インドのおもしろ国境地帯シリーズ索引
その1:パキスタン
その2:中国(今回はこれ)
その3:ネパール
その4:ブータン
その5:バングラデシュ
その6:ミャンマー
<インド・中国国境>
東西何千キロにも渡って続く中印国境。殆どはヒマラヤ山脈の標高の高いエリアになります。
基本的に両国は国境で主張が異なるので、外国人が中国国境地帯を訪れる際には、Inner Line PermitもしくはProtected Area Permitと呼ばれるものが必要です。これを取得しても、実際の国境ギリギリまでは近づけません。
まずは、西側の国境エリアから。観光客も多く訪れる有名な①パンゴン・ツォは、正に両国の間を跨いでおり、面積の3分の4は中国側に属します。
↑6月〜10月頃は濃い青色で有名なパンゴンツォですがこの写真は4月中旬。。。生憎完全に訪問する時期を誤りました(笑)。湖はかちんこちんに凍っていて湖の上を歩けるぐらい。ここで1泊しましたがオフシーズンで村民のホームステイしか営業していなく、とにかく寒かったです。
奥の山々は中国領土になります。
次は、ラダックを代表するもう一つの湖、②ツォ・モリリ。
ツォ・モリリは実際の中印国境から数十キロ離れていますが、インド軍の基地があり、穏やかながら少し物々しさを感じさせられるところは否定できません。
こんな降水量が全く無い地域で、富士山の頂上を超えた高さでも人間は住めるのですから、とてもたくましいです。
次はもっと南下したヒマーチャル・プラデーシュ州のナコ。こちらの村は山の裏側が中国領ですが、その山は5,000メートルを超えるのであまり国境感はありません。
ここはもうチベット文化圏です。
さて、そこから1,000キロ東へ向かいます。次はシッキム州。
ここには、長い中印国境でも唯一一般人が訪問できて商業用のトラックが行き来できる国境があります。ナトゥ・ラ。残念ながら外国人は立ち入り禁止で許可証が発行されません。
シッキム北部に位置する④ラチュンは、別名「花の谷」と呼ばれ、春には様々な種類のツツジ(シャクナゲ)が辺り一面咲き乱れ、とても美しい場所です。
この地域はチベット系のブティア族が暮らします。
最後にご紹介するのは、中国までわずか十数キロの距離にある、⑤メチュカ村。
ここはアクセスが非常に不便で、辿り着くまで最寄りの定期便が運行する空港から片道3日間が必要です。ここに道路が敷かれたのも、21世紀に入ってからの話。。。それまで、70キロを徒歩で最寄りの道路がある村まで歩かなければならなかった究極の秘境!
↑雪山の裏は中国です。
まとめ
中印国境はヒマラヤ山脈に沿っているため、僻地が多いですが近年中国軍が停戦ラインを無視してインド側に基地を勝手に建てるなどして、度々紛争が勃発しています。幸い、その様な緊迫したエリアは一般人でも訪れられないので安心ですが、パキスタンを除く他の国との国境を比べるとやはり緊張感が漂うのは否定できません。