欧州の空港ではラウンジ目的で出入国が自由にできる!

ヨーロッパの主要空港では、なんとラウンジ訪問の目的で出入国が自由にできます。あくまで2023年時点の話ですが、今後セキュリティーの強化のよって状況は変化する可能性はあります。

日本で例えるとしたら、これから国内線の飛行機に乗るのに、一度出国審査を終えて、国際線のラウンジを利用し、再度まだ入国審査をして国内線の出発便に乗るという発想。考えられませんよね!

筆者も実際、3つの空港で試してみました。フランクフルト・アム・マイン空港(2016年)、チューリッヒ空港(2018年)、そしてパリCDG空港(2023年)です。

<ヨーロッパでは国内線=シェンゲン協定加盟国間の移動>

ヨーロッパの飛行機移動で最も複雑な質問:

「国内線って何?」

通常、国内線とは、その名称通りその国内(ドイツならドイツ内、フランスならフランス内)の移動に限定されますが、ヨーロッパの国の多くはシェンゲン協定を結んでおり、加盟国内は出入国手続きが発生しない、所謂国内線移動扱いになる訳です。

そのため、シェンゲン協定を結んだ国々は空港ターミナル内で「シェンゲン発着エリア」と「非シェンゲン発着エリア」に分かれています。

これ、勘違いしやすいのは、シェンゲン協定加盟国=EU加盟国と思われがちな事。×です

シェンゲン協定加盟国でも、EUに加盟していないスイスやノルウェーが含まれるし、逆にEUに加盟しているアイルランドやキプロスはシェンゲン協定を結んでいません(ただし、キプロスは今後加盟予定)。

なので、同じEU加盟国内の移動でも、例えばフランクフルトとダブリンを結ぶフライトはフランクフルトと東京を結ぶフライトと同じ扱いになり、出入国審査が必要になるのです。

フランクフルト空港
フランクフルト空港

<迷路の様なヨーロッパのハブ空港>

さすが古城で有名なヨーロッパだけあって主要空港の内部は複雑!至るところに出入国審査カウンターや手荷物検査場があり、何度訪れても地図を覚えられない空港ばかり!

迷路の様なパリCDG空港T1
迷路の様なパリCDG空港T1

そんな中、筆者が体験したラウンジ利用のためだけの出入国事例を語ります。尚、分かり易いように、今後「シェンゲン」を「国内線」、「非シェンゲン」を「国際線」と記載します。

<実例その①:フランクフルト・アム・マイン空港>

ルートはルフトハンザ航空利用カイロ→フランクフルト→成田路線

全て国際線区間になります。

この時、ドイツに入国しないで、そのまま国際線出発エリアへ向かう事ができましたが、実はルフトハンザ航空の一番人気のビジネスクラスラウンジが国際線では無く、国内線出発エリアにありました。それが、今でも存在する、A26番ゲート付近のラウンジ。

ここは元ファーストクラスラウンジがビジネスクラスラウンジとして利用される様になり、そのまま施設は一緒(仮眠室がある等)なので、一番充実しているはずなのです。

そう、はず・・・実際、ドイツ入国して、国内線の手荷物検査場に向かい、係員に搭乗券を見せると引っかかりましたが、国内線ラウンジへ行きたいと言うと通してくれました。ここは問題無し。

フランクフルト空港の国内線出発制限エリア
フランクフルト空港の国内線出発制限エリア

問題は、実際ラウンジに辿り着き、ちょっときつい感じの受付職員に搭乗券を見せると

「あなたは国際線だからここは使えないわ。ここは国内線ラウンジなのよ!」

と言われたのですが、本来そんな規制は無いはずだし、普通にその様にラウンジホッピングしている利用者は決して珍しくない。

論争はせず、国内線制限エリアにある出国審査手続きを経て、そのまま国際線のラウンジへ向かいました。

<実例その②:チューリッヒ空港>

ルートはルフトハンザ航空利用チューリッヒ→フランクフルト路線

国内線扱いのフライトです。

この時、フランクフルトより先の同日ファーストクラスの搭乗券を持っていたため、チューリッヒ空港ではスイス国際航空のファーストクラスラウンジを利用する資格がありました。

