インドのおもしろ国境地帯その1:前置きとパキスタン編

<前置き>

インドと国境を有する国はパキスタン中国ネパールブータンバングラデシュ、そしてミャンマー6カ国。仕事上、これらのエリアに携わる機会が多かったため、全て間近まで接近する事ができました。

インドの仮想敵国であるパキスタンと中国は国境が厳戒態勢になっているため、直接、これら2カ国はギリギリまで近づく事はできませんでしたが、遠くから眺める事はできました。

これら国境地帯を観察する事で、インドが如何に広く多様性がある国だか理解できて面白い!

これら5カ国の国境地帯を写真エッセイ形式で楽しんでみましょう♪

では西から東へ紹介していきます。

その1:パキスタン(今回はこれ)
その2:中国
その3:ネパール
その4:ブータン
その5:バングラデシュ
その6:ミャンマー

<インド・パキスタン国境>

印パ国境で有名な場所と言えば、両国の守備隊が国境を跨いで毎日セレモニーを行うワーガー(パキスタン名)・アターリー(インド名)国境です。こちらはアムリトサルから車で1時間弱の距離でアクセスも便利です。実は、まだ行った事無いんですよね(汗)。

今回ご紹介するのは、もっと北上したヒマラヤ山脈付近の秘境地域。

さて、このインド最北端地域は、どの地図で参考するかで国境が異なる!

Googleマップでさえ、アクセスする国によってインドの国境線が異なります。今このブログはインドからアクセスしているので、インドの主張する国境線で表示されますが、あくまで「主張」であって、実質隣国が実効支配している地域も含めます。

なので、これからご紹介する場所は、全てインドの主張する地図で確認すると国境付近ではありませんが、ここに含める多くの地域が隣国(パキスタン及び中国)の支配下にあり、お互いが睨み合いを続けている境が別にあるため、赤線で事実上の国境線(停戦ラインとも呼ばれます)を表しました(かなり適当に引いていますので、容赦下さい)。

カシミールの地図
カシミールの地図

①インドを代表するスキー場はパキスタンの目と鼻の先!

知る人と知る、インド最大のスキーリゾート、グルマルグ。アクセスもそれほど不便では無く、デリーから飛行機で1時間乗ってスリナガルへ、そこから車で2〜3時間で12〜3月は雪国の世界に入ります。

このスキー場の特徴は、標高約2,700mの麓から、ゴンドラに乗って標高約4,000mの山頂付近まで上がり、そこから一気に高度差1,000メートル以上を滑る事ができる。上は急斜面になっているので上級者向け。

ウエアや用具は麓でレンタルできる店がいくつかありますが、状態は必ずしもベストで無い可能性が高いです。

グルマルグスキー場
グルマルグスキー場
グルマルグスキー場の休憩所
グルマルグスキー場の休憩所

↑このスキー場の裏側はパキスタン領。紛争地帯でもあり、時々ニュースで砲撃の報道等ありますが、ここグルマルグは高い山脈が壁になってくれているお陰で全く物々しい雰囲気はありません。ただし、山頂には軍の基地はあります。スキーヤーやスノーボーダーが滑る横で。

ちなみに、ここにはカイバルという5つ星ホテルがあります。10年近く前になりますが、ここの食事が非常に美味しくて感動しました。伝統的なカシミール料理が楽しめます。カシミール料理の特徴は、リスターと呼ばれるもっちりした肉団子が多く食べらている事。チャイでは無く、カーワと呼ばれるミルクの入らない、カルダモンの緑茶がよく飲まれている事です。

カイバルホテルのロビー
カイバルホテルのロビー
カイバルホテルの客室
カイバルホテルの客室
めっちゃ美味しかったカイバルホテルのビュッフェ
めっちゃ美味しかったカイバルホテルのビュッフェ

②ヒマラヤ山脈を超えた向こう側にある未知なる世界

カシミール地方からヒマラヤ山脈を超えたグレーズ谷。外国人観光客は特定の旅行会社でツアーをアレンジしない限り、普通に入境できません。インド軍隊が多く駐屯し、道路はチェックポイントだらけですがそのお陰で平和が保てとても素朴な雰囲気が残されています。

グレーズ谷の村
グレーズ谷の村

↑この山の裏側はパキスタンの支配下になります。写真だけ見るとまるでノルウェーにとてもよく似ている。これ何月の景色だと思いますか?冬?

6月中旬です!

デリーは日中40℃越えが続く灼熱の大地になっていても、ここはやっと雪解けが始まる頃。真夏でもダウンが必要で、冬は想像に任せます。グレーズ谷へアクセスが可能な時期は、何と6月〜10月頃。一年の殆どは、この地域へアクセスが可能な唯一の国道が峠が雪に覆われるので、物資が一切届かない、孤立した地域です。

ここに暮らす人々はシーナ族。目が青い金髪の人々も見かけます。

グレーズ谷の男の子
グレーズ谷の男の子
グレーズ谷の村民
グレーズ谷の村民
グレーズ谷の女の子
グレーズ谷の女の子

③インド最北端の村は杏子の里だった!

この村へのアクセスはカシミール地方からでは無く、ラダックから。こちらもヒマラヤ山脈を超えなければならず、峠の標高は5,000メートルを超えます。インド最北端の村トゥルトゥクです。

トゥルトゥクへ続く国道
トゥルトゥクへ続く国道
トゥルトゥク村の女性
トゥルトゥク村の女性

春には村一面が杏子の花で満開になります。

満開の杏子の花とパキスタン側の山々を望む
満開の杏子の花とパキスタン側の山々を望む
風情ある石畳の家
風情ある石畳の家
村の子供達
村の子供達

とても素朴な村ですが、ここは1970年代までパキスタンの支配下でした。4回目の印パ戦争でインドが奪還(インド側の主張)して、インド領になりました。今では、物々しさは全く無く、とても平和な時間が流れます。

まとめ

外務省では印パ国境でもまだ定まっていない停戦ライン地域は危険度が一番高いレベルに指定されていますが、実際殆どは上記の様な情勢が安定した平和な場所です。グレーズ谷はそう簡単に訪問はできませんが、自然が美しいトゥルトゥク村の訪問やウィンタースポーツ好きにはグルマルグはとても新鮮な体験になるでしょう。

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