキッシュの機内食名物の一つと言えば、キャンドルライトのサービス。紙の中でゆらゆら光が揺れています。

このキャンドルライト、本物ではありません。ただのランプで、ゆらゆら輝かせています。流石に本物の火だったら危ないですもんね。。。

さて、ターキッシュの機内食が人気の理由は、Do&Co(ドコ)とのケータリングを提携している事です。オーストリアのウィーンにあるグルメのレストラン兼ホテルで知られるDo&Co。
ターキッシュの他に、オーストリア航空のビジネスクラスが機内食として提供しています。ルフトハンザはファーストクラスで。だから、ターキッシュとオーストリア航空はビジネスクラスの機内食が大変美味しい事で有名になっています。
オーストリア航空は昨年体験して、それを証明してくれました。





直ぐに、前菜のワゴンカートが。
前菜は2種類用意されてあり、欧風シーフードか、トルコ風メッゼ。シーフードを選択しました。
その他、サラダとスープが。スープは濃厚なトマトスープ。サラダのドレッシングはシンプルなレモン・オリーブオイル。ヘルシーです。





どれもう。ま。い。!期待通りの味。
メインは、ビーフステーキ、サーモンのクリームソース、マッシュルームラビオリからの3種類でした。無難なビーフステーキを頼みましたが。。。



そっか、ターキッシュは母国がイスラム教の国。
イスラム教の教えでは、肉を焼く時完全に血抜きをしなければなりません。そう言えば、イスラム諸国の航空会社で美味しいステーキは食べた事が無いな。
エティハドのファーストクラスなど、イスラム教徒以外のシェフが搭乗している場合にはミディアムとかにしてくれるかもしれませんが、基本的に期待しない方が良いかもしれません。キョフタなどハンバーグ状にするとめちゃ美味しいですが。
ウェルダンでしたが、肉自体は美味しかったです。付け合わせのルッコラがとても新鮮だったし、ジャガイモは甘くない大学芋みたいな歯ごたえがあり、どれもクオリティーは高かった。
さて、甘党の自分にとって一番のメインはデザート!ターキッシュのデザートは豪華であった事は前から聞いていました。


好きなだけ頂けるので、ラズベリーとアーモンドケーキ、チョコレートムース、新鮮なフルーツ、そしてチーズプレートをもらいました。
その他デザートのオプションにはキャラメルヌガーのタルト、パンプディングがあり、こちらもマジでもらおうと思ったけどもうテーブルに置くスペースが無いので諦めました!




大満足!もうこれでターキッシュに乗るミッションは完了しました(笑)。


夕食が終了後、クルーが一斉に各シートを回りベッドメーキングをしてくれます。ちょっとその間トイレを拝見。

化粧室は落ち着いた雰囲気で本物の鑑賞用植物がありました。オシャレです。

アメニティーは、高級コスメメーカーで英国王室御用達のモルトンブラウン製。

キャビンは暗くなっていました。壁のターキッシュのロゴがいい感じです。

さて、ベッドをフルフラットに。

ベッドシーツがあるのは嬉しい。結構多くの航空会社ではビジネスクラスでも毛布は出すけど、シーツは提供しません。これがあるかないで快適度が違います。直にシートの上で寝るってちょっと抵抗ありますので。
シートは本当に長い!身長167センチで僕の足はオットマンには届きませんでした。

本当に快適。
スタッガードと違い、足元のスペースが十分に余裕なので、解放感があって楽です。
通路側に出るときは隣人をまたがなければなりませんが、フラットモードだと座席が下がるので、相手がフラットの場合には起こさなくてもまたぐ事ができます。


まだこの時点でイスタンブールまで9時間以上あります。でも興奮しすぎて眠れないジレンマ(笑)。少し寝たかな?多分、うとうとしていたと思う。
そして、このフライトのハイライトはグリーンランドの景色をしっかり目に留めておく事。
14年前にロンドンからサンフランシスコへ飛んだ時、初めて見た真冬のグリーンランドの景色が超印象的で、是非もう一度見る事を楽しみにしていました。



