対照的なエミレーツ航空とカタール航空:選ぶならどちら?

中東御三家に属する代表的な「豪華」エアライン、エミレーツ航空とカタール航空(もう一つはエティハド航空)。

この二社は短期間で急成長し、積極的に大型機材を導入して今や世界全土を網羅しています。

さて、この二社、結構対照的です。

エミレーツ航空は老舗のブランド力を築き上げ、かなり定着してきましたがカタール航空はまだまだそこまで知られていないかもしれません。

2023年9月に初めてカタール航空を本格的に体験して、筆者の大好きだったエミレーツ航空と比較してみたいと思います。

あくまで主観的な部分が大きいですが。

エミレーツ航空777機
エミレーツ航空777機
カタール航空777機
カタール航空777機

①陽キャラ vs 陰キャラ

一言で違いを表すと、正にこれ。

エミレーツはかなり陽キャラカタール航空は結構陰キャラです。

どちらの方が良い悪いという意味で無く、それぞれにメリット・デメリットがあります。

・明るいエミレーツ航空

エミレーツ航空のクルーは基本カジュアルで明るく、コミュ力高くて一緒に居ると楽しい場合が多い。

陽気なエミレーツクルー
陽気なエミレーツクルー

YouTubeでは、CRAZYCOCOチャンネル(日本人)やjeenie.weenie(韓国系カナダ人)等エミレーツ航空出身のクルーは登録者数が多く、人気者になっています。

御三家の中では一番歴史も長く(とは言え誕生したのは1980年代とそんなに古くないですが)、働くクルーも誇りを持っている印象です。

何と言っても、楽しく仕事をしている感覚は乗客としても微笑ましいし好感度を持ちやすい。

その分、手厚いサービスの感覚はあまり無く、ビジネスクラスやファーストクラス等の上級クラスになると少し物足りなさを感じさせられる事があるかもしれません。

筆者もドバイのファーストクラスラウンジでバーでスパークリングウォーターを注文した時に、ただのボトルを渡され、グラスや氷、レモン等の案内が無かった時にはあまりにも雑だと思ってついつい口に出してしまいました。

・保守的なカタール航空クルー

カタール航空は社員に厳しい規則が沢山ある事が話題になっています。

巷では、ちょっとミスをするだけでクビ?社員寮では厳しい門限がある?社員への期待値が高くプレッシャーが高い?等、本当か分かりませんが様々な情報が飛び交っています。

個人的に、実際カタール航空のクルーとお話して確実なのは撮影の際にクルーは写ってはいけない、という事(2023年9月に利用した際)。

撮影許可を得る際に、機内及びラウンジスタッフに同様の規定を伝えられました。

まるで恐怖の世界で働いている様な噂が流れていますが、実際に筆者が体験したところ、プロ意識が高く手厚いサービスで「お客様第一」を実感でき、地上職員及び機内のクルー含めて全体的に非常に丁寧な待遇を受けました。

あまり社員から「圧の中で働いている」印象は感じさせられませんでした。

一点、興味深かった点としては実際にカタール航空のパーサーと会話をした時、かなりエミレーツ航空のサービスについて質問をされたのでライバル意識が強いと思いました。

②エコノミークラスはどちらもハイクオリティー

座席の横幅に関しては業界水準で特に広い訳ではありませんが、長距離仕様の機材の足元は比較的ゆったりとしています(日系と同様に業界水準より高い)。

カタール航空A350機の広いシートピッチ
カタール航空A350機の広いシートピッチ

機内食はレベル高いし、エンタメのチャンネル数は両社とも世界トップレベル(特にエミレーツは桁外れ!日系航空会社よりも邦画の数が多い!!)。

エミレーツ航空の機内食
エミレーツ航空の機内食

③ビジネスクラスはかなりの差がついている:カタール航空圧勝

もしビジネスクラスに乗る場合でエミレーツ航空かカタール航空どちらかで迷う場合、答えは超シンプルです。

カタール航空を選びなはれ!

