以下の記事、実は一か月程前に作成をしたのだけど、ネガティブな内容の記事を投稿するのもどうか。。。しかも一方的な価値観の偏見があるかもしれないと思ったため、投稿寸前で辞める事にしてアーカイブフォルダーに片付けました。
ただ、自分なりに記事の内容を「良い教訓」として今を生きている上で、やはり参考として投稿する事にします。
今の日本は働き手不足とも聞き、ある意味「どの企業でもある程度はブラック」というのはあるかもしれません。
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先日、気になっていた方にお会いしました。
Mさんは旅行業のベテランで、僕が2か月で退社したT社に以前4年程勤めていらっしゃいました。MさんがT社を退社された後に僕が入社し、同じ営業担当を任せられました。Mさんと同じデスクだったので残された資料やお客様関連の情報もたくさんあり、自分が営業経験が無い事からMさんの実績が凄いなぁ~と感動していたことから個人のメールアドレスを発見し、挨拶メールをお送りしました。それから少しやり取りをしました。
そして、遂にお会いする切っ掛けができた!
これからのH2の将来のためにお話しを参考にさせてもらいながら、T社のお話になりました。T社は、基本給は少ないのですが、T社社長曰く
「営業でしっかり客をゲットできれば成果報酬としてしっかり給料へ還元する。当社は外資系だからな。」
とこの言葉をずっと信じて入社しました。確かに、欧米系は成果報酬の規模が日系とは全く違う事はしっていましたし、欧米で活躍している親しい西洋人もこの事実が当てはまっていました。
MさんはT社で沢山のお客様を持っており、合計で一千万円近くもするような大人数のツアー案件のファイルを確認すると担当者はMさんの名前が多かったので、さぞ成果報酬をたっぷり得る事ができる事ができたんだなぁと思っていた。
が、それをMさんに実際伝えると、そんな事は全く無く、もらえても数千円程度との事。
それ以上に、多くの案件を抱えていたMさんは残業も多く、朝6時まで事務所に残って働いていた事もあるにも関わらず、残業代は一銭も出なかったと。
「T社を辞めて正解だよ」
と言われた時は、ちょっとホッとしました。ずっと、根性が無いと自分を責めていた部分もあったので。Tさんも、給料が全く上がらず、転職をされて今は他の旅行会社にて部長として活躍をされております。
やっぱりそうだったか。所謂ブラック企業。噂に聞いていたけど、まさか自分がそんな会社に勤めていた事にショックでした。Mさんと話していて、
「もっと早く気付くべきだったねぇ」
とお互い同じ事を言っていました。そう、一度その会社の社長と面談もしているのに、見抜けなかった事自分が馬鹿だったと思います。
あれ?と思う事は多々あったので、ここで「ブラック企業」の見極め方を少し触れたいと思います。
<入社前>
①話がぶれる
入社する7か月前に応募した直後、社長から職歴が魅力だと返信が来て、すぐに内定の返事を頂けた。え、もう内定?と思い、とりあえず一度面談が必要だとの事で入社3か月前に一時帰国した際に社長と会う。
面談では、採用の確立は実は50・50である事を言われ、あれ、ちょっと話が違う?と思った。T社は本社が大阪、支社が東京と福岡にあり、最初から東京を希望していたのだが、それは難しいとの事で、東京以外の場合でもOKした。
ただ、採用確立が50・50であればこちらも他の就職オプションを検討しなければならない旨を伝え、無理なら早めに返事を頂けるようにお願いしたら、即答で「採用」になった。勤務場所は福岡。でも、まだそれは待遇面を教えてくれる前。そこで初めて雇用契約書が送られ、待遇面の通知を頂いた。
②待遇面を詳しく聞くと嫌がれる対応
正直、給与は時給換算すると「まだ普通にコンビニでバイトしていた方が稼げる」程度の額面記載だった。しかも交通費は自費。試用期間が3か月あり、その後の本採用で給与アップが見込めるとの事。
普通だったら、待遇面を通知された時点で入社するかすぐ決めるけど(=こんな給料低い場所嫌だと言う事で)、仕事自体がものすごく魅力で自分が専門的にやりたい地域だったので、自分的にはここで働きたいと意思が強かった。
そこで、実際試用期間終了後、いくらぐらいの給与アップを見込めるか大体でいいから知りたいと頼んだら、
「細かい事をごちゃごちゃ聞かず、まずは心を下さい。」
という答えが。。。これにはこちらもどう反応して良いか判らないけど、とりあえずまずは入ってみるかという結果に。そして、入社する事を決意しました。これが入社2か月前。
③就職者にとって不都合な同意項目の数々
これがちょっと危険に思い始めました。内容は、「入社一年以内に辞めたら研修費用をすべて自己負担します」やら、「会社に損害を与えたら自己負担」、そして一番同意できなかったのは「退職後二年間は同業他社に就職しない事」等に署名しなければならない事(+それ以外にも似た様な関連項目が)。特に退職後の事は先に会社の方へ「同意できません」と伝えたら、しょうがなく暫くしてOKを貰う。この時、きっとこの会社は社員の入れ替えが激しい会社なのだな、と感じ始める。
④また話がぶれる
福岡勤務で決まったはずなのに、入社3週間前になったら今度は東京勤務へ変更される。この時点で「この会社本当に大丈夫か?」とちょっと思い始める。
⑤何が個人負担、何が会社負担が事前にはっきりしない