9月上旬だというのに、小さな流氷が沢山海に浮かんでいます。



あぁ、このグリーンランドの興奮で完全に目が覚めてしまいました。まだイスタンブールまで4時間ぐらいあります。
到着1時間半前に朝食サービスが開始されました。

朝食は、記入用紙で希望する品目にチェックを入れた内容が出てきますが、頼んでおいたはずの鶏の胸肉とスモークした七面鳥肉の小皿が付いていませんでした。
まぁ、かなり昨晩の夕食で腹がいっぱいだったので気にしません。
ミックスベリーのスムージーがめちゃ美味しかった。ベリーの粒々した触感があったので、シェフの作り立てかな。最初はフルーツの盛り合わせから(かなりの量!)。






クロワッサン、表面はかりかり、中身はもっちりしていて美味かったです。

そしてメイン。
オムレツです。
ほうれん草、トマト、ハーブポテトと一緒に。もう一つのオプションもただの目玉焼きで、ちょっとチョイスが寂しい。定番すぎて特に感動は正直無かったですが、ポテトは美味かったです。

さて、ターキッシュではイスラム教徒の信者用に、飛行している場所の太陽に合わせてお祈り時間がしっかりと案内されます。例えば、次の礼拝の時間まで何時間何分だとか。今までいろいろなイスラム系の航空会社に乗りましたが、ここまでしっかりと案内をされているのは初めてです。でも、太陽の方向なんてちょくちょく変わるので、数値も結構頻繁にチェンジしていました。結構機内でお祈りするって大変だと思う。


そしてブルガリアを超え、トルコ上空に。典型的な地中海沿岸の夏って感じです。天気は快晴。海は濃いブルー。



この時、到着音楽が流れていました。出発の時とは若干違うバージョンです。これも結構好きです。
到着はゲートへ直結では無く、駐機場に。バスでターミナルまで移動。ターキッシュは成長が早すぎて、今の空港の規模では追い付いていけません。ターミナルは人、人、人でごった返していて決して快適な空港では無いです(ピークで無ければよいかもしれませんが)。
でも、ここに世界ナンバー1のビジネスクラスラウンジがあるのです。正にオアシス。到着が遅れたため乗り継ぎ時間が短くなりましたが、何とかラウンジレポートをします。
<ターキッシュ長距離路線ビジネスクラスの印象>
一言で言うと素晴らしいです。丁寧なクルーのサービス、最高の機内食と飲み物、快適な寝具に座席(でも、窓際でも通路側アクセスができれば更にベスト!)、無料Wi-Fiと豪華なバスルームアメニティーとこれ以上求めるものはあまり無いです。ただ、シンガポール航空や日系と違い、サービスは決して「繊細」には感じません。国民性か、若干いい加減な感じもあります。例えば、小さい事ですがウェルカムドリンクは通常必ず飲み物の名前が記載されたマドラーが付くけど今回は無かったりとか、頼んだのとは違う飲み物を持ってきた、または事前にオーダーシートに記入したサイド品が無いとかはありましたが、指摘すればすぐに気持ちよく変更してくれました。クルーは自然の笑顔があり、強制されていない良いサービスが体験できると思います。
19年前に短距離路線で当時トルコ航空のビジネスクラスを利用した時はサービスは特に笑顔がある訳では無く、「普通」の印象の航空会社だったのが今では世界トップクラスまでに成長しました。大満足のフライトです!
【搭乗評価】
出発空港でのスタッフ対応(ラウンジを除く):☆☆☆
機内クルーの対応:☆☆☆☆☆
アメニティー・シートの設備:☆☆☆☆☆
シートの快適度:☆☆☆☆☆
機内食・飲み物のクオリティー:☆☆☆☆☆