【1日目】
レー空港到着は07:05。標高は約3,500メートルある。到着後、レーには宿泊せず、車でそのままインダス川沿いを西へ下流の方向へ移動。レーから標高が低くなる為、この辺りは下流のパキスタン実効支配地域に至るまでLower Ladakh、和訳で下ラダックと呼ばれている。
レーの到着日は高山病のリスクがとても高い。飛行機で平地のデリーから一揆に富士山の山頂までの高さまで短時間で移動するので、体の慣れが追いつかない場合が多い。高山病は到着時よりも、到着後約6時間ぐらいしてから症状が表れると言われる。高山病の症状とは頭痛や息切れ、嘔吐など。体力がある・ないに関わらず、こればかりは体質なので本当にどうなるか分からない。
ただし、基本的に到着日は何もせず、ホテルで安静にして普段よりも多めに水分補給をすればだいぶ和らぐ事はできる。H2 Travelsでは絶対に飛行機で到着されたどんなお客様に対しても、絶対に初日に観光手配は入れない。高山病は命に関わる場合もあるので、絶対に軽く捉えてはいけない。
ダイアモックスという、高山病予防の薬は一般的だ。こちらはインドの薬局では手に入りやすいが、日本では処方箋が必要だ。到着日数日前から飲まなければいけない。個人的に薬は昔から飲まない主義なので今回もお世話にはなっていないが、利用される旅行者も多い。ただし、薬は薬なので副作用もある。うちの旅行会社としては何も意見を言わず医者と相談して下さいとさせて頂いている。一番安全で効果も比較的高いのは水をがぶがぶ飲む事だ。あとはしっかり睡眠をとる事。アルコール類は酔いが早いので、旅行前日も含めて旅行中は控えた方がよい。
高山病の説明で前置きが長くなってしまったが、1回以前の視察でダージリン郊外のサンダクプーへ行った時(ちなみに標高は約3,700メートル)、同僚のH氏が高山病に掛かって結構うなされていた。なので今回もH氏はかなり慎重。車でアルチへ行く途中も観光名所や絶景ポイントなどあるが、一切車から出なかった。僕はまぁそんなに無理をしなければ大丈夫だろうとちょっと楽観的になっているので、遠慮なく途中の名所で降りて階段も登ったりして観光した。
国道沿いにグルドワーラー(シーク教寺院)がある。ラダックで仏教でもイスラム寺院でも無い寺院は珍しい。
ここには昔シーク教祖が悪魔を退治したと言われる石がある。ターバンを巻いたお兄ちゃん達がチャイもサービスしてくれた。極寒のこの地のチャイは普段飲むチャイよりも凄く美味しく感じた。
マグネティック・ヒルと呼ばれる場所。目の錯覚で、車が国道の坂道を上に引きつけられる様に上がる風に見えるらしい。
ところで4月中旬は綺麗に整備された国道沿いにほとんど車が走っていない!数分間に一度すれ違う程度だ。
2014年は春が訪れるのが遅く、ラダックから外界へ唯一繋がっているカシミールとヒマーチャルの道が峠に積もっている雪で閉ざされている。そう、ラダックでは約半年ほど外界からの陸路のアクセスが閉ざされた陸の孤島となっているのだ。
2013年ではすでに4月上旬頃にはカシミールへ繋がる峠は開いていたらしいが、今年はまだまだ先の話。結局、5月に入ってやっと開いたそうだ。なので、トラックもほとんど走っていないし、人口の少ない地元の人々が行き来するぐらい。
インダス川とザンスカール川が合流する場所。サンガムと呼ばれている。奥から流れる綺麗な水がザンスカール川、左から流れているのがインダス川。
アルチ:標高は約3,100メートルとレーより若干低くなる。ここにはカシミール様式で建てられた珍しいスタイルのラダックで最も古い仏教寺院の一つ、アルチ・ゴンパがある。また、ここは4月中旬以降に満開になる杏の花見に最も適した場所でもある。ただ、今回は春の訪れが例年より遅いとの事もあり、実際花見を楽しむほど満開では無かった。若干咲いている花があったので、綺麗だった事は確かだ。レーからアルチは車で1時間半ぐらいと、割と近い。
今日はとにかく高度順応の日なので、ゲストハウスに到着後すぐに休む事にする。前夜興奮して眠れなく、また早朝5時台出発のフライトでもあったので、早い昼食を食べてからたっぷり睡眠を取った。
レストランなんてこの時期営業していないので、宿で3食済ます。この寒い時期外界から物資は来ないので、ラダック内で採れる限られた野菜やストックを使用しての食事。
ダール、米、パニールの炒め物。
普通のインド料理だが、薄味でラダック風と言うのかな。インド料理は得意な方ではないのだが、ここの食事はとても食べやすかったし美味しく感じた。
睡眠後、体調も良好だったので少し散歩に出た。ヒマラヤン・マグパイと呼ばれる野鳥が沢山飛んでいた。
伝統的な村と言う感じでのどかで風情がある。夏のシーズン中は多くの観光客が訪れる。
明日は更に西へカルギルへ向けて移動。この日はゆっくりと休む事にする。