本格的に勤務する前に大阪本社で一週間の研修期間があるのだが、実家の関東からの交通費が会社側負担なのか、でないのかがはっきりしない。実際に社長へ直接聞いてみると、「総務に確認して」という返事が。大阪での研修中で総務に確認したら、「社長と話して下さい」となったので状況を説明して初めて話が伝わった。結果的には大阪までの交通費は自己負担。ただ、研修後の関東へ戻る費用は会社が負担をしてくれた。
<入社後>
⑥役員が皆家族
入社してから気づいた。役員は3人おり、社長と娘2人がそれぞれ専務と監査人の役職を務めていた。こうなると、一家で会社の権限を持つことになるので、ある意味好き放題できてしまう。
⑦「オフィシャルに働いたらオフィシャルだけの対価(給与)しか払えない」
この言葉をよく社長は連発していました。要は、所定の労働時間だけ働けばその分しか出ない。そして寝る時間も惜しまずに働ければ給与も良くなる。決して強制では無かったけど、Mさんの話を聞いていくら残業しても残業代が無かった事を思うと、これはただの「嘘」になる。
⑧社員教育がほぼ無
研修期間は確かに専門地域の基礎知識を2日間掛けて教えてくれたけど、その他はほぼ無に近い。いきなり「営業に行ってこい」と言われても、所謂伝統的な会社周りの営業はしたこと無いし、どこへ行けば良いかも判らない。渡されたのは分厚い名刺ファイル。
とりあえず片っ端から電話等かけてみると今度は上司の営業先にかけてしまったりして面倒くさい事になり、それなら早く言ってほしいと思った。僕より3か月前に入社した女性は旅行業が初めてにも関わらず、入社当時はほぼ何も教えてくれず、自分で参考書を購入してから色々と調べるところからスタートしたとの事。また、会社から「それぐらいの事は知っていなければ」というプレッシャーを感じるとも言ってた。
⑧法に基づいた社会保険の手続きをしていない
日本であまり働いた事が無いので知らなかったのだけど、労働基準法では2か月以上をフルタイムで雇用する場合って厚生年金や健康保険を含めた社会保険を会社側は付けなければならないのですね。入社前は条件に社会保険完備となっていたはずだけど、実際に総務の方とお話するとこれは正社員になってから、との事。いくら試用期間でも3か月でも本来は適応しなければならないはず。気づいた時にはかなり会社に対してウンザリしていたので、もうどうでもよくなってきてしまっていた(笑)。
⑨お客様に迷惑をかけておきながら反省が無い
離職した一番の切っ掛けがこれ。自分の初案件で、間に社長が入りお客様とやり取りをする作業で始まる。この時、社長が見積計算をして僕がお客様へそれを送る、という作業でスタート。まず社長のお客様への態度が、会ったことも実際のやり取りもした事が無いにも関わらず、
「何も知らない担当者だから適当でよい」
というスタンス。それだから、見積も適当になり、実際その条件で案件を依頼された時、見積額が間違いだったとして社長は大幅に料金アップ。お客様も更にその先にお客Bが居たので、実際契約の成立を先にしていたお客様も怒って担当者の上司に僕が叱られた。
だが、これを「社長のせい」にするのは会社としてみっともないのでとにかく自分が悪かったと謝るが、その様な適当な見積で相手に迷惑をかけたにも関わらず、結果的にこの案件が来るかと思った社長は直接お客様にメールを送り、担当者の名刺のコピーをメールで返信下さいなんて頓珍漢な事を記載し、相手に対して謝罪は一切無し。お客様対応がしっかりできない経営者はとても危険。
こちらとしては何とか料金アップしない様に提案するにも社長が「それだと利益が無い!」と言う事。あとで判ったけど、これは十分に利益が載っていて別に料金アップしなくても会社に損は無かった。そこで僕に「うそ」をついた事と、「利益を取れるだけ取りたい」という欲に完全な事に危機感を感じた。その後、お客様の上司から直接僕の上司と話したいとの事で、社長がメールするにも一切の「申し訳なさ」が無い。
正直、社員には厳しくてもしっかりとしたサービスをお客様に提供するならまだ許されるが、お客様の信用をこれでロスする事を平気でできる様なら会社はうまくいかないと思う。
そして、総合旅行業務取扱管理者の試験にも合格した事だし、試用期間後は更新しない事を決意し、入社後ちょうど3か月前に入る間際に社長に伝えると。。。
⑩辞表を書かされる
即日に退職してほしいとの事。そして辞表を書いてほしいとの事。後から知ったけど、解雇をすれば、試用期間が終わるまでの期間(この場合あとちょうど一か月)の給与をしっかり払わなければいけないから。辞表を出せば、会社側から残りの給与を払う義務は無いし、研修費用に関しても給与から天引きできる。
<離職後>
⑪永遠に求人広告を出している
この会社のホームページには一年半に渡って求人広告を出している(入社当時で一年)。という事は、余程募集条件が厳しいか、社員の入れ替えが激しいか、それとも単なる応募者数が少ないか。ここで、同じ広告の内容を長期で出しているのは何か訳ありだな、という事を後から理解できました。
~結論~
すべてが「悪」ではありません。恐らく社長含め経営者に悪気は無く、「無理をするな」とか気遣ってもらったり、「よく頑張った」と励ましてくれたり、離職後も前上司からラインで新年の挨拶が来たりと、人間味はありました。とても「ブラック」な上司には皆思えないけど、気づかずにそうなっている、という風な感じだと思います。社長はもう結構なご年配でもあったし。
T社の本国では大手旅行会社。日本法人はその支社と思えば、別会社の様だった。その安心感がいけなかったかもしれない。
2か月間、良い社会経験をさせてもらいました。自分を採用してくれただけ感謝はしなければならないかな。これがあったからこそ、今起業する事ができたのだから(今後の成果は別として)。