チューリッヒ空港のターミナル
チューリッヒ空港のターミナル

チューリッヒ空港には、国内線と国際線それぞれにファーストクラスラウンジを設けてあり、両方確認したかったので、国内線ラウンジ利用後に国際線ラウンジへ向かいました。

その際、必要の無い出国審査がありましたが、「ラウンジへ行きたい」と伝えると理解してくれました。パスポートに出国印が押されます。

ラウンジのために出国
ラウンジのために出国

そして、またラウンジ利用後は、スイスに入国します(笑)。

ハイジ列車で国内線エリアへ!
ハイジ列車で国内線エリアへ!

<実例その③:パリCDG空港>

ルートはSASスカンジナビア航空利用パリ→コペンハーゲン路線

国内線扱いのフライトです。

これも、チューリッヒ空港と同じパターン。目的のスターアライアンスラウンジが国際線出発エリアにありますが、国内線搭乗客も利用できるので、一度出国します。搭乗券を見せる場合がありますが、これも「ラウンジへ行きたい」と言えば、パスポートに出国スタンプを押してくれます。そして、またラウンジ利用後に入国手続きをします。

CDG空港のスタアララウンジ入口
CDG空港のスタアララウンジ入口

<大事なのは手荷物検査場や出国審査では搭乗券を見せる際にラウンジへ行くと伝える>

職員や審査官に何か聞かれれば、ラウンジ目的であれば特に疑われる様な事はありませんでした。

<日本国籍は特定レーンを選べる>

シェンゲン協定加盟国の出入国を早める方法:「その他」の列に並ばず、「非EUのビザフリー国籍」に並びましょう。早い可能性があります。もちろん、EU国籍対象のレーンはそのまま通りなので言ったまでもない。「その他」はビザが必要な国籍のレーンなので、その分審査が厳しく、時間がかかる場合があります。

<再度出入国審査がある場合は十分に時間に余裕を>

次のフライトまでに出入国審査を挟む場合には、全く時間が読めない場合があるので、十分に余裕を持ってゲートへ向かいましょう!特に再入国の場合は。また、入国すると言うのは多少のリスクを背負います。審査官の判断で、拒否する事ができない訳では無いので。よほどの事が無い限り、そんな意地悪は無いと思いますが。

<謎のイギリス>

ヨーロッパの主要空港がある国(=ロンドンのヒースロー空港等)で唯一シェンゲン協定にも加盟していないイギリス。ここは状況が不明です。ブリティッシュエアウェイズのホームページを確認しても、ヒースロー空港では「国内線専用」のラウンジは見当たらないので、恐らく国際線と共有だと思われます。もし、ご経験ありましたら教えて下さい!

まとめ

シェンゲン協定加盟国の空港ではこの様にラウンジ目的で自由に出入国が許される場合があります。希望のラウンジが出発便とは異なる制限エリアに位置する際、この方法を活用できます。ただし、再入国しなければならない際には、多少なりともリスクは存在するのでそれを留意する必要があり。

スパム防止のため、コメントは管理者が承認してから反映されます。

「欧州の空港ではラウンジ目的で出入国が自由にできる!」への2件のフィードバック

  1. 通りすがり

    そもそもイギリスは出国審査自体がないです。
    ANAが就航しているターミナルだと、保安検査を抜けた先にある近隣かな?に向かうターミナルビルにはルフトハンザともうひとつラウンジがあったかと。
    保安検査場から15分くらい歩いたところにある、ANAなどの遠方へ向かうゲートがあるビル(扱いは同じターミナル)にはシンガポール航空とカナダ航空だったはずですがあります。
    ANAはシンガポール航空のシルバークリスラウンジに案内されますね。
    流石に徒歩2桁分かかるラウンジに案内すると、乗り遅れが出るからでしょう…イギリスのラストでシンガポールは少々残念ではありますが(笑)

    1. 貴重な情報ありがとうございます!なるほど、出国審査が無いのであればつじつま合いますね。時間に余裕にあれば、エアカナダとシンガポール航空両方のラウンジをハシゴするのも面白そうです!

コメントする

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

最近の投稿

アーカイブ

過去投稿
上部へスクロール