以前に、カタール航空のビジネスクラスが他社のファーストクラスに匹敵するという記事を掲載しました。

・カタール航空の長距離仕様機材はすべてフルフラットベッド

シートに至っては、カタール航空の長距離仕様機材の大部分が、Qスイートと呼ばれるドア付きの完全個室シート。

たまに古いボーイング777機材になると2-2-2配列のものもありますが、完全にフルフラットになるし横幅がとても広い。

対するエミレーツは、保有機材の大半以上を占める777はなんとその9割がフルフラットにならず、しかも座席配置が2-3-2で通路側でも窓側でも無い真ん中席あり!

このご時世、こんな座席は時代遅れ!

羽田便は正にこの777が導入され、新しいタイプでフルフラットになるものの配列は2-3-2で変わらず。

エミレーツ航空777ビジネスクラス
エミレーツ航空777ビジネスクラス

同じく羽田便に導入されているカタール航空A350機のビジネスクラスはこちら。

カタール航空Qスイート
カタール航空Qスイート

全席が独立したドア付き完全個室型のスイートです。

公平のために、成田便や6月から関西便にも導入されるエミレーツ航空のA380機は、全席通路アクセスありのシートですがカタール航空のQスイートと比較しても大分差は付きます。

エミレーツ航空A380機ビジネスクラス
エミレーツ航空A380機ビジネスクラス

・機内食はカタール航空の方が豪勢

機内食に至ってはエミレーツ航空でも十分に美味しくクオリティーが高いですが、カタール航空は更に上を行きます。

エミレーツ航空の前菜トレー
エミレーツ航空の前菜トレー

例えば、上記の前菜トレーはエミレーツ航空であれば一括で提供されます。

カタール航空ではすべてコースでそれぞれ分かれて提供されます。

プレゼンが完全にレストランレベル!

カタール航空アミューズ
カタール航空アミューズ
カタール航空スープ
カタール航空スープ
カタール航空前菜
カタール航空前菜

しかも、ビジネスクラスでは珍しく、カタール航空では好きな時間に好きなものをメニューから選べるタイプで完全に各乗客へカスタマイズされている

・ラウンジはカタール航空の方が完全にワンランク上

ハブであるドバイ空港のエミレーツラウンジと、ドーハ空港のカタール航空ラウンジ(ビジネスクラス専用)を比較してみましょう。

エミレーツラウンジには様々なビュッフェオプションが並び、ヘルシーなデトックスジュースなどが並ぶコーナーやモエシャンドンのシャンパン各種だけを提供するコーナーなどオリジナリティーに溢れるサービスがありますが、所詮ビジネスクラスラウンジ。

無造作に椅子が置かれ、食事はビュッフェのみ。

仮眠チェアはありながらもオープンエリアなのでプライバシーは無し。

ドバイ空港エミレーツビジネスクラスラウンジ
ドバイ空港エミレーツビジネスクラスラウンジ
エミレーツラウンジの仮眠ベッド
エミレーツラウンジの仮眠ベッド

ドーハ空港のビジネスクラス専用ラウンジではビュッフェの他のビジネスクラスラウンジとしては珍しいアラカルト式のテーブルダイニングが可能で、しかも本格的!

寿司バーもある。

カタール航空ラウンジのアラカルトのサーモン
カタール航空ラウンジのアラカルトのサーモン
落ち着いたドーハ空港カタール航空ラウンジ
落ち着いたドーハ空港カタール航空ラウンジ

そして何と言っても完全個室型の仮眠室が数室用意され、ゆっくり休憩する事ができます(アルモルジャーン・ガーデンラウンジの場合)。

ドーハ空港カタール航空ラウンジの仮眠室
ドーハ空港カタール航空ラウンジの仮眠室

カタール航空のラウンジの方が一つ一つが細かく、配慮されている印象を受けられます。

この様に豪華エアラインとして人気を集めているエミレーツ航空ですが、ビジネスクラスは意外にもそこまで凄くない?

保有機材の大半に導入されている時代遅れのビジネスクラスの真ん中座席や、そこまで洗練されていないラウンジ等、実は一般的に思われている程レベルは高くない?

しかもカタール航空があまりにも良すぎるせいで、どうしてもこの二社の違いが大きく反映されてしまいます。

まとめ

企業文化が全く異なるエミレーツ航空とカタール航空。前者は楽しいイメージがあり、質の良いエコノミークラスを提供しますがビジネスクラスになると保守的なカタール航空の方がかなり軍配が上がります。でも、筆者のエミレーツブランド好きには変化はありません!

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